【連載】揺れる都民ファ~都議会第1党の内幕【蔵出し】【+視点】
※この記事は2018年11月2日号から3回にわたる連載を〝蔵出し〟したものです。特に表記のない限り、日付や時系列は2018年当時のものあることを念頭に置いてお読みください。また、その後の動きを取材した2019年6月28日号の「視点」も掲載しております。
品川区長選を契機に内紛が深まる都民ファ。小池知事の求心力で都議会第1党に躍り出てから1年余が過ぎた。内輪もめは自称「ベンチャー政党」の成長過程の一コマなのか。それとも民主党を始め、過去多くの新党がたどった消滅の歴史をなぞる一歩なのか。3回にわたって都民ファの内情を追う。
(上)言行不一致/うその波紋 真実はどこに《2018年11月2日号》
誰かがうそをついている─。9月30日投開票の品川区長選を巡り、都民ファーストの会内部に不信感が広がっている。
主因は都民ファが推薦した元都議会自民党幹事長の佐藤裕彦氏との政策協定についてだ。佐藤氏は政党推薦の態勢が整った8月24日、都庁で記者会見を開いた。その際に同席した佐藤氏直系で元自民の都民ファ・山内晃都議はこう語った。「都民ファも共産党と同じく、政策協定を結んだ上で、党として推薦した」
会見には立憲民主、共産、自由各党の都議や幹部らも出席。他党関係者らは都民ファが党としても政策協定を結んだと理解した。
だが、都民ファの荒木千陽代表は所属議員を驚愕させるこんな発言をした。「(政策協定に)サインをしていない。協定は代表がサインするものですよね」。10月16日に新宿NSビル3階で開催した党の会合での出来事だ。
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