【連載】小池都政2期目の進路~2.0時代(1)/コロナ対策/揺れた判断 現場負担に荷重

《都政新報2020年7月7日号掲載》

 「東京大改革2・0」を提唱し、再選を果たした小池知事。現職有利とは言え、366万票を獲得した結果を見ると、都民は1期目に「合格」の審判を下したと言っていい。ただ、都民に伝わった表面上の評価と、都政の実務は別の話だ。小池知事は都政をどうアップデートしていくのか。2期目の進路を探る。

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 都知事選を3日後に控えた2日、都庁内に緊張が走った。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が100人を超えるとの知らせが入ったからだ。都は前日、これまでのモニタリング指標を修正し、感染状況と医療体制を4段階で評価する形に切り替えたばかり。感染状況は2番目の「拡大しつつある」、医療体制は「強化の準備が必要」とした。

 新型コロナ対応は、都知事選でも最大の論点となり、小池知事はCDC(米疾病対策センター)の東京版を創設すると公約した。小池都政2期目で、公衆衛生の充実は都政の命題だが、現時点で将来像を描き切る余裕がないのも事実だ。連日、100人超の感染者数を確認し、「第2波」の懸念は高まっている。都の感染症対策は今なお、手探りの状態だ。

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