罠猟免許試験受験記(2021/2/7・北海道)
先日2/7に受験した罠猟免許試験に無事合格しました。
受けようと思うまで
昨年9月下旬、栽培していたトウモロコシがアライグマに食い荒らされた。
アライグマの食害痕の特徴は、バナナの皮を剥くかのようにていねいに皮がむかれた跡にある。(これはなかなかに辛い経験であった)
その後10月下旬ごろに、罠猟免許の存在を知る。
狩猟免許=猟銃免許のイメージがあるが実際には、
・第一種猟銃免許
・第二種猟銃免許
・罠猟免許
・網猟免許
の4種類がある。
猟銃で狩りをするのには銃所持許可・猟銃免許が必要なのと同じく、罠で狩りをするためには罠猟免許が必要である。
猟銃と比べると比較的難易度が低いし、何より農作物を荒らすアライグマ対策に箱罠を仕掛けることができるのは嬉しい。
2021/2/7に行われる令和2年度第3回試験を受験することを決める。
試験の概要
午前・・・知識試験、適性試験
午後・・・技能試験(午前で落ちると受けられない)
・知識試験は狩猟読本(後述)を読めばだいたい受かる。アイウの記号から選択する形式で、30問出て70点以上で合格。
・適性試験は視力、聴力、手足の屈伸をはかるだけなので問題なし
・技能試験はぶっつけ本番ではほぼ無理なので、試験直前開催の猟友会の予備講習を受けてから挑むべき。
得点は減点方式で、70点以上で合格。出題されるのは、
1)狩猟鳥獣・非狩猟鳥獣を判別する問題(全部で9問。一つ間違える・答えられないと2点減点)
紙芝居形式で出題される。動物の絵が出てから5秒以内に答える。
2)猟具が法律上使用可能・不可能かを判別する問題(全部で6問。一つ間違える・答えられないと5点減点)
机の上に置いてある猟具一つ一つを、5秒以内に答える。
3)罠を実際に架設する。架設ができない場合31点減点(つまり他ができても69点で不合格)。
なので、後述の猟友会の予備講習の受講が必須。
書類の準備
第3回試験の申込受付開始日は2020/12/22から。それまでに必要な書類をそろえる。
狩猟免許試験の受験には、以下の書類が必要。
・狩猟免許申請書・・・北海道の場合、ホームページからpdfをダウンロードして印刷可能。
・県の収入証紙5200円分・・・地方銀行の窓口で買える。収入印紙ではないので注意。
・住民票
・医師の診断書
・顔写真(大きさは3*2.4)
・受験票返信用封筒(84円切手を貼っとくこと)
中でも一番面倒なのが、精神疾患を持ってないことを証明する医師の診断書。
午前休を取って札幌の心療内科を受診。診断書発行に5500円もかかってしまった・・・これは落ちるわけにはいかない。
(医者が狩猟免許試験取得のために診断書発行してほしいと言われたのは初めてと、興味津々にいろいろ話聞いてきたのは面白かった)
診断書は県指定のフォーマットで書いてもらうと良い(以下例)
申し込み開始
電話で受験希望地の振興局に事前予約を取ってから、申込書類を送付する。
2020/12/22の9:00から申し込み受付開始。
札幌での受験を希望するため、9:15ごろ石狩振興局の環境生活課に電話。
・・・するとなんと、9:10で定員に達してしまったとのこと。
コロナのせいで人数制限がかかっているうえ、人口の多い札幌。あっという間に埋まってしまったか・・・。
やむを得ず、空知振興局(岩見沢)で予約。
家から結構かかるし、前泊しようか・・・。
書類発送~受験票届くまで、予備講習会申し込み(正直一番大変だった)
正直、ここが一番大変。
申し込みに必要な書類は全部手書き。そして手続きは全部電話か郵送なので結構時間がかかる。
IT系なので職業柄アナログな手続きは本当に苦手。
(情報処理系の資格は普通ネット申し込みとクレジットカード決済でできてしまうので・・・)
書類漏れがないか、記入不備がないかを念入りに確認して1/4に空知振興局に発送。
直接行ける程度の距離なら振興局で確認してもらいながら記入したほうがよさそう。
1/18。さて、発送から2週間程度たったが受験票が来ない。大丈夫か?
空知振興局に電話すると今日送ったとのこと。翌朝、受験票が届いていた。
受験票は届くまで大体2週間かかると思ったほうがよさそうだ。
また予備講習会の申し込みも忘れてはならない。
最初岩見沢で受験するつもりだったが、なんとホームページに載っていた連絡先が誤っていた(苦笑いの顔文字)
1/18に猟友会札幌支部に電話したところ、岩見沢で試験を受験する場合でも札幌で予備講習会を受講できることが判明。ということで予備講習会の方も申し込み。
なお、申込期限が1/18だったのでぎりぎりでした。危なかった。
猟友会札幌支部の場合月木金以外は閉まっているのでその辺も要注意。
(もっと楽に試験と予備講習会申し込みできないものだろうか・・・)
試験勉強
12月は午後の実技試験対策に、鳥獣判別試験問題を何度も周回(普通に解くだけでもかなり面白い)
罠猟免許試験の場合は鳥の判別は出ないけど、後で猟銃免許取りたいってなったときのことも考えると勉強して損はないかも(普通に面白いし)
https://www.harusa.org/syuryo/hanbetsu2/
1月から本格的に勉強開始。
・午前の知識試験対策に、メルカリで狩猟読本を入手。ひたすらこれを読む。特に鳥獣法に絡む部分は出題数が多いので重点を置いて読む。
・罠ガール2巻は実際の試験の様子が細かく書かれているのでお勧め
https://www.amazon.co.jp/dp/B07FFM3W1K/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
猟友会主催の予備講習会(2021/1/24)
予備講習会に参加。
初めに狩猟読本と例題集が配られる(申し込みが早い場合は、着払いで送ってくれるそう)
午前中は知識試験に関する説明。
鳥獣法、猟具、動物の基礎的な知識と出題範囲の重要な部分を「ここよく出るので覚えてください」と解説してくれる。
結論から言うと例題集を解きつつ、予備講習会で覚えとくように言われた箇所をおさえておけば知識試験は確実に通る。
午後は実技試験に関する説明。
先述の試験に出る箱罠の仮設方法を教えてくれる。
家に箱罠がある人はほぼいないと思うので、なんどもさわって本番でも円滑に箱罠をかけられるようにしておきたい。
箱罠の架設を体で覚えるまで何度もやった。そして午後3時ぐらいにもう十分、となったので切り上げた。
試験当日まで
ひたすら例題集を解きながら、狩猟読本を読む。
狩猟鳥獣の判別問題のイメージトレーニング。(ハクビシン、テン、ミンクなど見慣れない動物でもすぐ答えられるようにする)
箱罠の架設をyoutubeで見たり、イメージトレーニングしたりする。
試験当日
岩見沢のホテルで前泊。
当日は大雪。路肩に積もる雪が人の背丈を超えていた。
受験者は25人。
まずは9:00から知識試験。全部で30問、アイウの選択肢から選ぶ形式。
問題はほぼすべて例題集からそのまま・もしくは一部改変して出題。
あとは予備講習会で「覚えておいてください」と言われた箇所から出題。
制限時間は90分だが、30分経過すると退出可能。
30分すぎると半分以上の人が退出したが、自分は念を押して10分ほど回答の見直しをした。
その次は適性検査。視力、聴力、手足の屈伸をやると聞いていたが、視力検査のみの実施だった。
※猟銃は0.7以上、罠猟網猟は0.5以上が基準なので不安な人は検査しておいたほうがいいかもしれない
適性検査終了後1時間ほど待機。(試験対策するにもあまりにも時間が余ったので漫画を読んでた・・・)
その後知識試験の通過者を発表。ここで落ちてたら即帰宅になるので自信はあっても少しドキドキするが・・・今回は無事全員通過していた。
昼休み後、最後の実技試験を受ける。
まずは狩猟鳥獣の判別。難なくこなす。
次に使用できる猟具の判別。これも難なくこなす。
最後に箱罠の架設。
ここでやらかしてしまった。箱罠のストッパーをかけ忘れてしまったのだ。
罠ガールでも実技試験でやらかした様子が描かれており、予備講習会でもあれほど気を付けるように言われていたのだが、やらかしてしまったのだ。
結果は2/17までに郵送で通知する、とのこと。
合格発表
合格通知書が来るまでの日々を非常に複雑な思いですごした。
狩猟読本には「罠の架設が不十分な場合 20点減点」と書かれてあるからきっと合格点には達しているだろう、検索してみるとストッパーをかけ忘れたけど合格した、猟銃免許試験だけど銃口を試験管に向けてしまったけど合格したという話もあった、だからたぶん大丈夫だろう・・・。
一方で不安もよぎる。みんな受かる試験で落ちていたらいやだな、もしかしたら違うところで減点食らったかもしれない、そしたらまた診断書をもらいに行って面倒な申し込み手続きをしないといけない・・・。
結果としては無事合格したわけだが、結果が届いたのはなんと2/17だった。(だったら「2/17までに通知する」ではなく「2/17に通知する」と言ってほしかった・・・毎日郵便受けに入ってるからって思ってしまい落ち着かなかったよ・・・)
次は猟銃免許を取ろうか
罠猟免許を取ってやっとスタート地点に立った、というのが正しいです。
罠を仕掛けてもなかなかかからないという話はよく聞いているので、ここからが本当の勝負だ・・・。
なお、すでに狩猟免許を持っている状態で、別の試験を受けると受験料が少し安くなるうえ、知識試験の大半が免除されるので、第一種猟銃免許を取るのも考えている。