土佐山アカデミーと、言葉vol.8「土佐山通信簿」
「10年、毎日続けたらいっちょまえになる」。
これは、糸井重里さんが大切にしている、吉本隆明さんの言葉だそうです。
今回の土佐山アカデミーとの定例で、この言葉を思い出していました。なぜなら、今年の10月でNPO10周年を迎えるから。
6月上旬、毎月1回60分1本勝負の定例MTG(以下、定例)。
先月に続き、吉冨さんは移動中の車から参加でした。
・炭ニケーション……。
・高知高専の授業。
・土佐山での越境学習(ラーニングワーケーション)。
・地域おこし学校「みませ楽舎」のオープンスクール。
・古民家のセルフリノベーション。
「ネタ」が豊富だった5月から6月の頭にかけて、どこから話しますか?と聞いてみました。すると、そういえば、と切り出したのが「NPO10周年」だったのです。
「土佐山アカデミーとは、どんな現象だったんだろう?」そう話す吉冨さんに対し「現象って?」と訊ねると、それは「何をもたらすことができたか」と同じ意味のようでした。創業当初は「お騒がせ」状態。バカデミー、と呼ばれていたことは、どこの馬の骨かも分からない「現象」に対しての、地域の期待が含まれていたのかもしれません。そして、3年経って「まだある」状態に。温度差はあったものの、地域にも受け入れてもらうことができてきた実感があったようです。そして今。結果として、2万人超の関係人口を生み出し、89人の移住に関わった(2022年6月現在25人)、という事実は「ある」状態に。
2人はよく「土佐山にとって」と言います。今回もそうでした。
土佐山にとって、地域の人にとって、この10年はどうだったのか?数字としての事実はあるけれど、と前置きをした上で吉冨さんはこう話します。「土佐山の自然治癒力、というのかな。人を呼ぶ力、というか、成長する力、というか……。とにかく手助けができているのか?役に立てたのであれば、その影響を知りたい」。
事実は、何を続けてきた結果なのか。いっちょまえ、になれたのか。画面の向こうで、そんなことを考えている、顔。
そこで、冒頭の言葉を投げかけてみたのです。
「10年で、何のプロになったんですかね?」
すると、初心に戻るようにパッと答えが返ってきたのです。「やっぱり、『オモシロガル』プロ、じゃないかなあ。」
そうきたか!と課題を歓迎し、資源に変え、人を繋いでいく。自分達で定義するとそういうふうになる。
しかし、評価は「当事者以外の目」が、あってこそ。そのための投げかけとして、10年をまとめた展示をする?フォトブックを作る?というか、そもそもこの定例も本を出すためだよね。言葉が全然足りないよ。あ、イベントはやりたいよね?タイムカプセルとかいいよね!
アイデアの回転数は上がっていきます。「20周年を迎えた自分に向けて、この『アイデアを考えてあげる感じ』、いいですよね!」そうそう、その調子。それでこそ「オモシロガル」プロですよ。あ、そうそう、コロナ禍でできなかった、昨年の創業10周年のリベンジ、ではないけれど、今年はやっぱり何かやりたいですよね……。
「らしさ」溢れる意義深い定例ではあるものの、こちらとしては、書かないといけない「今月の言葉」が見つかってません。残りは3分。
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2人に触発されて思いつきました。このnoteの元となる原稿が載る、土佐山でのみ配られる「土佐山アカデミー通信」に。
「簿」をつければ良いんじゃないか?
題して「土佐山アカデミー通信簿」。どんな現象だったか?何ができたのか?そして、次の10年、何を期待してもらえるのか。
アンケートにして土佐山の皆さんに評価してもらおうじゃないの、と!言わば、まさに10周年の「あゆみ」。
もらえるスタンプは、大変よくできました!か、もっと頑張りましょう、か。いずれにしても、評価をくれる先生たちが、いる。その事実が何よりの財産なのだと思います。
ごきげんでおなじみ 髙木健太
土佐山アカデミー東京代表
プランナー/コピーライター/コーチ
日本大学芸術学部卒業後、設計デザイン事務所、飲食業などを経て広告代理店のクリエイティブ・プランナーに。2019年企画屋として独立。身近な人、モノ、コトからごきげんにできるように企画・コミュニケーションの力を使いたいと考えています。「なごやかに、すこやかに」が信条。趣味と生きがいは余興。5歳児の父。
●ごきげんでおなじみ https://gokigen-inc.jp/