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岡田耕
2022年12月26日 00:00
磯村 光生(平成八年作、『花扇』) 東京の年の市は、十四・十五日の深川八幡から、二十五・二十六日の麹町平河天神までが六大市と称された。「二十八日は薬研堀の年の市。夜になると両国の両側にはお飾りを売る店が軒を並べて、大根締め、輪飾り、締め飾り、橙子、本俵、譲葉、昆布、串柿まで並んでいる。刺子を着て向鉢巻をした若い衆が『市ちゃまけた』と呶鳴りながら、お客を呼んでいる。横町の角では伊勢海老ば
2022年12月22日 00:00
山本御代句集『ボロ市』所収。ただでさえ多くの人でごった返す世田谷ボロ市。狭い路地を通り抜けるだけでも一苦労。そこを骨董品やら、古着やら、雑貨やら、植木やらの戦利品を携えて歩く。双手いっぱいの満足感、いやまだ戦闘態勢であるのかも。(岡田 耕)
2022年12月8日 00:00
土生 重次(昭和五十四年作、『歴巡』) 大森貝塚を発見したE・S・モースが記した滞在日記に、正月飾りなどを売る年の市の風景(明治十一年)がある。「今月(十二月)は、各所の寺院の近くで、市がひらかれる。売買される品は、新年用の藁製家庭装飾品、家の中で祭る祠、子供の玩具等である。大きな市はすでに終り、今や小さい市が、東京中いたる所で開かれる。このような野外市につどい集る人の数には驚いてしまう