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俳句や短歌

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#国語がすき

続・「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い

続・「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い

【スキ御礼】「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」

前記事の「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」を書いたあと、妻にこの歌は「カナリヤ」も「枇杷の実」も月の色と同じ黄色で揃えられていることを話した。
そしたら妻からは、
「私もそう思っていたわよ。キネズミもそうでしょ。」
と言い返された。
「キネズミ?・・・・・・黄ネズミ!」
どうやら妻は、木ねずみ(リス)のことを、ピカチュウみたいに黄色いネ

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鑑賞*戦争に人は憑かるる秋の蠅

鑑賞*戦争に人は憑かるる秋の蠅

高﨑 公久
句集『青』(令和四年)所収。作者は昭和五十三年に「蘭」に入会。野澤節子・きくちつねこに師事。平成二十八年「蘭」主宰継承。句は、平成二十二年~二十五年の作。

人は、自我を脅すものに攻撃を向ける。

集団でも、その理想や主義を脅かすものに攻撃を向ける。

攻撃で自我が拡大する興奮は止められなくなる。

無用な殺戮をする動物は人間だけ。

秋の蠅、叩くのは止めておこうと思う。

(岡田 耕

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歳時記を旅する 6 〔曼珠沙華〕後*曼珠沙華かつて一揆の果てし丘

歳時記を旅する 6 〔曼珠沙華〕後*曼珠沙華かつて一揆の果てし丘

磯村 光生
                      (平成十年作、『花扇』)

「彼岸花の花はどんなに咲こうがどれ一つとして実を結ぶものはない。球根の分球によってのみ増殖する。(略)畦道という畦道を埋め尽くすように咲くその花は、わざわざ人が植えたからであり、必ずしもねずみなどの害を防ぐ為ばかりではなかったであろう。」(『鎌倉 花の四季』磯村光生) 

句の丘は、たとえ人里離れていても、かつてそ

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句集紹介 高﨑公久『青』 

句集紹介 高﨑公久『青』 

高﨑公久『青』
令和四年 文學の森

 俳誌「蘭」は昭和四十六年の創刊。
作者は、平成二十八年より「屠蘇酌みて今年これより一誌負ふ」と主宰継承。
師系は「林火忌や潮流青を深めつつ」という大野林火。
福島県いわき市の出身で、野澤節子・きくちつねこに師事し、「牡丹供養赤炎青炎は二人の師」と須賀川で有名な牡丹供養を詠む。
東日本大震災の年次の句も収録されているが、「想いの十分の一も表現できていない句を載

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