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俳句や短歌

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歳時記を旅する 18 〔萩〕後*吾子眠れほろほろ萩のこぼるるよ

*「歳時記を旅する18〔萩〕前*初萩の…」「歳時記を旅する18〔萩〕中*道問へば屋号で示し萩の道」からの続きです。
*既投稿の記事を分割して再投稿しています。

磯村 光生
    (平成三年以前作、『花扇』)
 
五月七日(陽暦六月二十三日)、芭蕉と曽良は、画工の加右衛門の案内で、宮城野など、仙台周辺を遊覧する。

『おくのほそ道』にも「宮城野の萩茂りあひて、秋の気色思ひやらるゝ」と、花咲く時期

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歳時記を旅する17〔蜩〕中*かなかなや裾から暮れる神の山

歳時記を旅する17〔蜩〕中*かなかなや裾から暮れる神の山

佐野  聰
(平成十年作、『春日』)

 箱根神社は、箱根三所権現として奉られるより前の、今から二四〇〇有余年前、聖仙上人が、箱根山の駒ヶ岳(一三五六m)から、主峰の神山(一四三七m)を神体山としてお祀りされて以来、山岳信仰の一大霊場となったとされる。

 蜩の声は、山間部でも聞かれる。
平地に多いアブラゼミは芦ノ湖の標高(七二三m)では聞かれない。
那須高原(標高約七~八〇〇m)で過ごしていた頃

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