『悪鬼斬ーAKKIZANー』制作後記
■はじめに
『天雲草子』より真生・阿尾羽のバディと『ワタシュゴ』シリーズに登場した“悪鬼”によるエキシビジョン・マッチとして制作された『悪鬼斬ーAKKIZANー』。
今回は制作の経緯や技術的なポイントなど、監督としての視点で綴っていこうと思います。
ここまで読んで何のこっちゃ分からない!って方は『ワタシュゴ』と『天雲草子』見てから戻って来てね
■企画から制作まで
まず本作の企画の発端となったのは『流星揚羽秋まつり』のオープニングアクトを稽古していた時の雑談でした。阿尾羽と真生は同僚でありながらタッグで戦うことが少なかったので、そういう短編撮りたいなぁって登坂が言い出したら、悪鬼と戦うとか、三刀流とか諸々肉付けされて行きました。
後日、別の現場で悪鬼役の加東岳史さんに「こういう企画があるんですけど…」とお話ししたら快諾頂けて、夢の共演が晴れて実現する流れとなりました。
鬼の討伐を使命とする阿尾羽や真生が悪鬼と戦うというのは、作品・劇団を超えたクロスオーバーでありながら上手く纏まっているなあと思います。そして今回のもう一つの目玉は【三刀流】です。
言わずもがな、真生役の田村祐香里さんは大のゾロファン。今回は鬼斬りという技のみならず、カット割りまでリスペクトし、再現度の高い映像にできたと思います。
【悪鬼】と【鬼斬り】で『悪鬼斬』です。
阿尾羽の二刀を真生に渡しているため、その間は僕はボディファイトしているので、そこも注目してほしいですね。
■技術的ポイント
さて、企画の大枠はこんなところで、今回の技術的なポイントをお話ししていきましょう。
あ、先に使用機材。
最低限の人数で撮影されたことは阿尾羽外伝から変わりませんが、今回は2カメ体制で撮影しました。スタッフは大学時代の同期なんで思いっきり厚意に甘えました。2カメは登坂組だとキャプテリオン以来かなぁ?
編集の時にアクションつなぎで迫力やリズム感を出すのが好きなので、使える素材が増えるのはとても恩恵が大きいです。
あとは阿尾羽外伝をはじめ、過去の登坂作品と地味に違うのはボケ味でしょうか。
ボケてればオシャレ。ボケてれば映画的。という風潮が好きじゃないので、今までは執拗なまでにカリカリの画にしていました。でも全てはバランスだなぁと思って、今回は可変NDフィルターを購入して、なるべく開放で撮りました。
結果としてマイクロフォーサーズなんで、そこまで大仰なボケにはならなかったかなと思っています。
■まとめ
今回は企画から撮影・撮影から公開まで、かなりのスピード感で進めることができました。登坂本人もワクワクする内容で、技術的な課題もチャレンジできたので、とても満足度が高かったです。ご視聴の皆さんも楽しんでいただけたら嬉しいです。
さて、本企画が好感触だったので、今後毎月1本、短編を作ることにしました。
技術的な挑戦を合わせて制作していこうと思いますのでシリーズ名を「Tosaka Trial Theater」としたいと思います。”さんてぃ“っていう略称にしようかな。(2021年12月24日追記:さんてぃだと可愛すぎるからティースリーにしようと思います。まあ略称なんてなんでも良いんですけどね。)
これからも引き続き応援よろしくお願いいたします!
■クレジット
【出演】
真生:田村祐香里
阿尾羽:登坂義之
悪鬼:加東岳史(劇団GAIA_crew)
【スタッフ】
編集・監督:登坂義之
撮影:廣田耕平/髙坂聖太郎
協力:流星揚羽/Creative Company Colors/劇団GAIA_crew/奧宮キエラ/Shikemen