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腰部・脊柱のリハビリ 〜固有背筋群(脊柱起立筋群)について深掘り〜

固有背筋とは?

背部に存在する筋肉のうち、脊髄神経後枝に支配される筋肉の事を指す。
固有背筋は外側群内側群に分類される。
分類の仕方は、横突起より筋肉が外側にあるか内側にあるか!

【外側群】 腸肋筋・最長筋など脊柱起立筋と呼ばれる筋肉
固有背筋群の表層の大部分を占める大きな筋肉。 
特徴:筋長が長く、脊柱の運動方向を決定するのに適する。脊柱を動かす力点となる。
   側屈作用が強く、過度な筋緊張の増加は側弯の原因となりうる。
   脊柱に安定性をもたらすのには適さない。

腰腸肋筋:脊柱起立筋群の中で最も外側に位置する。 
腸骨稜と第12肋骨の間に厚い筋腹がありこの部分で腰椎の強い回旋・側屈作用を担う
胸最長筋:骨盤から起始し肋骨・胸腰椎のいずれにも停止する為、脊柱伸展作用が強い

図1 固有背筋外側群(脊柱起立筋群)



【内側群】 棘筋・横突棘筋(半棘筋・多裂筋・回旋筋)

脊柱起立筋群の深層にある比較的小さな筋肉。
特徴:椎体間の微細な運動をコントロールし脊柱に安定性をもたらす。

横突棘筋:横突起から起始して上方へ走行し上位椎骨の棘突起に停止する筋群。
起始から停止までに飛び越す椎骨の数により筋肉が分類される。
飛び越す椎骨が5つ以上→半棘筋(胸椎レベル以上に限局して存在)
飛び越す椎骨が2〜4個→多裂筋(脊柱のほぼ全長にわたって存在するが腰部が特に発達)
直上または2つ上の椎骨に停止→回旋筋(胸椎レベルに限局して存在)

図2 固有背筋内側群(横突棘筋)

※飛び越す椎骨の数が多いほど脊柱起立筋に近く、脊柱の側屈・伸展作用が大きい。
 飛び越す椎骨の数が少ないほど、対側回旋作用が強くなる。

腰部多裂筋について詳しく解説!

作用:両側で活動した場合は伸展(腰椎前弯の増強)
   片側で活動した場合は対側回旋
活動性:腰椎生理的前弯位で最も高く、後弯位で最も低い
主な役割 ①脊柱運動時に椎間関節の滑走性を調整し、腰椎への負荷を軽減する
     ②腰椎前弯をコントロールして腰椎にかかるストレスを分散する
     ③椎間関節の関節包に付着し運動中に脂肪組織が関節内に挟み込まれるのを
      防ぐ
     上記の役割から、多裂筋は腰部の主要な動的安定化機構とされている!


背部の筋肉は脊柱起立筋と大まかな認識でいましたが、細かく分類されておりそれぞれに微細な役割がある事によってスムーズな脊柱運動が行われているという事が分かりました!

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