各都市に進出する銀行をまとめると、都市間の経済の繋がりが見える

大半の方にとっては既知の事実かと思われますが、日本にはやたらと数多くの銀行があります。その銀行を大きく分類すると、全国を股にかける都市銀行・主に1つの都道府県を中心に展開する地方銀行/第二地方銀行(2種類に分かれているのは歴史的経緯からで、概ね地方銀行より第二地方銀行の方が小規模な傾向がありますが、ここではさほど気にする必要がありません)・どちらにも分類し難い銀行(ネット銀行や旧長期信用銀行など)の3種類(信託銀行除く)があります。
今回は、この中でも特に地方銀行/第二地方銀行(以下、長ったらしいので略して地銀と称しちゃいます)の支店分布を見ていきます。先述の通り地銀は基本的にその銀行の本店がある都道府県を地盤としますが、様々な理由から近隣県に支店を置くことが多々あります。特に、経済規模の大きい大都市は、資金需要の大きさ、あるいは地元企業が進出する機会の多さ等の理由から多くの銀行が支店を置いています。東京23区に至っては北は北洋銀行(北海道)から南は琉球銀行(沖縄県)まで本当に全国の銀行が東京支店を置いているほどです。
そういうわけで、各都市にどの銀行が進出しているかを見ていきましょう。なお、東京と大阪はあまりにも数が多いため今回は割愛させてください。ごめんなさい。

札幌(北海道)に進出する銀行

青森県:青森銀行・みちのく銀行
宮城県:七十七銀行
秋田県:秋田銀行
新潟県:第四北越銀行
富山県:北陸銀行
静岡県:スルガ銀行

札幌に進出する各行の所在地

札幌に進出する県外地銀は合計7行。北東北に位置する岩手県の銀行が札幌には支店を置かない一方で、新潟県の第四北越銀行や富山県の北陸銀行と言った日本海側の地域の銀行が多く進出しています。どうも北海道開拓の際、元々北前船経由での交易が盛んだったことや雪の多い気候への耐性があった等の事情もあり日本海側の人が多く北海道に渡ったため、北海道と本州日本海側の資金のやり取りが多かったことが要因のようです。
特に北陸銀行は明治32年(1899年)と開拓初期の頃から進出しており、現在でも道内に多くの支店を構えています。なお、北海道内の各行シェアを見ても地元2行(北洋銀行・北海道銀行)に次いで北陸銀行が3位を維持しています。
この他、スルガ銀行が異彩を放っていますが、元々スルガ銀行は地銀でありながら地元の静岡県とは関わりの薄い仕事をガンガン取ってくる非常に積極性の強い銀行なので、ちょっと特殊な事例です。何かこう札幌と沼津の間に特別深い繋がりがあったとかそういうわけではありません。

仙台(宮城県)に進出する銀行

北海道:北海道銀行
青森県:青森銀行・みちのく銀行
岩手県:岩手銀行・東北銀行・北日本銀行
秋田県:秋田銀行・北都銀行
山形県:山形銀行・荘内銀行・きらやか銀行
福島県:東邦銀行・福島銀行
茨城県:常陽銀行

仙台に進出する各行の本拠地

仙台に支店を置く県外地銀は14行。言わずとしれた東北の中心都市故に、東北地方の銀行は大東銀行(福島県)を除き全て支店を置いており、圧倒的な拠点性の強さを感じます。東北方面の地銀は市内に複数の支店を置き「第二の地盤」と考えている銀行も多く、仙台市内の金融競争はなかなか激しいと言えそうです。
他方、東北以外で支店を置く銀行は2行。北海道は諸事情(※拓銀破綻時に本州の手厚い支店網が北洋銀行に引き継がれなかった関係)により道内トップの北洋銀行ではなく2番手の北海道銀行が支店を置いています。茨城県の常陽銀行は意外と福島県内のネットワークが手厚く、仙台進出もその延長かと思われます。
この他、数年前まではスルガ銀行も支店を置いていました。

新潟(新潟県)に進出する銀行

秋田県:秋田銀行
山形県:きらやか銀行
福島県:東邦銀行
富山県:北陸銀行

新潟に進出する各行の所在地

新潟は本州日本海側有数の巨大都市ですが、周辺都市からの遠さもあり、県外地銀は比較的少なめです。
福島県西部の会津地方は新潟との結びつきが強く、県内最大手の東邦銀行が支店を置くのはある意味順当でしょう。
北陸銀行新潟支店は県内唯一の支店。北陸銀行にとっての地元はあくまで富山・石川・福井・北海道の4道県で、新潟は北陸であるとあまり考えていなさそうです。
秋田銀行は異彩を放っていますが、これは日本海側繋がりでしょうか。あるいは秋田銀行は歴史的経緯から福島県内での存在感がそこそこあるため、その影響かもしれません。
気になるのは山形県。県内最大手の山形銀行でも、比較的新潟との結びつきが強い庄内地方を拠点とする荘内銀行でもなく、きらやか銀行が支店を置いています。理由は謎ですが、なぜか新発田方面にやたらと多くの支店を置いていた痕跡がある他、さほど都市規模が大きくなく地盤の山形県からも離れた月岡温泉になぜか店舗外ATM(旧殖産銀行)を置いており、新潟(特に新発田)方面の独自ネットワークがありそうです。

郡山(福島県)に進出する銀行

岩手県:北日本銀行
宮城県:七十七銀行
秋田県:秋田銀行
山形県:山形銀行
茨城県:常陽銀行
栃木県:足利銀行

郡山に進出する各行の所在地

郡山は交通の要衝なことや、都市銀行が少ない(みずほ銀行のみ)事情もあり、東北・北関東の比較的多くの地銀が進出しています。
秋田銀行は、昭和金融恐慌の際に郡山の銀行が潰れ、代替となる銀行を求める地元の声に押される形で進出した経緯があり、秋田からは遠く離れていますが現在も市内に3支店を置くなど県外の重要拠点と位置づけられています。なお、県内では他に福島といわきに支店があります。
北日本銀行はよくわかりません。福島市にも支店を置いているのである程度狙いがあるとは思うのですが……。
山形県内3行の福島県内支店を見ると山形銀行は郡山のみ、荘内銀行ときらやか銀行は福島のみとキレイに分かれており、ちょっと気になるところです。
常陽銀行は郡山の他、福島・いわき・会津若松・原町・須賀川・白河……とやたら多くの支店を置いており、存在感を見せています。
足利銀行郡山支店は東北で唯一の支店です。昔は仙台や白河にもあったんですけどねえ。

横浜(神奈川県)に進出する銀行

群馬県:群馬銀行
東京都:きらぼし銀行・東日本銀行・東京スター銀行
新潟県:第四北越銀行・大光銀行
富山県:北陸銀行
静岡県:静岡銀行・スルガ銀行・東日本銀行
徳島県:阿波銀行

横浜に進出する各行の所在地

港町、横浜。市内に支店を置く県外地銀は11行あり、関東では東京23区・さいたま市に次いで3番目の多さと存在感を発揮しています。ん?3番目?
毎度おなじみのスルガ銀行の他静岡銀行や静岡中央銀行も複数の支店を置いており、スルガ銀行に至っては県内の支店数が神奈川銀行のそれを上回るなど、静岡勢の進出が目立つ傾向にあります。
群馬銀行横浜支店は、かつて生糸の産地であった群馬県と、その輸出港であった横浜との間で代金のやり取りが多かったことに由来する由緒正しい支店です。なお、逆に横浜銀行も高崎と桐生に支店を置いています。
この他、後述するさいたま市と比較すると新潟・富山・徳島と言ったあまり神奈川との繋がりがなさそうな地域の銀行が多く進出しており、後背地の外からも銀行を引き付ける経済規模の大きさが伺い知れます。
余談ですが、多くの県外地銀の支店は都心のオフィス街にあることがほとんど。しかしながら、北陸銀行横浜支店はなぜか東神奈川/仲木戸駅前の大型スーパーの中に構えており、かなり異彩を放っています。

さいたま(埼玉県)に進出する銀行

山形県:山形銀行・きらやか銀行
福島県:大東銀行・福島銀行
茨城県:常陽銀行
栃木県:足利銀行・栃木銀行
群馬県:群馬銀行・東和銀行
東京都:東京スター銀行・東日本銀行
新潟県:第四北越銀行・大光銀行
長野県:八十二銀行
静岡県:スルガ銀行

さいたまに進出する各行の所在地

さいたまに進出する県外地銀は15行と、関東地方では東京に次いで2番目の多さ。地図を見ると一目瞭然ですが、大宮駅を発着する東北・山形・上越・長野新幹線の沿線の銀行がこれでもかとさいたまに支店を出しており、北日本の結節点としての大宮の存在感を強く発揮しています。15行のうち大宮に支店を置く銀行が14行あること(唯一の例外は与野駅前に支店を置く東日本銀行)からもそれがよくわかります。
一方、新幹線沿線から外れる地域の地銀はお隣の常陽銀行とお馴染みのスルガ銀行のみで、いささか域外への影響力は弱そうです。
なお、浦和区に支店を置く県外地銀は足利銀行・群馬銀行・東和銀行・第四北越銀行・東日本銀行の5行。実は越谷(こちらは足利銀行・栃木銀行・群馬銀行・常陽銀行・千葉銀行の組み合わせ。さいたま市にない千葉銀行の存在と、やたら支店の多い栃木銀行が特徴的です)と同数です。

名古屋(愛知県)に進出する銀行

宮城県:七十七銀行
神奈川:横浜銀行
新潟県:第四北越銀行
富山県:北陸銀行
石川県:北國銀行
福井県:福井銀行
長野県:八十二銀行
岐阜県:十六銀行・大垣共立銀行
静岡県:静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行
三重県:百五銀行・三十三銀行
滋賀県:滋賀銀行
京都府:京都銀行
大阪府:関西みらい銀行
広島県:広島銀行
山口県:山口銀行
香川県:百十四銀行
愛媛県:伊予銀行
福岡県:福岡銀行

名古屋に進出する各行の所在地

名古屋に進出する県外地銀は22行。数の多さもさることながら、その範囲もお膝元の東海地方にとどまらず東は東北から西は九州まで広範囲にわたっており、日本第三の大都市としての図抜けた経済規模がありありと見えます。

東北で唯一進出している七十七銀行は札幌や東京・大阪などにも支店を置いており、東北最大手としての存在感を発揮しています。
関東で唯一進出しているのは横浜銀行。関東の地銀はどちらかと言えば地盤かつ人口の多い関東圏内でお仕事をする傾向が強いのですが、横浜銀行は名古屋と大阪にも支店を置いており、地銀最大手としての規模感を実感します。これが大阪になると常陽銀行や群馬銀行も進出するようになるのですが……。
お膝元の東海地方(特に岐阜県・三重県)の銀行は、愛知県の地銀が比較的小規模なこともあり、「第二の地元」ばりに多くの支店を構えるケースが非常に多く、熾烈な競争が繰り広げられています。この他中部圏内の銀行も幅広く進出。
関西からも複数の銀行が店を構えます。京都銀行は近隣の刈谷市にも支店を置いており、力を入れていることが伺えます。
さらには関西を飛び越えて中四国からも複数の銀行が進出。名古屋の影響力が西日本各地に及んでいることを伺い知れます。余談ですが、伊予銀行は全国の地銀の中で最も多くの都道府県に支店を置く銀行です。
九州からも福岡銀行が進出。県内最大手ではありますが、支店網の広さという意味では2番手の西日本シティ銀行の方が強く、西日本シティ銀行がなくて福岡銀行のみが支店を置く都市は実は名古屋のみです。

京都(京都府)に進出する銀行

富山県:北陸銀行
福井県:福井銀行・福邦銀行
滋賀県:滋賀銀行
大阪府:関西みらい銀行・池田泉州銀行
兵庫県:但馬銀行
奈良県:南都銀行
徳島県:徳島大正銀行

京都に進出する各行の所在地

京都に進出する県外地銀は9行。関西圏内の銀行が全体的に目立ちますが、北陸方面の銀行も一定数支店を構えており、京都との結びつきの強さが想起されます。
滋賀銀行は元々京都のすぐお隣の大津が本店なこともあり特に多くの支店を構えています。
徳島大正銀行は少々浮いているように見えますが、ここはかねてより関西圏内での営業を非常に強化しています。なにせそのために大阪の小規模銀行(大正銀行)を買収したほどです。関西有数の大都市である京都に支店を構えるのもさほど不自然ではないでしょう。

神戸(兵庫県)に進出する銀行

東京都:東京スター銀行
京都府:京都銀行
大阪府:関西みらい銀行・池田泉州銀行
島根県:山陰合同銀行
岡山県:中国銀行・トマト銀行
広島県:広島銀行
山口県:山口銀行
徳島県:阿波銀行・徳島大正銀行
香川県:百十四銀行
愛媛県:伊予銀行
高知県:四国銀行

神戸に進出する各行の所在地

神戸に支店を置く銀行は14行。地図を見ると見事なまでに中四国の銀行が進出しており、中四国における神戸の影響力の大きさをありありと実感します。
鳥取県が空白地帯に見えますが、山陰地方は島根県に本店を置く山陰合同銀行の影響力がお隣の鳥取県を含め非常に強く、実質的には中四国全県において神戸への金融アクセスルートが確保されているとみなして差し支えありません。なお、鳥取県は47都道府県で唯一県外本店の地銀がシェアトップを握る県です。
この他東京スター銀行が浮いているように見えますが、ここは歴史的な経緯から地銀(正確には第二地方銀行)に分類されているものの、東京のローカル銀行として動く気は何一つないかなり特殊な銀行なので、あまり深く考えなくても差し支えありません。

岡山(岡山県)に進出する銀行

鳥取県:鳥取銀行
島根県:山陰合同銀行
広島県:広島銀行・もみじ銀行
徳島県:阿波銀行
香川県:百十四銀行・香川銀行
愛媛県:伊予銀行・愛媛銀行
高知県:四国銀行・高知銀行
福岡県:西日本シティ銀行

岡山に進出する各行の所在地

岡山に進出する県外地銀は12行。ここも中四国の銀行がずらりと軒を連ねており、中四国の結節点としての存在感が伺い知れます。神戸になかった鳥取銀行があるのも特徴的です。
山口県は空白地帯ですが、山口銀行はもみじ銀行(広島県)を傘下に収めており、間接的に岡山進出を果たしています。
関西には多くの支店を置いていた徳島大正銀行。ここ岡山では四国の地銀で唯一支店を置いておらず、戦略の独特さが目立ちます。
他方で対岸の高松に本拠を置く百十四銀行は多くの支店を構えており、力を入れていることが伺えます。
この他西日本シティ銀行が福岡から乗り込んでいます。
なお、お隣倉敷に支店を置く県外地銀は山陰合同銀行・広島銀行・もみじ銀行・百十四銀行・香川銀行・伊予銀行の6行です。

広島(広島県)に進出する銀行

鳥取県:鳥取銀行
島根県:山陰合同銀行
岡山県:中国銀行
山口県:山口銀行・西京銀行
香川県:百十四銀行
愛媛県:伊予銀行・愛媛銀行
高知県:四国銀行
福岡県:福岡銀行・西日本シティ銀行

広島に進出する各行の所在地

広島に進出する県外地銀は11行。銀行の数こそ岡山より1つ少ないですが、所在地別に見ると中四国の幅広いエリアから銀行を集めており、中四国の中心都市としての存在感は全く引けを取らないことがわかります。
岡山では見受けられなかった山口県の銀行が広島ではダブルで進出しており、影響力の大きさを実感します。
他方、中四国でも徳島県内の銀行は支店を置かないほか、その他の四国地方の地銀も岡山よりちょっと数が少なく(香川銀行と高知銀行がない。どちらも両県の第二地方銀行)四国での影響力は岡山の方が大きいのか……と推測してしまいます。
岡山県が地盤のトマト銀行は福山には支店を置くものの、広島には支店がありません。
なお、同じ県内の福山に支店を置く県外地銀は山陰合同銀行・中国銀行・トマト銀行・山口銀行・百十四銀行・香川銀行・伊予銀行・愛媛銀行・西日本シティ銀行の9行。メンバーが岡山や広島と被るので地図の掲載は割愛しますが、非県都の地方都市としては異色の多さで、経済規模の大きさを実感します。3大メガバンクも揃っており下手な県庁所在地よりも金融面では充実しているぐらいです。筆者の地元は県庁所在地なのに都市銀行がみずほとりそなしかなかったので……。

福岡(福岡県)に進出する銀行

静岡県:スルガ銀行
広島県:広島銀行
山口県:西京銀行
香川県:百十四銀行
愛媛県:伊予銀行
佐賀県:佐賀銀行・佐賀共栄銀行
長崎県:十八親和銀行
熊本県:肥後銀行・熊本銀行
大分県:大分銀行・豊和銀行
宮崎県:宮崎銀行・宮崎太陽銀行
鹿児島:鹿児島銀行・南日本銀行

福岡に進出する各行の所在地

福岡に進出する県外地銀は16行。今回取り上げる都市の中では名古屋に次ぐ多さです。お膝元の九州地方にとどまらず中四国の銀行もいくつか進出しており、"西日本"の中心都市にふさわしい陣容と言えるでしょう。
また、九州地方の銀行は長崎銀行を除く全ての銀行が福岡支店を置いており、九州地方における圧倒的な存在感の強さを実感します。近年では九州地方の地銀が福岡県の地銀である福岡銀行・西日本シティ銀行の両行を中心に再編されつつあり、今後の動向に注目が集まります。
関門海峡を挟んだお隣の山口銀行は支店を構えていませんが、数年前に山口銀行の九州内支店をまるごと「北九州銀行」として分割した経緯があり、実質的には福岡進出を果たしていると言っても差し支えありません。
スルガ銀行はスルガ銀行なのでスルガ銀行です。なお、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡の全てに支店を置く地銀は実質スルガ銀行のみ(東京スター銀行はかつて支店を置いていたが撤退して籍のみが残っている状態、北陸銀行は福岡支店が富山県にある)です。

北九州(福岡県)に進出する銀行

広島県:広島銀行・もみじ銀行
山口県:西京銀行
愛媛県:伊予銀行
佐賀県:佐賀銀行
長崎県:十八親和銀行
熊本県:肥後銀行
大分県:大分銀行・豊和銀行
鹿児島:南日本銀行

北九州に進出する各行の所在地

北九州に支店を置く県外地銀は10行。全体的に九州の銀行が多く、福岡と似たような傾向なので正直書くことに困るわけですが、その中でも中四国から一定数の銀行を集めており、九州・本州・四国の結節点としての面目躍如と言った具合です。なお、もみじ銀行は福岡に支店を置いていないため、小倉支店が九州で唯一の支店です。
それ以外だと大分勢がダブルで進出していることや、鹿児島からは県内大手の鹿児島銀行ではなく南日本銀行の方が進出している……等気になる点も複数見受けられます。宮崎の銀行が支店を置いていないことを見るとなんとなく九州内の力関係が見えてきそうです。

熊本(熊本県)に進出する銀行

福岡県:福岡銀行・西日本シティ銀行・北九州銀行
長崎県:十八親和銀行・長崎銀行
大分県:大分銀行・豊和銀行
宮崎県:宮崎銀行
鹿児島県:鹿児島銀行・南日本銀行

熊本に進出する各行の所在地

熊本に支店を置く県外地銀は10行。偶然同数となった先程の北九州と比べると、より九州エリア内にギュッと詰まっており、九州のど真ん中の経済都市として、北九州とは少し違った存在感があることが見受けられます。
なお、地銀からは話題が逸れますが、4大都市銀行すべてが揃う都市としては熊本が最南端に位置します。

あとがき

こうして各都市を見ると、大雑把ながらも各都市の影響力の及ぶ範囲ですとか、都市間の経済の繋がりが見えてくるのではないかと勝手に思っています。神戸やさいたまの地方への浸透ぶり、北海道と本州日本海側の経済の繋がり、仙台や福岡の各地方内における影響力の強さ、名古屋の経済規模の大きさ……今回はいくつかの都市を独断と偏見でピックアップしましたが、他にも面白い分布の都市や銀行がいくつもあります。色々と調べてみると、また新たな発見があるかもしれません。


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