EXTENDED 2048 というキーキャップが良さそうだぞという話
出会い
先日、 Keychron K6 というキーボードを買った。もともと HHKB を持っていたが、キーが重すぎて Macbook 標準のキーボードに戻ってしまった。そして月日は経ち3年。ふとキーボードへの熱い衝動が湧き探したところ、 Keychron K6 というキーボードにたどり着いた。
Bluetooth ついてて240時間稼働、 3つのデバイスに接続できてワンタッチで切り替えられる。また、メカニカルキーボードのため自分好みのスイッチを買えるためカスタマイズ豊富さが売りだ。
そして何より、基本価格が $69。安すぎて2個買いそうになった。HHKB なら3万くらいするから3個くらい買えちゃう。
値段で購入を決意しポチってしまった。そして今日届いたわけだが、何も不満はない。丁寧な作りで壊れる心配もなさそう。何より安いから壊れたらまた買えばいい、という考えができる。
ただ、ただ一つ。欠点があった。キーキャップ。こいつのせいで安っぽそうな見た目になってる(安いけど)。打鍵音もカチャカチャしており、自分にとってはあまりいい音ではない。
また、皮脂がつきやすくテカテカしてくるのが早い。定期的に掃除をしろっていうのはその通りだが、つかないほうが見た目はよく気持ちがいいはずだ。
そういう理由ですぐに変えたいなと思い立ち、キーキャップを検索し始めた。
Twitter で検索するとこんなツイートを発見。
このキーキャップめっちゃ可愛い。Mikshake っていうらしい。俺も買おう!
と思ったら大体のサイトが売りきれ。どうやら結構前に販売された商品で、グループバイという形態で販売されていたらしい。グループバイは簡単に言うと、『企画者が購入者に対して注文を募り、まとめて発注して届いたものを各購入者に発送する』というもの。
いまからだと買えない。泣く泣く別のキーキャップを探していたところ、今回紹介する DROP + BIIP MT3 EXTENDED 2048 CUSTOM KEYCAP を見かけたわけだ。
EXTENDED 2048の魅力
正式名称は DROP + BIIP MT3 EXTENDED 2048 CUSTOM KEYCAP。
アルファベットはシンプルで縦長なイタリック、特殊キーは必要最低限を削ぎ落とした素晴らしいアイコンデザインだ。
そして何より、なんか見たことある。既視感を抱えつつサイトを読みすすめると答えが書いてあった。
When you bought an Apple Macintosh computer in the early 1990s, you received the Apple Extended Keyboard II (AEKII) along with it. While it may seem ordinary by modern standards, it was this very keyboard that would become a benchmark for future full-size boards—a legend of its time and still today. For our latest project, we teamed up with designer biip (who you may know from keycap sets like Milkshake, Bento, and Bushido) to create a set inspired by the legendary AEKII.
Apple Extended Keyboard II からインスピレーションして、先述した Milkshake を作った人がデザインしたらしい。
Apple Extended Keyboard II (from Wikipedia)
Apple Extended Keyboard II というと、1990年に Apple が出したキーボードだが、その人気はキーボードに詳しくない自分でも聞いたことがある。Apple らしいシンプルで洗練されたデザイン。なるほど、当時のデザインを再現したいわけだ。
このキーボードへの尊敬は印字デザイン以外にも現れている。
形状と素材
このキーキャップは MT3 という形状を使用している。
To understand the appeal of MT3 profile, you have to understand its history. Many old computer terminals were constructed with a slanted switch layout from front to back. Because of that slant, the keycaps sat at an angle atop the switches. MT3 profile is a reimagination of that unique slanted build, but optimized for modern keyboards. Based on iconic IBM beamspring terminals of the 1970s, it’s sculpted with a prominent curve that extends across each row. On top of that, MT3 features scooped keys to help orient your fingers on the keyboard. Thanks to some significant design work from Matt3o, 3D modeling, and a whole lot of elbow grease, we're proud to continue to bring this innovative profile to life.
説明が難しいため、和訳するとこんな感じ。
MT3プロファイルの魅力を理解するには、その歴史を理解する必要があります。昔のコンピュータ端末の多くは、前面から背面に向かって斜めにスイッチが配置されていました。そのため、キーキャップはスイッチの上に斜めに置かれていました。MT3プロファイルは、その独特の傾斜した構造を現代のキーボードに最適化して再構築したものです。1970年代のIBMの象徴的なビームスプリング・ターミナルをベースに、各列を横切るような曲線を描くように造形されています。その上、MT3は、キーボード上で指の向きを整えるのに役立つようにスクープされたキーを特徴としています。Matt3oによる重要なデザイン作業、3Dモデリング、およびたくさんの努力のおかげで、この革新的なプロファイルを実現し続けていることを誇りに思っています。
昔の端末は傾斜が特徴的で、それもインスピレーションしてるらしい。
また、 EXTENDED 2048 は PBT という素材を採用している。キーボード界隈ではよく使われてる ABS よりも値段が高く、触り心地はサラサラもしくはザラザラらしい。
ちなみに Keychron にデフォルトでついてくるキーキャップは ABS だ。特徴は、安価で耐久性が低く、日光に当たると劣化し、テカテカしやすい。踏んだり蹴ったりだ。
PBT は昇華印刷に適しており、 EXTENDED 2048 も昇華印刷を採用している。熱したインクを昇華させキーキャップに染み込ませることで、摩耗して文字が消えない。これは、キーボードを長く使う上で非常にありがたい。
キーキャプの種類
EXTENDED 2048 はキーキャップを 種類ごとに Kit として販売しており、自分好みのキーを選んで購入することができる。
ALPHA KITS
基本的な数字 + アルファベットは Alpha Kit だ。カタカナも別途サポートしていて、 Apple Extended Keyboard II の日本語版を参考にしている。
MODIFIERS / ACCENT MODIFIERS
ALPHA KITS と一緒に買うのが MODIFIERS 。特殊文字をサポートしている。このデザインが素晴らしい。色付きも販売しているため好みを選んだらいい。60% か 75% キーボードの人はこれを。ちなみに Keychron K6 はこれ。
NOMAD / ACCENT NOMAD
40% から 50% の小さなキーボード向けの修飾キーセット。
ICONO KITS
その他アイコンキーがほしい場合は ICONO KITS がおすすめ。1980年代に Apple でグラフィックデザイナーとして働いていた Susan Kare さんからインスピレーションを受けている。この顔がいいのよ。
MEDIA ICONS KIT
Mac ユーザーに向けたもので、 ファンクションキーの代わりにこれを使える。一気に可愛いデザインに。
その他
上記以外にも、多言語用だったりテンキー用だったりと様々な KITS がある。
購入するには
このキーキャップは Drop というサイトで販売されている。グループバイの商品を売ってる、キーボード・オーディオ界隈で有名なサイトだ。
EXTENDED 2048 もグループバイとして購入できるが、タイトルである『良さそうだぞ』の通り、いま買っても届くのは2021年6月だ。予約という形になるが、すでに 6,300 個売れているほど魅力を感じた人は多い。この商品にビビっといたら、ぜひ購入してみてほしい。
最後に
Drop は友人を紹介することで サインアップ時に $10、 最初の注文をすると別途 $10 がもらえる。記事内のリンクは全て受け取れるようになっているため、よければそこから購入してみてほしい。
もともと、自分はプロファイルや素材について詳しくないため、以下サイトを参考にしたり引用したりしました。Sansanさんありがとうございます。