長元記(ちょうげんき)とは?
長元記は『長元物語』(ちょうげんものがたり)とも呼ばれ、
元親記とともによく目にする機会も多い軍記物です。
これも元親記と同じく江戸時代に長宗我部元親公の家臣により書かれた軍記物です。
著者は【立石正賀】(たていしまさよし)殿と言われ、元親記よりも後の万治二年(1659年)に書かれたと言われています。
覚え書きとして書かれた側面があるため、箇条書き形式になっており、長宗我部氏の盛衰を冷静に分析しているそうですが、元親記と同じように記憶違いや多少の誇張もあるそうで注意とか。
また覚え書きとして書かれているので読みにくく、理解しにくいところも多いのだそう。
立石氏自体は一条氏に仕えていましたが、後に長宗我部氏に仕えたそうです。立石正賀殿は長宗我部氏改易後は肥後の細川家に仕え、1,500石を給せられたと伝わっています。
余談ですが、続群書類従本では巻末に
「土佐国前代守護の事」
「元親公言行」
の記事が加えられているが、それは後に加えられたもので、原本にはなかったと言われています。
(参考文献)
『史料で読み解く長宗我部』高知県立歴史民俗資料館、2021年
平井上総『長宗我部元親・盛親』ミネルヴァ書房、2016年
山本大校注『四国史料集』(戦国史料叢書5) 人物往来社 、1966