懺悔
受験が一段落したので、また音楽の生まれるあの場所に行くようになりました。
演者の演奏している姿を見て、私はステージに立つこと、演奏することの楽しさを知っているはずなのに、「音楽って楽しそう」と他人事に思ってしまいました。音楽は好きなはずなのに、いつから楽しさを感じなくなったんだろう。自問自答を繰り返していました。
そして、それらしい答えにたどり着きました。
ベースを始めた頃は弾けるようになることが楽しくて仕方がなかったのに、いつからか「ベースが好き」という気持ちから「ベースを弾いている自分が好き」とナルシシズムの塊みたいになっていたのだと思います。形容するなら自己満足が楽器持っている状態とでも言うのでしょうか。本質を見失っていて、それくらい醜い存在になっていたんだと気付かされました。
屈折することなくまっすぐ届く演者の音が、熱が、こんなにも心に刺さって痛い。音で語り合う狭い世界でひとり勝手に苦しんでいる。あんな風に演奏できたら、もっと楽器を好きなままでいられたら。羨望と後悔が混ざり合って今にも逃げ出してしまいたい。
こんな私がまた音楽を楽しむ資格があるのでしょうか。そう許しを乞おうとしている自分がいる。自分は楽器にも音楽にも失礼な態度を取ってしまった。その罪は拭えない。
私は許されるのでしょうか。
この懺悔もまた、ナルシシズムなのでしょうか。