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【長身】カフェの女性店員との攻防戦【美女】

牧田直樹は都内で有名な車澤大学に通う1年生。

175cm。体重65kg。

第一志望の東慶大学に落ち、第二志望の名門・車澤大学に入学した。

今日は7月10日。

1週間後には、春学期の期末テストが控えている。

直樹はテスト対策のため、早朝6時半に大学近くのカフェに入った。

実は、直樹は昨日も同時刻に同じカフェに入り、8時まで勉強した。

連日同じカフェを選んだ理由は、場所を固定した方が勉強に集中できるから….ではない。

気になる女性店員がいるからだ。

昨日、カフェに行った時、直樹は初めてその店員と出会った。

ネームプレートには「鈴木」と書いてあった。

牧田は175cmと、男性の中でも高身長の部類に入る。

しかし、レジを隔てて向こう側にいる鈴木という女性店員に、直樹は見下ろされた。

直樹は、その初日は30分は集中できたものの、残りの1時間は鈴木の存在が気になり、股間部のテントを抑えるので精一杯だった。

帰宅後も、直樹は鈴木のことばかり考えていた。

直樹「(店員側と客側で、床の高さに差があるのだろうか…?)」

今日、直樹はそれを確認するため、再度同じカフェを訪れたのだった。

店内に入り、メニューを確認する。

本当はアメリカンコーヒーを頼むと決めているが、他の客と同じ動きをして他意が無いことを示そうとした。

店員「いらっしゃいませ。ご注文はいかがされますか。」
直樹「あ、はい、アメリカンコーヒーのショートサイズで。」
店員「かしこまりました。」

直樹は、メニュー表から視線を上げ、店員を見た。

ネームプレートには、「駒田」と書いてある。

昨日の鈴木とは別人だ。

直樹は、自分が逆に駒田を見下ろしているのに気づいた。

直樹は、自身の下半身の熱を感じた。

直樹「(駒田さんは、俺よりも背が低い。ということは、つまり、鈴木さんは俺よりも背が高いかもしれない。いやいや、でも、駒田さんの身長が単に低いだけかもしれない。)」

アメリカンコーヒーを受け取り、直樹はレジ周りが視界に入る席に着いた。

もし鈴木が店内にいた場合、駒田との身長の違いを把握することで、間接的に自分との背比べができると考えたからだ。

直樹は、勉強を始めた。

科目は、自身が最も苦手とする歴史だ。

…直樹は30分、集中した。

直樹「ふぅ〜…。」

その時、見覚えのある声が聞こえた。

「ブレンドコーヒーのMサイズですね。かしこまりました。」

やや高音の柔らかいが芯のある声。

直樹は、昨日かけられた鈴木の声と同じだと感じた。

勉強に疲れたフリをして直樹は首を回しながら、レジの方を見た。

レジの向こう側にいたのは、機械でコーヒーを淹れる駒田と、そして、接客をする鈴木だった。

鈴木は、駒田より明らかに背が高かった。

直樹は、下腹部につっぱりを感じた。

テントは、大きくなる。

直樹「(店員同士だと、床の高さに差は無い。ということは、鈴木さんは、明らかに駒田さんよりは大きい…。いやいや、でも、鈴木さんよりも俺の方が大きい可能性だってある。)」

鈴木は接客が終わると、接客側と客側の境目にある扉を開け、客側に移動した。

そして、ドアが開いたその瞬間、接客側と客側の床の間に小さな段差があることが判明した。

直樹「(段差はある…。しかし、高低差はかなり小さいぞ…。鈴木さんと俺の目線の差は、あの段差が無ければ埋まるのだろうか…。)」

直樹は首をゆっくり回しながら、鈴木を見た。

鈴木は、直樹から2mほど離れたカウンター席の机を水拭きし始めた。

直樹は、鈴木の臀部の下端がテーブルと同じ高さにあることを見て取った。

鈴木の脚は長く見えるが、それは直樹が座っている状態で見上げているからかもしれないと思った。

鈴木は水拭きが終わると外に出て、看板の位置を調整し始めた。

直樹は立ち上がった。

そして、トイレに行く体で、カウンター席の横を通り過ぎた。

直樹は、自身の臀部の下端が、テーブルより下にあることを見て取った。

ポケットに手を突っ込んで、急いでトイレに向かう。

下半身の熱がおさまらない。

直樹「(鈴木さん、俺より脚が長い…もしかすると、背も…。いやでも、まだ直接比べたわけじゃないし…。)」

直樹はトイレに入った。

ある意味「用を足した」あと、直樹は自席に戻った。

直樹は集中力も切れてしまったため、店を出ることにした。

店外では、鈴木が看板の位置を調節している。

駒田「ありがとうございました〜」

直樹は軽く会釈して、店を出た。

直樹と鈴木は初めて、至近距離で相対した。

鈴木「ありがとうございました。」

鈴木は看板から目を離し、直立の姿勢で直樹に挨拶した。

直樹は、鈴木に再度、見下ろされた。

直樹は、即座に二人の足元を見た。

そこには段差は無い。

直樹は再度でき始めるテントを隠すため、軽く会釈した後、そそくさと立ち去ろうとした。

鈴木「勉強、頑張ってね。」
直樹「あ、ありがとうございます。」

心臓の鼓動が高鳴る。

直樹には、鈴木がどこか勝ち誇っているように見えた。

直樹はすぐに鈴木に背を向け、歩き出した。

鈴木「ふふっ」
直樹「(?空耳か…。)」

帰宅した後、直樹は悶々としていた。

直樹「(鈴木さんは、俺より背が高い。でも、まだ正確に測ったわけじゃない…。あと、背が高いだけで、他のパーツは俺の方が大きいかもしれない。あと、最後のバカにしたような声は、気のせい…?)」

直樹は一人で何度も耽ってから、眠りについた。


翌日。


直樹は同じく6:30に、カフェに到着した。

鈴木「いらっしゃいませ。勉強熱心ですね。」
直樹「あ、いや、ありがとうございます…。」

直樹は鈴木に話しかけられて動揺した。

直樹は鈴木の目を見た。

鈴木の口角は上がっている。

純粋な笑みにも見えるが、見下ろされている以上、昨日と同様に嘲笑のようにも見える。

鈴木「ご注文はいかがなさいますか?」
直樹「アメリカンコーヒーのSサイズで。」
鈴木「かしこまりました。アメリカンコーヒーのSサイズが1点ですね。レシートはいかがされますか?」
直樹「あ、お願いします。」
鈴木「かしこまりました。」

直樹は過去、カフェでレシートを受け取ったことが無い。

しかし、今回は受け取ることにした。

というのも、鈴木との腕のサイズを比べたかったからだ。

鈴木「こちら、レシートになります。商品は、お席までお持ちしますね。」

鈴木は両手でレシートを直樹に渡した。

直樹は格好をつけて、右手をポケットに突っ込み、左手でレシートを受け取った。

その時、直樹は、自身の左の前腕より、鈴木の右の前腕が太いことを認識した。

テントが大きくなっていく。

さらに、前腕の全長も、鈴木の方が長い。

直樹はわざと、レシートを持つ鈴木の右の人差し指に、自身の人差し指で触れた。

直樹の鼓動は、どんどん速くなる。

明らかに、鈴木の人差し指の方が、長い。

直樹は急いで、昨日と同じ席に着いた。

直樹「(よし、今日もまずは30分、集中するぞ。)」

教科書とノートを開き、シャープペンシルを持った、その直後だった。

鈴木「アメリカンのSサイズです。ごゆっくり。」

直樹は軽く会釈した。

テーブルには、お皿に乗ったアメリカンコーヒーと、紙の手拭きが置かれた。

直樹は、紙の手拭きに、違和を感じた。

というのも、手拭きの下に、もう一枚、紙が置かれていたからだ。

直樹は、その紙を裏返した。

そこには、黒いボールペンで書かれた文字が記されていた。





「何興奮してんの?バレてるよ?」


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