5文型に代わる新文型!? SFPA(紹介編)|英文法
【最終更新:2022/03/08/2340】
新たな文型の捉え方を思いついてしまった!ここ数週間くらい考えてようやく形が定まってきたので紹介します.
はじめに
▍注意
本記事を読む前に基本5文型(S, V, O, C)を履修しているとより分かりやすいと思います.
基本5文型との比較や詳細の説明は,後日記事にして投稿予定です.
この解釈はオリジナルのものだと考えていますが,万が一似た解釈のものが既に存在していたら教えていただけると幸いです.
用語や解釈が正確ではない可能性があります.
文中の「助動詞」は must, shall, will, can, may のことを指しています.
例文の一部は塾で使用しているテキストを参考にしております.
▍経緯
英文法学習は大抵,暗記となってしまいます.勿論,言語なので究極的にはその方法でいいのだけれど,なんでその語順なのか,なんでその単語や表現が使われるのか,など理由が気になる人もいます.そう,私とか.
塾講師として「英語は単なる暗記科目じゃないんだよ」という思いで授業をしてきました.そんな中,ある生徒から「先生の解説自体は分かりやすいが,基本5文型と解釈が異なっていて混乱してきた」と指摘されてしまいました.はい,ごめんなさい.
実は,文型は基本5文型以外にも,4文型だったり 8文型だったり,他にも数十種類に分類したり,たった 1 種類だけだったりと沢山解釈が存在しています.もうごちゃごちゃです.そしてこれまでは S, V, O, C を使って自分なりの説明をしていたため,さらにややこしく…「これではいかん」と自分の解釈に合うものを自作することにしました.
▍コンセプト
意識したことは以下の4点です.
基本5文型との衝突を避けるため,既存の S, V, O, C と別概念のものは同じ記号を使わないこと.(A や M などもありますが S, V, O, C と比較して知名度が低いため考慮しません)
できるだけ多くの文に対応可能なこと.(複数解釈できても大きく文構造が変化しないこと)
複雑にしないこと.(記号やパターンを可能な限り減らすこと)
文法理解をサポートするものであること.(文法用語マシマシの自己満足にならないこと)
それではどうぞ!
新文型 ”SFPA”
▍S, F, P, A とは
S(Subject):主語
基本5文型の S に相当.基本的に名詞が該当.F(Frame):構造
基本5文型の V に相当.単体で述部の核や内容となりえない be や have,助動詞などが該当.P(Predicate):述語
基本5文型の V や C に相当.述部の核や内容となる動作や状態を表す一般動詞や名詞,形容詞などが該当.A(Argument):項
基本5文型の O や C に相当.文章を成立させるために述語が必要とする,主語以外の要素が該当.(単語だけでなく文章も含む)
なお,「M(Modifier):修飾語」に関しては文型として組み込むと複雑そうに見える + SFPA が分かれば他は全て M と捉えても大きな問題はないため,除外してます.
▍主な文型パターン
S (F) P
SV,SVC に相当S (F) P A
SVO に相当S (F) P A A
SVOO,SVOC に相当
文型パターンとか書きましたが「全ての文はこの3パターンに分けられる!」なんて言うつもりはありません.重要なのは次です.
こんな説明ばかりだと分かりづらいですから,例文に行きましょう!
▍例文
文型パターンごとに例文を挙げます.ちなみに「きれいな日本語訳」じゃないのはわざとです.きれいな日本語に翻訳する能力は英語力ではなく日本語力だと思うから.それに日本語は語順を変えても,多少変な言葉遣いでも意味が通じちゃうステキな言語だよ!
▍S (F) P 型
▍S (F) P A 型
▍S (F) P A A 型
ここで少し補足説明.
F の語句は人称・時制によって変化することがあります.(F がない場合,P が変化します)
…どうでしょうか?
これなら S, V, O, C でも良くないかって?
分かってます.ここからですよ!
▍否定文
not は基本的に F(構造)の後に付けます.肯定文から否定文に文構造を変化させるイメージ.ちなみに一般動詞は do の支配下にあります.つまり「○○しない」と言いたい場合にはそもそも「する(do)」を否定する必要があるということ.突然 do が登場するわけじゃないんです.
▍疑問文
疑問文は F(構造)を文頭に出します.肯定文から疑問文へ文構造を変化させます.これまた一般動詞の文は do を使って「するのかい?しないのかい?どっちなんだい!」って聞く必要があるってことですよ.
▍進行形・受動態の文
基本5文型では「be+現在分詞(過去分詞)」はまとめて V 扱いされます.でも,be は SVC の形をとるって習ったような…分詞は形容詞的な使い方もできるような…勉強するほど解釈が分かれる文も,"S, F, P, A"なら単純です.
▍複雑な文
詳しくは今後,別記事で説明しますが,F には序列があります.基本的には「助動詞 -> have -> be」の順です.そしてそれぞれ1つずつ,最大3つまで組み合わせることができます.(「人称・時制により変化する」「疑問文で文頭に出る」「not が付く」のは F の中の1番目の語句となります)
一体どれだけ伝わっているのか分かりませんが,個人的には覚えることが減って,かつ違和感のない解釈になっているのでは?と思っています.
(本当は自動詞や他動詞,疑似法助動詞などにも触れたかったのですが,今回は紹介編なのでやめておきます)
まとめ
SFPA文型とは,英文を主語(S)構造(F)述語(P)項(A)に分ける英文解釈法のこと.
これまで述語動詞(V)とされていた部分を「それ自体に大きな意味はないが文の構造を決定する部分(F)」と「文の核となる内容を決定する部分(P)」に分けて捉える.
「文章を成立させるための,主語・述語の以外の必要な情報(A)」の個数はその文章の述語(P)によって0~2個となり,A の個数によって文の構成が大きく変わる.
基本的に文の構造部分(F)がいろいろ変化する.(人称・時制により変化・not を加えることで否定文・文頭に出すことで疑問文となる)