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「エアコン1台で全館空調できます」はオワコンか問題

「エアコン1台じゃなきゃダメですか 2台じゃだめですか」
反響ありまして、その続きです。

オール電化住宅の光と陰

かつてオール電化住宅が新築市場を席巻した時、工務店さんのセールストークは「うちはオール電化住宅です。」といったものでした。

オール電化住宅なら熱源を電気に統一することで深夜電力の恩恵を受け
光熱費も安く抑えられるというモデルが成立していたからです。

オール電化住宅だから何がいいのかを冷静に考えると確かに光熱費のメリットはあったのですが、だからといって快適な住宅であったかというと、そこはまた別物です。

オール電化住宅と言えど断熱性・気密性に乏しい住宅は結構存在しましたし、断熱気密が適当であるがゆえに、冷暖房費がかさみ電化住宅なのに電気代が高いといったよくわからない現場もあったものです。

エアコン1台の呪縛

さて、エアコン1台です。
どこかの誰かが宣伝文句で「エアコン1台で全館空調」といったわかりやすい売り文句をつくってしまったものだから
それが判断基準になってしまったのでしょうか。

文字通りエアコン1台で全館冷暖房(空調とは空気の調和のことで冷暖房とは別です。)が可能になるには6地域で最低でもHEAT20G2以上ないと現実的ではないでしょう。

それに全館冷暖房の定義も曖昧です。例えば「真冬の6地域で外気温が0℃の時、エアコン1台で設定温度◯◯で、どの部屋の体感温度も◯◯℃を下回らない」といったはっきりとした決まりはない訳です。

なのにさかんに「うちはエアコン1台で全館空調できます!」
(だから空調じゃないって)と胸を張る人。
「へえ、エアコン1台で全館空調できるなんて良いですね」といってしまう人。

というか、エアコン1台で冷暖房することが住まい手の本当の快適になるのかという疑問は前回のツイートでお話しした通りです。

2台の方がより良いものになるのに、1台に固執してしまう謎のバイアス。

また、そもそも冷暖房はエアコン以外にも、温水循環型のラジエータ、床暖房などいくつかの方法がありますね。エアコンが全てではない訳で。


時代はめぐる⁉️



オール電化時代の終盤、電化住宅といえども全て良いわけではない事実を知ってか知らずかユーザーの受け止め方は変わっていきました。

「オール電化住宅を建てることができる会社なの?」から
「オール電化住宅だと本当に快適なの?」に。

すると「うちはオール電化住宅です!」と胸を張っていう人は段々いなくなっていきました。
オール電化住宅が売り文句にならなくなったことに気づいたのでしょう。

そして昨今、

「エアコン1台で冷暖房できるの会社なの?」から
「エアコン1台で冷暖房できることがそんなにいいことなの?」

になりつつあるのではと感じています。
エアコン1台で〜と言い続けることがそろそろイタいのでは?

もちろんエアコン1台で冷暖房できる高性能な住宅は存在しますし、
それなりにシミュレーションをすれば全く不可能なことではないのですが、
それが本当に快適かというとなかなか難しい。

それなら2台にして快適さを実現するに1票入れたのが前回のツイートです。
(大前提として詳細なシミュレーションに基づく、断熱性能の向上があり、2台でも最低限の容量とエネルギー消費で。)

「エアコン1台」の次にくるのは「ZEH」でしょうか「V2H」でしょうか。
「うちはZEHできます!」「うちはV2Hです!」とか・・・。

目を向けるべきはわかりやすい売り文句ではなく、
目に見えずらい断熱気密なんだけどな。


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