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なぜ僕は暖かい家づくりにこだわるのか。〜その6〜

◎前回までのあらすじ

 とあるお客様との出来事を経て、独立した僕は暖かい家づくりのお手伝いを続ける中、ジャパンホームショーであるドイツ人と出会います。


◎◎禅問答ですか?

キャラなのか、日本語がネイティブではないからなのか、面倒くさいのか今でもはっきりしませんが、バルテンさんとの会話は半分雲をつかむような雰囲気です。

こちらの質問に対し、返ってくる言葉は至って短く、頭をフル回転させて文脈を想像してようやく理解できることがしばしば。初めはちゃんと教えてよと思ったのですが、その禅問答具合がいかにも師匠と弟子のやりとりみたいで、今では結構気に入ってます。

そんなバルテンさんですが、ああ見えてミュンヘン工科大学を卒業し、東大の理学博士号も持っている筋金入りのインテリで、エネルギーの自給自足をテーマに様々な設備機器をヨーロッパから輸入してきています。少しご紹介しますね。



◎太陽集熱パネル

これはデンマークのBatec solar という会社のものです。銅製の配管を銅板でサンドイッチして板状にしたもの。

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このソーラー吸収板だけが単体で製品としてあって、それに枠や断熱材を自分たちで製作して完成品にするというやり方です。

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黒い枠は大工さんと相談し、集熱版に合わせて造作してもらいました。欧州ではこのように現場に合わせてオーダーメイドするという方法はわりと一般的なようです。

◎薪ストーブボイラー

こちらはイタリア製薪ストーブボイラー。イタリア北部ドイツとの国境付近は気温も低く、ほぼドイツのような気候ということで暖房技術は進んでいます。

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一見普通の薪ストーブに見えますが、温水を循環させる配管を装備しています。薪が燃焼している間、配管内部の不凍液を暖まった状態で循環させる機能を持っています。

◎薪コンロボイラー

こちらもイタリア製。薪コンロはイタリアがその技術においてとても発達しています。ガスや電気のインフラが整う前から一般に普及していたのがこの薪コンロでした。こちらにも温水配管が装備され、不凍液を温めて供給することができます。

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◎太陽光発電パネルと蓄電池

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写真手前に見えているのは太陽光発電パネルです。1枚200Wが18枚で3.6kW分の発電容量があります。これをバッテリーに蓄電し、必要最低限の電気をまかないます。

◎オフグリッドハウス

オフグリッド住宅、オフグリッドハウスをご存知ですか?系統電源に依存しない=電力会社と電気の供給契約をしない=電気を買わずに成立する住宅のことです。


代表的な仕事として秋田のもるくす建築社さんの『佐戸の家』があります。

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太陽集熱パネルに薪ストーブボイラー、薪コンロボイラーにタンクといったバルテンアイテムてんこ盛りの現場です。結果的にオフグリッド住宅になっていて、パッシブハウスジャパンのパッシブ認定や日本建築家協会の環境賞も受賞されました。

今でこそ、太陽光発電を自家消費して・・・といった考え方は十分選択肢としてありなのですが、完成当時はそこまでではなく、取り組みとしてはかなり先進的なものでした。

この建物における自然エネルギー関連の設備設計を担当させていただきました。佐藤さんをはじめ、大工さん、職人さんにご協力いただき、もちろんバルテン師匠とも相談しながら僕にとっても大きな仕事となりました。

<その7>へ続く。



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