牛乳ピンチをブームで終わらせないために

「牛乳もう一杯飲もう」は、消費のパイを拡大しなければならないので、結構な労力がかかる。お願いベースで広がるものではない。
それよりも、「国産を選んで買ってください、使ってください」の方が、パイの中のシフトにすぎないので、ハードルは低い。
ナチュラルチーズの国産の比率は12%にすぎない。これは、小規模工房のみならず、大手乳業がつくるナチュラルチーズも含めてだ。
ましてや、プロセスチーズも、雪印、明治という国内メーカーが作っているとしても、原材料の比率は、国産ナチュラルチーズを原料としているのは18%にすぎない。
もちろん、関税割当のなかで輸入しなければならないものはあるにしても、
消費者が「日本の酪農を応援したい!」と思って、裏面の原材料表示を逐一見て、国産ナチュラルチーズ原料のプロセスチーズを選ぶ。
そのことで、国産の牛乳乳製品の消費は伸びていく。
そのちょっとの労力、買い物への哲学が、誰を応援するかを明確に示すことになる。
100gのチーズは、1000ccの牛乳からできる。
1杯の牛乳を飲むよりも、日本のチーズを選ぶことが、どれだけの意味があるかわかると思う。
付け焼き刃のように、牛乳飲もうという運動をしても、市乳工場へのオーダーと生産とのタイムラグがあるため、牛乳飲もう運動は、牛乳増産には繋がらず、単にスーパーの売り場から牛乳が売り切れておしまい、ということにしかならない。
単に、メディアに翻弄され、ファッションのように、「食べて応援」ブーム、しかもそれが一過性で、喉元過ぎれば忘れられるのではなく、(こういう煽るやり方では、1月になったら誰も牛乳ピンチの話はしないと思いますよ)
日々の買い物に哲学を。
息の長い、向き合い方をしませんか?
#買い物に哲学を

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