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何故、この時期に新潟県で海外OTAセミナーを開催するのか?詳しく書いてみた。

こんにちは、DeepJapanの木立(きだち)です。
日本を元気にするために、インバウンドや観光DXの支援をしています。
そんな私ですが、現在、新潟観光協会さんと一緒に海外のOTA登録セミナーを進めております。
プロデューサーとして、どういう考えでこんなことをしているのか?noteで書いてみたいと思います。

セミナーの内容自体はこちらのエントリーを参照してください。

https://note.com/deepjapan/n/ne426d0456594


1.DXとかOTAの前に、地域の持続可能性を考えてみる。


とある昔にローマ皇帝になったユリウス・カエサルの言葉に、次の一文があります。 「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」
金言だと思うし、マーケティングをして飯を食っている人間としては、忘れてはならない言葉No.1じゃないかと思うくらいインパクトあります。
でもインバウンドや地方創生を考える際には「耳障りの良いこと」だけ言っていると、色んなことを見えなくしてしまうんじゃないかと思っております。

っていうのも「インバウンドなんて、今、来ねーよ」とか「海外OTAなんてウチはもうやってるよ」とか「国内だけで十分だよ」とか「新しいOTA覚えるのめんどくさいよ」って声がほとんどじゃないでしょうか

ただこの国土交通省が出しているグラフを見て欲しいです。

人口上り坂の時代から、一気に下り坂の時代に転じます。どこの山の標高図だよって感じで、高原にならんのかよって言いたくなる図ですが、移民を一気に受け入れたり、急に「産めよ増やせよ政策」みたいにならん限り、こうなるんじゃないのかと思います。
国土がの70%ぐらいが山や森の国でこれだけの人口がいたことが、すごいことだったと思った方がいいのかもしれませんが、私は大変になってくると思うのが、山の高い状態を想定して作られたインフラの維持だと思います。

社会派ブロガーのちきりんさんのVoicyを聴いてたのですが、水道管の破裂とか、確かにそうだよなぁって感じです。(有料ですが聞く価値ありますよ)

ということで、インバウンドに地域が取り組んだ方がいいなぁと思うのは、これから人口が減る中、どうやって地域を守っていくのか?って際に、日本人だけ相手にしてやっていけるのは一部特定の人気観光地とか人口の多い東京や大阪の近くとかになっていくんじゃないかと思います。

これまで2010年くらいまでがどんどん人口が増えていくヒルクライム時代だとすると、これからはどんどん人口が減っていくダウンヒル時代です。この現実をどう見据えていくのか?その中で持続可能な発展をする手段の一つがインバウンドに取り組む意義だと思います。

2.OTAの良さは何か考えてみる(消費者と供給者両方の目線で)

消費者目線で答えると、なんも知らない土地に宿を探す際に、まず便利ですよね。どう考えてもOTAがあると。いっぱい検索すれば宿が出てくるし、比較もできるし。電話で一件、一件問い合わせて値段聞いて予約をしたり、旅行カウンターに行って頼むという世界観から、誰でもスマホでもPCでも予約できるようになったのは旅行者にとっては非常にありがたいことです。
あとクチコミですね。サクラがあるとか、変な書き込みもあるのこもしれませんが、ある程度、数を追っていけば、だいたいのことはわかってきます。

もちろん宿側からすると手数料が取られたり、価格競争になってデフレスパイラルになるみたいなデメリットがあると思いますが、旅行をする側としては超ありがたいです。

では供給者側としてはどうか?ということを考えてみたいと思います。
まず前提としてですが、メッチャ人気の宿だったり、顧客から愛されていてOTAに頼らなくても部屋が埋まるところは使わなくもて良いと思います。同じく自社サイトで予約が取れているところも無理に使う必要はないです。

①自社サイトや直予約 ②旅行代理店(ツアー) ③OTA

という3択の中で、②はちょっと置いといて、じゃあ③のOTAの供給者の良さってなんなのかなぁと考えた際に、いくつかあるのですが、新潟でのワークショップでのとある方の質問でビビビッと来たことがあります。

「旅行商品を作った時に、値付けはどうすればいいのか?難しい」

と、とある方が質問をしました。
私は「あれ?別にOTAなら自分で値段コロコロ変えて、最適なマーケットプライスを探っていけばいいんじゃね」と思ったのですが、質問をしてきた背景を察すると、「もしかすると旅行代理店相手に契約しようとすると一度決めた料金なかなか変えれんのかも・・・」のかもしれません。

そう思うとOTAの良さというのは、価格決定権やプラン造成の自由というところにあるんじゃないでしょうか

3.OTAを使い倒してみよう


この価格を自由に変えれるというのはオフシーズンやハイシーズンで変える以外に、コロコロ変えるのはフェアじゃないんじゃないか、という話ありますが、私は「白菜の値段はコロコロと、下手すると倍くらいの変動あるのに、なぜ定価じゃないといけないの?」と常日頃思っています。

https://onedannote.com/10/?fbclid=IwAR22e1cYRBxG8GSEjblfOvcgT_xMnqL2BdM6Okm9GE8wC0u6bDj8EO2OS_Y

↑白菜の値段ってけっこう変動しています。

値段はマーケットの需要と供給で変わるもの(変えて良いもの)で、金額が定まっていた方が管理をしやすいとは思うが、経営者にとってビジネスを自分のものにするためには「価格コントロール」っていうのは手放してはいけない。

次に「信頼の蓄積」です。OTAの良し悪しでとらえ方が人によって違うと思いますが「クチコミ」は究極の資産形成だと思ってます。「えー、変なこと書かれたらどうしよう」とか「返信めんどくさい」って思う人もいると思うのですが、宿で目の前のお客様がご不満を持たれたり、良かったよ!って声には、対面でちゃんと応対する人たちがほとんどだと思います。
ただ何故かデジタル(顔が見えず、記録が残り続ける)となると、途端にコミュニケーションが沈黙してしまいます。これって超もったいないです。だって色んな人が心を込めてやった接客や、丹精込めて作った料理や、ロケーションや建物に対して「良かった」が残り続ける。それに対しての返答の人格が見えるようになる。
これってすごいことだと思います。

私の知人がやっている旅館ですが、外国人クチコミ全国1位をとった宿ですが、クチコミ(お客様の声)への対応が素晴らしんです。返信をするというレベルだけでなく、スタッフ全員でクチコミを見て、どうしていくか考えて運営をしていった結果、日本一になったそうです。

当たり前のことですが「良いものが選ばれていく」って、素敵なことじゃないでしょうか

あと、知っている人は知っていることですが「高いクチコミを取る」→「値段を上げていく」というのは、OTAの上手な活用の仕方です。ある程度、お金を持っている人は、良い体験をしたい。というか外れを引きたくない。せっかくの休みに。そのための保険としてある程度高くても、クチコミがしっかりしているなら、いいんじゃね。って軸で判断をする層も一定数いるし、これからどんどん増えるんじゃないでしょうか

4.ダイレクトに旅行者とつながる世界


これはDeepJapanの旅行商品造成Prjを担当している方とのディスカッションで行きついた答えですが、OTAもSNSも究極的には旅行者とダイレクトにつながる世界を作るための入り口なんだなってこと

オードリー・タンさんとオンラインセミナーをさせてもらった時に、「デジタルは人と人とをつなぐもの」ということばをいただいたのが、やはり象徴的です。テキストだと、対面と比較すると質的な情報量が少なすぎますが、それでも書き手の人格と言うのは浮かび上がってきます。

私の場合、インフルエンサーといったように大多数の方とつながって金銭を得るというような立場ではないので数は追っていませんが、BtoGで人とつながる際に「木立徹」という人の人格や考え方を先に知ってもらえるというのは良いなと思ってnoteを書いています。

それとおんなじような感じで、宿泊業をされている方も「なんで宿やってるの?」とか「こんな気持ちでお客様と接してますよ」とか「この季節はここがオススメだよ」とか、デジタルで思いっきりSNSで発信をしてみるというのはメッチャ伸びしろあると思います。OTAも色々プランを作れるなら、「朝食あり、なし」って2択じゃなくて、ぶっとんだプランだって作ることができるし、売れなければいつ下げることだってできます。

それくらいSNSとOTAって自由なんです。

だけどここ10年じゃないでしょうか、みんながスマホを持ち出してSNSやOTAが市民権を得てきたのって
なのでそういったことを知る機会ってあるようで、あんまりなかったり、OTAの方が主催する使い方講座くらいじゃないかなと思います。

5.新潟県の人と一緒に学んでいきたいこと


そういったこともあって、新潟県観光協会様と協議をした上で、OTAの登録の仕方だけを学ぶのではなく、もう一歩先に進んだ学びがあればいいなと思ってプログラムを作りました。


第1回はもう終わっちゃったのですが、私の方からソーシャルリスニングのお話をしました。
第2回は、クチコミへの対応の仕方やクチコミから自分たちのサービスレベルを考えるってことを学んでいける講座です。Expediaの使い方も学べます。
第3回は、SNSの運用の仕方を200社以上のアカウント運営経験もあるエキスパートから学んでいける講座です。これはagodaの使い方も学べます。
第4回は、写真の取り方講座を絶景プロデューサーから学びます。SNSの時代になって、良い写真ってのは必ずしも芸術的に素晴らしいかどうか?ではなくなってきて、人の心を掴めるか?ということに変わってきています。

ということで新潟県の宿泊事業者様限定ですが、こんな学びの場をプロデュースしています。

<申し込みはこちら>

OTAから、日本を元気に!
そんじゃーね。














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