My Revolution
言わずと知れた渡辺美里の出世作『My Revolution』。今、ボクを含めたオジサンと呼ばれる年代には馴染みのあるJ-POP。小室哲哉が作曲したことでも知られ、この曲のヒットが彼を作曲家としての道を進むきっかけになったという話はあまりにも有名だ。
渡辺美里とはほぼ同年代になる。彼女らが活躍していた80年代のJ-POPは、実は今でも聴いている。CDとしては数はもう残っていないが、今ではYouTubeやAppleMusicやSpotifyなどで楽しむことができる。それらを聴いて昔を懐かしむこともあれば、当時を悔やむこともある。
その中でもこの『My Revolution』は特別だ。
ボクらは集団就職で上京した。同い年の若者がひとつ屋根の下で暮らし、寝食を友にし、毎晩のように語り、毎週末飲み明かし、今思い出しても本当に楽しい時間だった。
当時、高校を卒業したばかりのボクにとって仕事は本当に辛いものだった。辛いというよりも苦痛といってもいいだろう。「ボクはあの職場には馴染めない」「明日には会社を辞めて実家に帰りたい」と思っていた。半年過ぎた頃にボクは親元に帰り「会社を辞めて帰りたい」と伝えたこともあった。
それから間もなくしてボクは配転となり、コンピュータ部門へと異動になった。当時、コンピュータの経験は皆無だったが、職場に上手く馴染むことができた。親兄弟には心配をかけたが、その後、辞めるような話をすることはなくなった。
ここまではボクの昔話だが、ボクらの寮では朝7時になると館内放送がかかっていた。その朝一曲目がこの『My Revolution』だったのだ。
渡辺美里のことは好きだし『My Revolution』はいい曲だが、この曲を聴くと当時の辛い時期を思い出す。そもそも、その館内放送を約一年もの間、同じ曲が流れ続けたことがトラウマのようになってしまった。
80年代J-POPメドレーを聴いていても、『My Revolution』のイントロが流れると、当時の寮生活を思い出してしまう。朝7時になるとゾンビのような若者が部屋からゾロゾロと出てきて、洗面所に向かう姿。今でも目に焼きついている。ウォーキングデッドとはまさに当時のボクらだったのだ。