水色さん
(前編からの続き)
1997年、ボクの生活環境は一変した。
一時、コンピュータを離れたが、約三ヶ月後に再びコンピュータ部門へ身を置くことに。
新たな職場はネットワークが整備され、インターネット接続が当たり前の環境だった。
MS-Basic経験者のボクはVisualBasicでのプログラム開発を任され、一度講習会へ参加し、その後は独学で開発をしていった。
そんな中、有益だったのはインターネット掲示板だった。
どうしても分からないとき、いくら調べてもいいサンプルが出てこないときは掲示板で質問をするのだが、男子の語り口調で投稿してもいい反応がない、批判的な回答があったりする。
そこで、掲示板に投稿するときは女子になることにした。
女子になるとは、女子の語り口調で投稿することにしたのだ。
ハンドルネームは「水色さん」。
たまたま何かの占いをやって、出てきたのが「水色」というキーワードを思いつきで付けたハンドルネームだ。
「水色さん」にしたら、反応はすこぶる良かった。
朝に投稿すれれば昼までには回答があり、昼に投稿すれば夕方までに回答があり、夕方に投稿すれば翌朝にはたくさんの回答があった。
「水色さん」は大活躍だった。
VisualBasic初心者のボクは、「水色さん」のおかげで無事にプログラムを完成させることができたのだった。