記事抜粋220

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さて、どんな小噺をしようかな・・・。

最近、数学的思考って話をちょくちょくしてるような気がするので、それでいこうか。

数学的思考法とは何か

  1. 数学的思考力とは、数学の考え方を用いた思考法であるとしたとき、より社会から求められると思っています。つまり、数学を何の目的で学ぶのか、その数学をどこで使うかわかっていること、日常のちょっとしたシチュエーションやシーンで数学に物事を置き換えて考える力を、本当は数学的思考と呼びたいのではないかと思うのです。

  2. 2つの数学的思考法 数学的思考は、「数学のための思考法」と「数学の考え方を用いた思考法」と2種類あります。

まあ、そういうことなんだけど、具体的な話が欲しいよね・・・。

こんなのはどうでしょう。

高校の数学で、一番大事なのは集合論じゃないかなと思ってますが、集合論に限らず数学の問題ってこんな感じですよね。

  1. 「問題(すなわち前提条件)・・・から、解---を求めよ。」

  2. これって「十分条件・・・から、必要条件---を求めよ。」ってことですよね。

  3. なんで高校の数学って前置きをしたかというと、高校の数学で初めて「求めた解から、逆に、前提条件が成り立つ。」ってことを確認させられるようになったと思うんですよ。

  4. つまり、「必要条件から、逆に、十分条件が成り立つ。」ってことを確認させられたと思うんですよ、高校で初めて。ま、先に集合論を習ってからだと思うんですけど。

  5. つまり、問題と解が互いに必要十分条件であるってことを確認させられたと思うんですよ。

  6. これ、俺はわりと衝撃を受けたんですけど・・・。

  7. まあ、数学に限らず授業中しばしば寝ていて、同級生達には「睡眠学習」とか言われてましたけどね・・・。

  8. たぶん、寝起きにたまたま耳に入ってきて衝撃を受けたんじゃないかと思うんですけど・・・。

  9. ここまで普段の日常的思考でできるようになって初めて高校レベルの数学をモノにしたと言えますわな。

  10. でもね、できてない人がほとんどじゃないかなと思うんですよね・・・学会レベルでも・・・。

必要条件・十分条件|数学|苦手解決Q&A|進研ゼミ高校講座 (benesse.co.jp)より


佐藤優さんの「地方上級公務員試験」の話も時々してますが、チラ見した感じではほぼ土台は中学の数学じゃないかなと思ってます。もちろん、中学校では出てこないようなややこしい話が多いんですけど。

中学までは解を求めりゃ終わりって感じだったと思うんですよ。

で、皆さんの数学のイメージってこれじゃないかなと思うんですよ。

やってることって、解を求めるために、定理を使える形に問題を整理するってことばっかりじゃなかったかなと思うんですよ。まあ、高校でも基本これが多いんですけど -- 覚えとけやって定理・公式が多すぎて「ぎゃー」って思い始める人が増えるのがたぶん高校からなんですけど。「使っていい定理・公式は問題に付けとけや!」って俺なんか思ったもんですけど。

  • 例えば、式を変形したり、図形問題なら補助線を引いて「隠れた、定理が使える形、を見つける。」みたいな話ですね。

まあ、これも大事っちゃー大事ですけどね。

でも、「知ってる者勝ち」みたいな話ですよね。

  • まあ、だから佐藤優さんは「知識欠損を埋める」って話をしてんのかなって思うんですけど。



[4] 原発燃料の副産物劣化ウランを蓄電池に レアメタル代替 2024年9月21日

  1. 日本原子力研究開発機構は、原子力発電の燃料製造時に出る副産物の劣化ウランを転用した蓄電池の開発を進める。電気を蓄える物質として劣化ウランを用いる。劣化ウランが出す放射線は弱く、人体への影響は比較的小さいとされる。2035年までに再生可能エネルギーの余剰電力を蓄える蓄電池として実用化を目指す。

  2. 16,000トンの劣化ウランの有効利用。

  3. 蓄電量がさほど大きいわけではない。

  4. 再エネを増やしていった場合に調整力が必要だが、必ずしも「コストの高い」再エネ電力を使う必要は無く、「コストの低い」電力を使ってもかまわないので、これはこれで合理的。

  5. 海水直接電解ができるようになればこれも原発を使ってやってもよい。


劣化ウランを蓄電池「レドックスフロー電池」に再生、世界初の成果目指す|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp) 2024年01月14日

  1. 日本原子力研究開発機構は核分裂せず、原子力発電に使われない劣化ウランを利用した蓄電池の開発に乗り出す。ウランを使った蓄電池は充電ロスが低く、原料が準国産であるため、低価格での販売が見込める。詳細な原理実証ができれば世界初の成果となる。2035年には再生可能エネルギーや原発と連携し、余剰電力を蓄電できる仕組みを構築する考え。廃棄物の劣化ウランを有効活用し、資源として平和的に利用することを目指す。ウランの酸化還元反応に着目し、それを利用して充電・放電する蓄電池「レドックスフロー(RF)電池」を開発する。これまでに原子力機構は、ウランを利用したRF電池に使う電解溶液の選定などを進めてきた。24年からウランRF電池の詳細設計を始め、26―28年に原子力科学研究所(茨城県東海村)内で実証やスケールアップを実施する予定。現在実用化されているRF電池には金属元素のバナジウムが使われているが、海外からの輸入に頼っており、高価という課題がある。バナジウムからウランに置き換えることができれば、原料は国内で調達可能なため準国産化できる。また廃棄物を活用するため、低コストでの製造が可能だ。ウランRF電池の特徴としては充放電による性能劣化がほぼなく、充電ロスはバナジウムの20%に対してウランは3%に抑制できる。また二酸化炭素(CO2)排出ゼロで運用できる。原子力発電に使われるウラン235は天然のウランに0・7%しか含まれない。残りの99・3%は核分裂しない劣化ウランであり、廃棄物として約1万6000トンが貯蔵されている。核燃料物質として扱いが難しいウランだが、核分裂しないウランを資源化できればエネルギーの安定化にもつながる。650トンのウランを使ったRF電池では、3000世帯分の1日の電気を蓄電できる見込み。将来は太陽光発電などの再生可能エネルギーや原発と連携し、余剰電力の蓄電システムを開発する。


放射性廃棄物を資源に変える技術革新 令和5年11月15日 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター 研究主幹 菅原 隆徳


[5] 前に紹介したときはさらっと流してましたが:寿命は鉛蓄電池の4倍…エナジーウィズが提案開始、「ニッケル亜鉛電池」の性能 2024年08月31日

  1. ニッケル亜鉛電池は水系アルカリ電解液を用いた安全性の高い二次電池で、エネルギー密度が高いのが特徴。水系電解液のため化学反応時に水素が発生せず、発火の危険性が低い。電解液をセル内で含浸させており、電解液の量を少なくでき、電池の軽量化にもつながる。同電池は正極にニッケル、負極には安価で豊富な資源である亜鉛を用いる。エナジーウィズは新たなセパレーター技術や電解液の添加剤、負極バインダーを選定し、寿命性能を改善。40度C軽負荷寿命試験において、寿命性能は鉛蓄電池の約4倍を示したという。

  2. セパレータは(おそらく単一イオン伝導性の)セラミックコーティングを施したものであることは何回か説明してますが・・・

  3. 海外では分厚いセパレータ使って「動作した」言うてますからここだけでも月とスッポンなんですが・・・

  4. 「負極バインダー」って言ってますよね。亜鉛の板じゃないんですよ。「じゃあ、亜鉛の粉なんじゃないの?」と簡単に思っちゃうんでしょうが、実際そうなんでしょうが、ここに亜鉛デンドライトを形成させない工夫が有りそうですね。何したか知りませんが。書いてないので。Google Patents見ても出てこないので。

  5. いや、やっぱ「腐っても鯛」って言うか、日本の電池屋・・・いや、別に腐ってませんけど・・・スゴイっすな。


非水系、全固体電池のアノードフリー=その場形成(金属Li)負極はSamsung SDIが先に市場に出すようですが、リチウムデンドライト対策ではニッサンが度肝を抜いてくれるのではないかと楽しみです。



[6] フッ化物イオン導電性固体電解質の原子配列の乱れとイオン伝導経路を解明 2024年09月20日

  1. 京都大学は2024年9月6日、フッ化物イオン導電性固体電解質Ca0.48Ba0.52F2のイオン伝導の仕組みを原子レベルで解明したと発表した。高エネルギー加速器研究機構、ファインセラミックスセンターとの共同研究グループが明らかにした。 研究では、熱プラズマ法で製造したCa0.48Ba0.52F2を用いて、中性子回折実験により本系の原子配列と核密度分布を精密に決定した。その結果、イオン半径が異なるCaとBaを混ぜ合わせたことで構造歪みが生じ、局所的にFの原子配列が乱れることが判明した。 また、重元素を含むCaF2-BaF2系固体電解質では、中性子回折を利用することでFの原子位置を正確に決定できることに着目。物質・生命科学実験施設に建設された特殊環境中性子回折装置「SPICA(スピカ)」を用いて、Fの核密度分布を可視化し、フッ化物イオン伝導経路の特定に成功した。これにより、Fの原子配列の乱れが伝導経路内のイオン流れ(イオン伝導率)の向上に貢献していることが分かった。ポストリチウムイオン電池の最有力候補の1つとして期待される全固体フッ化物電池では、フッ化物イオン導電性固体電解質が今後の蓄電池開発において重要な物質となる。今回、フッ化カルシウム(CaF2)やフッ化バリウム(BaF2)を混合したフッ化物イオンの分布や伝導の仕組みを可視化したことで、フッ化物電池の材料開発への貢献が期待される。

  2. まあ、これだけじゃよくわかりませんが、F-イオンの配置(よってポテンシャル)に関するハイエントロピー効果って考えてもいいんじゃないですかね。

  3. フッ化物全固体電池の課題は活物質なんですけどね。コンバージョンマテリアルを使うことでエネルギー密度が高いって言ってますけど、固体内拡散が遅いので界面しか使えず、all interfaceにでもしなければ充放電反応が遅くてしゃーないんですわ。

  4. 合金にしたらハイエントロピー効果で固体内拡散が速くなりましたってんなら見通しは良くなるんですけど・・・。

  5. インターカレーションもやってますけど、あんまり良くないんだな・・・。


[11] いま注目のナトリウムイオン電池、中国ベンチャーが水に強い正極材料でコスト削減へ 2024年8月20日

  1. リチウムイオン電池に代わる次世代電池として、ナトリウムイオン電池が脚光を浴びている。材料となる資源が豊富でコストが低く、低温性能や安全性に優れるなどの特長があり、蓄電池や非常用電源、小型電源など、エネルギー密度が多少低くなったとしても価格を抑えたい製品に最適な電池として期待が高まっている。

  2. 今のところ使い物になりそうなのは日本電気硝子の酸化物全固体ナトリウムイオン電池とナトロン・エナジーの高電位負極を使った定置型蓄電池くらいだけどな。

  3. ナトリウムイオン電池は使用する正極材料で分類されており、現時点では層状酸化物、ポリアニオン化合物、プルシアンブルー類似体の3種類がある。このうち、層状酸化物を使用した電池はエネルギー密度が高く、充放電性能やレート特性に優れており、ナトリウムイオン電池の主要な正極材料の一つとなっている。

  4. 日本電気硝子は酸化物固体電解質の中に析出したLFPガラセラが正極、ナトロン・エナジーが負極と類似のプルシアンブルー系正極だ。

  5. 日本電気硝子は酸化物固体電解質の中に析出したSnを使うが、電位は低いものの、金属Naが析出しにくいようなN/P比にしてつくっていると思うし、酸化物全固体電池だからまだ安全なほうだと思われるわけ。

  6. 層状酸化物は、結晶構造によってO3型やP2型などに分けられる。O3型構造の正極材料が広く採用されるなか、P2型構造の層状酸化物を使った正極材料の開発と製造に注力しているのが「駝峰新能源」だ。同社は2022年に設立された新興企業でありながら、すでに初代製品の開発と量産を実現しており、P型構造を持つ高電圧対応の正極材料のパイロット生産ラインも構築している。 P2型構造の正極材料にはO3型にはない強みがあるため、ここ最近ますます注目を集めている。駝峰新能源を創業した李魁社長は「現在主流のO3型に比べ、P2型は耐水性がありサイクル構造が安定している。また、体積変化が小さく、圧縮密度が高いなどの特長もあり、大きな可能性を秘めている」と語る。なかでもP2型正極材料の最大の強みと言えるのが、高い耐水性だ。「O3型材料は水を吸収しやすく、水に触れると不安定になるため、ナトリウムイオン電池の生産ラインでは極めて厳格な湿度コントロールが必要とされる。また、O3型材料は電池容量を大きくするには不向きで、さらなるコスト削減も見込めない。P2型材料ならこれらの欠点を克服できる」と李氏は説明する。P2型正極材料は、水中で攪拌し30時間ほど水に浸漬させても、その結晶構造や電気化学特性に変化は見られないという。この特性のおかげで、水を使用した水系正極スラリーの製造が可能になる。有機溶剤を使ったこれまでの非水系スラリーに比べて製造コストを低減できるうえ、環境汚染も防げる。

  7. そんなことはわかってんだが・・・。

  8. 李氏の話では、駝峰新能源のP2型正極材料はすでに複数の大手電池メーカーがテストを実施しており、ポータブル電源や無停電電源装置(UPS)、家庭用蓄電池などに利用される見通しだ。今年は100トン単位の出荷を見込んでいるという。同社は将来的な市場ニーズを満たせるよう、今年に入ってから1万トンクラスの生産拠点の建設に取りかかった。李氏は、ナトリウムイオン電池産業がまだ発展の初期段階にあるとし、正・負極材料や電池の製造だけでなく、川下の活用シーンなどが十分な規模に達していないと指摘。今後も業界全体と協力しながら中国のナトリウムイオン電池産業の発展に貢献していきたいと語った。(翻訳・畠中裕子)

  9. 負極に何を使うかが肝心なんだよ。何回も言わすな。


日本中性子科学会誌「波紋」  Vol.25,No.4,2015.

  1. P2型層状ナトリウム遷移金属複合酸化物がいいのは既にわかっていたので(もちろん資源制約対策だからNiなんて使わない。FeとMnでつくっている。)、こいつは次の段階に進んでるけどな、2015年に。

  2. A new and promising P2-type layered oxide, Na5/6[Li1/4Mn3/4]O2 is prepared using a solid-state method. Detailed crystal structures of the sample are analyzed by synchrotron X-ray diffraction combined with high-resolution neutron diffraction. P2-type Na5/6[Li1/4Mn3/4]O2 consists of two [Li1/4Mn3/4]O2 sheets with partial in-plane √3a × √3a -type Li/Mn ordering. Na/Li ion-exchange in a molten salt results in a phase transition accompanied with glide of [Li1/4Mn3/4]O2 layers without the destruction of in-plane cation ordering. P2-type Na5/6[Li1/4Mn3/4]O2 translates into an O2-type layered structure with staking faults as the result of ion-exchange. Electrode performance of P2-type Na5/6[Li1/4Mn3/4]O2 and O2-type Lix[Li1/4Mn3/4]O2 is examined and compared in Na and Li cells, respectively. Both samples show large reversible capacity, ca. 200 mA h g–1, after charge to high voltage regardless of the difference in charge carriers.

  3. まあ、こいつはリチウムイオン電池に使いたいから、P2型のナトリウムマンガン複合酸化物をつくってからフラックス法でイオン交換をして同じように耐水性・サイクル寿命に優れたO2型のリチウムマンガン複合酸化物をつくっているんだが。

  4. 製造プロセスが増えちゃうけどな・・・。



[13] In situ p-block protective layer plating in carbonate-based electrolytes enables stable cell cycling in anode-free lithium batteries | Nature Materials Published: 02 September 2024

  1. ‘Anode-free’ Li metal batteries offer the highest possible energy density but face low Li coulombic efficiency when operated in carbonate electrolytes. Here we report a performance improvement of anode-free Li metal batteries using p-block tin octoate additive in the carbonate electrolyte. We show that the preferential adsorption of the octoate moiety on the Cu substrate induces the construction of a carbonate-less protective layer, which inhibits the side reactions and contributes to the uniform Li plating. In the mean time, the reduction of Sn2+ at the initial charging process builds a stable lithophilic layer of Cu6Sn5 alloy and Sn, improving the affinity between the Li and the Cu substrate. Notably, anode-free Li metal pouch cells with tin octoate additive demonstrate good cycling stability with a high coulombic efficiency of ~99.1%. Furthermore, this in situ p-block layer plating strategy is also demonstrated with other types of p-block metal octoate, as well as a Na metal battery system, demonstrating the high level of universality.

  2. だからSnがええ言うたやろ(笑)、2014年に(笑)。

  3. Anode-freeではないけど、Snを保護膜にするってのは前から日本に有るんだよ(笑)。

  4. 黒鉛でもレートを上げると粒子表面に金属Liが析出するからな、それも抑えられる。

  5. ま、カザフスタンのアホにはわからんかったけどな、教えてないからだけど。教えるわけにもいかんけど(笑)。


  • まあ、俺は昔からそうだけどな(笑)。

  • Leakage behavior of DC electrically degraded (Ba,Sr)TiO3 thin films, IEEE Trans. Device Mater. Reliab. 4 (2004) 268.Intentionally inserted oxygen depleted (Ba0.5Sr0.5)TiO3 layers as a model of DC-electrical degradation, IEEE Trans. Device Mater. Reliab. 4 (2004) 670.も次の年の2005年にNatureに「One TiO6 unitだけ酸素欠陥の多い層を挿入できました」って論文が出る1年前だしな。しかし、俺の論文が参照されてないんだな(笑)。

  • このへん(Fermi Level (2018/02).)なんて、12年後の2016年に出た酸化物エレクトロニクスの書籍に「Schottky障壁が・・・薄くなるかもしれない」って書かれたしな。2005年にIBM ZurichからNature Materials等に出た「ReRAMの前駆現象としてのCr3+の界面での酸化」の論文の1年前だし。しかし、俺の論文が参照されてないんだな(笑):Electron-detrapping from localized states in the band gap of (Ba,Sr)TiO3, Solid State Commun. 132 (2004) 109; Electrical characteristics of (Ba,Sr)TiO3 films accounted by partially depleted model, Microelectron. Eng. 75 (2004) 316; Electronic structures near surfaces of perovskite type oxides, Mater. Chem. Phys. 91 (2005) 243.

  • このへんなんて、2005年に「光誘起XY型超電導相転移(できれば室温で)」の話がベースだからな。2008年のIBMからNatureに出た「光誘起exiton-polariton室温Bose-Einstein凝縮」の論文より3年早い。二次元半導体(俺のは単にポーラロン直径と同等の厚さの疑似二次元薄膜だけどな)の光誘起超電導とか、高強度コヒーレント光によるBaTiO3の応答とか、これからやっていこうって話が出てんのが2024年になってからだろ:Effect of Oxygen Adsorption on Polaron Conduction in Nanometer-Scale Nb5+-, Fe3+-, and Cr3+-doped SrTiO3 thin films, Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 065807. たくさん有るからこれひとつだけ。



[14] In situ formation of liquid crystal interphase in electrolytes with soft templating effects for aqueous dual-electrode-free batteries | Nature Energy 20 September 2024

  • 日本はZn/Ni(OH)2でやっちゃったけど、Zn/MnO2でおなじことすりゃええよって前から書いてたやろ。やっと出たな。

  1. カザフスタンではNiOOH(単にNi(OH)2の酸化型ってだけ)で電析やったけどLinkedInではMnO2でええよって書いてたわな:Proof of concept on flow-assist-free Zn/NiOOH battery (granted by the World Bank and the Government of the Republic of Kazakhstan) (OK_653), Jan 2015 - Aug 2015.

  2. ま、これは情報戦の一環だけどな。

  3. Zn/MnO2 batteries, driven by a dual deposition reaction, are a prominent avenue for achieving high energy density in aqueous systems.

  4. 正極はintercalationだけどな。Half intercalation。

  5. Introducing an initially dual-electrode-free (anode/cathode) configuration can further boost energy density to over 200 Wh kg−1, but with limited cycle life due to the poor reversibility of Zn/MnO2 deposition and stripping.

  6. MnO2が一回できたら後はproton intercalationなんだからdual-electrode-freeにする必要も無いけどな。まあ、電池製造が簡単なのか。

  7. Drawing inspiration from soft templating strategies in material synthesis, here we apply this approach to electrodeposition and stripping by designing an in situ formed liquid crystal interphase. This concept is achieved by incorporating just 0.1 mM of surfactant molecules into the electrolyte, which induces favourable c-axis orientations in depositing both hexagonal Zn and MnO2. This enhancement subsequently increases the deposition/stripping reversibility and promotes the cycle life of the dual-electrode-free battery, achieving 80% capacity retention after ~950 cycles. This liquid crystal interphase chemistry also holds great promise for regulating deposition in other crystal systems, opening an exciting research direction for next-generation high-energy-density and long-duration energy storage based on aqueous chemistries.

  8. 定置型蓄電池も、リチウムイオン電池だと短周期変動対策+αくらいが経済合理的限界だ。長周期変動対細工はもっと安い水系の電池でやりたい。

  9. ただ、長周期変動でも変動が大きい場合や、日間変動レベルになると火力発電で調整するしかないだろうな。非化石にするんなら水素だ:H2 & NH3 Combustion Technologies (2020/12).

  10. 既設間変動対策になると燃料を長期備蓄する必要が有るからアンモニアだ:H2 & NH3 Combustion Technologies (2020/12).


[22] サムスン電機「夢のバッテリー」成功…超小型全固体電池を世界で初めて開発 9/23(月)

  1. サムスン電機は全固体電池開発に自社の積層セラミックコンデンサー(MLCC)製造技術を活用したという。

  2. 日本のセラミックスコンデンサメーカー3社、もう一つFDKも既に上市している。

  3. まあ、化石燃料消費量抑制・需給緩和には役に立たんので、後は割愛。


1997年に東北大学のLiCoO2単一粒子測定の論文をなぜかたまたま読んでしまって1998-1999年の2年間だけ電池に浮気してしまったが、三つ目の会社の研究所の所長にコッソリ呼ばれた時に「(酸化物全固体電池なんて)積層セラミックコンデンサみたいなもんならできるでしょうが・・・」と言ったところ、「そんなもんならつくりとうない。それよりも電池なんか日本でやっても儲からんで。はよ次のテーマ考えといてくれ。」言われて、「ですよねー。」とエレクトロニクスに戻った俺・・・。

  • ま、この記事に有るのは積層セラミックコンデンサみたいな電池です(笑)。

そんな俺も、2010年の日本半導体死亡宣告の後、国プロの期間が残っていたので2012年まではそれを続けていたんだが、2012年に四つ目の会社を辞める少し前にSamsungの研究所のやつが話したいというから会ってみたら「次、何やるんですか?」と聞くので、「さーね・・・電池でもセラミックコンデンサでも何でもいいや(まあ、そんなもんしかないんじゃないかって気も有ったものの、冗談だったんですけど・・・。)」と言ったら「電池やセラミックコンデンサで頑張ってもなー・・・。」って言われちゃいましたよ(笑)。

  • ま、この記事に有るのは「電池+セラミックコンデンサ」みたいなやつです(笑)。



おまけ

[1] LinkedInにも出てたので(Likeしときましたけど・・・):NISMO

かっちょええな・・・。
  1. 感動は数値化できない。驚きは数式に落とし込めない。魂を震わすにはデータを越えなければいけない。人だけが感じ取る微細な感覚は、日産最高峰のテストドライバーとエンジニアの言葉を超えた会話で確かめられていく。技術だけでは究極の性能は作れない。人の感性で初めて完全になる。

  2. いやー、かっちょえー。

  3. まあ、たぶん、おっしゃる通りなんでしょうけど、俺は非数量データでも割り切って数量化して、理論式でなく経験的多項式でもいいから割り切って数式化するっていう米国式のほうがしっくりきますけどね。

  4. 感性ってのがどうもわからないんで。

  5. 車ってのは難しい商品だな・・・。


感性が磨かれていくってことも有るとは思いますよ。

  • 方法がわからんので、とりあえず身に着けるものを「お気に入り」にするってとこから始めてますが・・・。

  • Reolが「せーの、で手放せよ。感覚で胸を打つもの、それ以外を。」と歌っていらっしゃったので・・・。あ、昔、競艇行ったときに聴いたんですけど。

  • 物持ちがいいもので、妥協して買ったものが何となく気に食わなくても10年以上もってて、なんとなく不快感を感じることも有ったので・・・・思い切って捨てるときに歌いながら捨てています。

ただ、たいした感性も無いクソ凡人が感性って言葉に逃げ込むのもよろしくないと思うんですよ。
それよりは知性を磨いたほうがいいと思うんですよ。
知性ってのはクソ凡人も優れたお方も分け隔てなく活用でき、訓練方法も比較的整理されてると思うんですよ。
ということで、数学でも勉強しな。

  • 俺は、数学好きJD(数学科行くと数学の教員くらいにしかなれないから専攻は化学にしたって言ってましたが)と話して以来、高校の数学は万人向けじゃないかなと思ってますが・・・。

  • 俺の母親が家の古いものを片付けていた時、俺の高校生の時の数学チャートを発見し、中身が新品のように真っ白だったのを見て「お母さん、ショックでしたよ。家で勉強したの見たこと無いなとは思ってましたけど、こんなに酷かったとは思いませんでしたよ。お母さん、全部読みましたよ。今では高校の数学ならアナタよりできると思いますよ。」と文句を言われ、返す言葉が無かったってことも有りましたが・・・。



by T. H.


LinkedIn Post
[1] Materials/Electronics

  1. Fermi Level (2018/02).

  2. Vacuum Polarization, and Polariton (2018/02).

  3. Current Status on ReRAM & FTJ (2023/03).

  4. Fermi Level 2 (2023/11).

  5. Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton 2 (2023/11).

[2] Electrochemistry/Transportation/Stationery Storage

  1. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02).

  2. Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020/01).

  3. Progresses on Sulfide-Based All Solid-State Li-ion Batteries (2023/05).

  4. 国内電池関連学会動向 (2023/05).

  5. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries 2 (2023/12).

[3] Power Generation/Consumption

  1. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control (2020/07).

  2. H2 & NH3 Combustion Technologies (2020/12).

  3. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control 2 (2023/12).

  4. H2 & NH3 Combustion Technologies 2 (2023/12).

[4] Life

  1. Home Appliances I (2021/06).

  2. Home Appliances II (2021/09).

  3. Home Appliances III (2023/12).

[5] Life Ver. 2

  1. Human Augmentation (2021/11).

  2. Vehicle Electrification & Renewable Energy Shift I-LXXXI (2022/01-2022/12).

  3. Human Augmentation II (2023/12).

[6] 経済/民主主義

  1. 経済/民主主義 I-LIX (2022/12-2023/05).

  2. 記事抜粋1-219 (2023/05-2024/XX).


Published Articles' List (2004-2005, 2008-2011, 2015)

  1. researchgate

  2. Google Scholar


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