Previously, 記事抜粋88 | LinkedIn
[1] 注射や点滴の生産は「カブトガニの生き血」に頼りっぱなし、代替品となる新試薬登場の兆しも (msn.com)
新型コロナウイルスワクチンなどの予防接種は多くの人々の命を救いましたが、こうした注射薬や点滴は、生きたまま血を抜き取られるカブトガニの犠牲の上に成り立っています。自然活動家の懸念の種にもなっているこの状況に訪れつつある変化について、専門家が解説しました。アメリカ・ロチェスター工科大学科学・技術・社会学科の准教授であるクリストファー・ホイットニー氏と、修士課程学生のジョリー・クルネル氏によると、カブトガニの血液から抽出されるカブトガニ変形細胞溶解物(Limulus Amebocyte Lysate:LAL)という物質は、注射や点滴などの生産に欠かせないとのこと。
注射が医療に用いられるようになった1800年代半ば以来、歴史的に注射は「注射発熱(injection fever)」と呼ばれる反応を引き起こしてきました。これは、細菌によって合成されるエンドトキシンが原因で、濃度が高いとショック状態を引き起こし、場合によっては死に至ることもあります。 その後1920年代に、生化学者のフローレンス・セイバートが「注射発熱の原因は溶液に含まれる汚染水」だと発見し、その原因物質を検出および除去する方法を考案すると、これが1940年代の医学的標準となります。 ウサギ発熱性物質試験(rabbit pyrogen test)として知られるこのテストは、ウサギに薬剤を静脈注射し、熱が出れば薬剤が汚染されているとわかるというものでした。
検査方法がウサギからカブトガニの血に代わるきっかけは、偶然でした。1950年代から60年代にかけて、マサチューセッツ州にあるウッズホール海洋生物学研究所でカブトガニの研究をしていた病理学者のフレッド・バングと医学研究者のジャック・レヴィンは、カブトガニの青い血が謎の凝固を起こすことに気づきます。 一連の実験を通じて、凝固の原因はエンドトキシンであることを突き止めたバングとレヴィンは、カブトガニの血からLALを抽出する方法を考案しました。このLAL法の発見は、20世紀における医療安全のブレイクスルーと位置づけられています。 研究者やバイオメディカル企業による改良や、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を経て、1990年までにLAL法はウサギでの試験に取って代わるエンドトキシン検査法となりました。
あ、俺がウサギ使った実験見せてもらったのはちょうど過渡期だったんだ・・・。
LALを得るにはカブトガニの血液が必要ですが、生きたまま最大30%の血を抜かれたカブトガニが海に帰された後に死んでしまう割合については正確にはわかっておらず、推定には数%から30%以上まで開きがあります。しかも、カブトガニを脅かしているのは医療分野での利用にとどまりません。水産市場でも、養殖のウナギや貝類の餌としてカブトガニが重宝されており、2つの水産業を合計すると毎年50万匹以上のカブトガニが殺されているとのこと。 カブトガニ漁に関する2019年の調査では、カブトガニの個体数が大きく増減していることはないと報告されていますが、自然保護活動家の心配事は他にもあります。というのも、アメリカでは毎年数百万羽のシギ類やチドリ類がカブトガニの卵を目当てに大西洋の海岸に立ち寄っており、特に南アメリカの南端とカナダの北端の間を最大9000マイル(約1万4480km)も移動するコオバシギにとって、カブトガニの卵は貴重なエネルギー源となるからです。 コオバシギは2015年に絶滅危惧種に指定されており、これはカブトガニ漁によって重要な食料源が脅かされたのが主な要因です。医療の分野でのカブトガニ需要が水産業の消費量に匹敵、あるいは上回るようになるにつれて、自然保護団体はLAL業界に対して別の方法を探してほしいと要請するようになりました。
こうした要請を受けて、バイオメディカル業界は少しずつ代替品の開発を進めてきました。1990年代には、シンガポール国立大学の研究者らが、カブトガニのDNAと遺伝子組み換え技術を使って合成エンドトキシン検出化合物を作り出す最初のプロセスを発明し、特許を取得しています。「組み換えC因子(rFC)」と呼ばれるこの化合物は、LALがエンドトキシンと接触した際に起きる3段階のカスケード反応の第1段階を模倣したものでした。 その後、複数のバイオメディカル企業が独自のrFCや「組み換えカスケード試薬(rCR)」を開発していますが、その後もカブトガニの血から作られたLALは医療におけるエンドトキシン検査法の主流であり続けています。 その主な理由は、医薬品の規制当局であるアメリカ薬局方(USP)が、rFCやrCRを「LALの代替品に過ぎない」とみなしており、これによりFDAの承認も進んでいないからだとのこと。自然保護団体は、「LALメーカーが自分たちの利権を守るためにrFCやrCRの認可を遅らせている」と主張していますが、USPやLALメーカーは「公衆衛生を守るために適切な注意を払っている」と反論しています。
こうした状況にも、徐々に変化が訪れてきています。業界や当局は、カブトガニの利用を極力減らすことを目指すようになってきており、例えば大西洋の漁業規制当局がカブトガニの新しい漁獲制限を検討しているほか、USPもLALの遺伝子組み換え代替品に関するガイダンスの策定を進めています。USPの新方針のパブリックコメントは2024年の冬に募集され、その後USPやFDAの審査を経て発効されます。 この記事を学術系メディア・The Conversationに寄稿したホイットニー氏らは「様々な機関を横断する複雑な科学的問題についての政策決定は容易ではありません。しかし、人間の健康と環境の両方を守るためにできることのひとつひとつが、重要な前進につながると私たちは考えています」と話しました。
事業紹介 | LAL試薬 | 生化学工業株式会社 (lalbiz.com)
LAL事業 医薬品や医療機器の製造プロセスにおける品質管理に使用されるエンドトキシン測定用試薬の販売を行うLAL事業を展開しています。
エンドトキシンとは? グラム陰性菌を構成する成分のひとつで、極めて微量で強い発熱活性を示す物質です。医薬品等への混入は重大な副作用の原因となる可能性があることから、医薬品や医療機器の製造においては規制に基づいた厳重な管理が必要となります。
エンドトキシン測定用試薬/機器
パイロスマートネクストジェン カブトガニから採取した血液を使用せず、遺伝子組換え技術を用いて製造されたエンドトキシン測定用試薬です。
代替品も有るが・・・。
エンドスペシー、トキシカラー、パイロクロム カブトガニの血球抽出成分(LAL:Limulus Amebocyte Lysate)から作られたエンドトキシンを測定する試薬です。医薬品や医療機器の製造プロセスにおける品質管理や、人工透析に使用する透析液の水質管理等に使用されています。
カブトガニ血球抽出成分が主流なんだね・・・。
【連載】Talking of LAL「第13話 カブトガニ」|siyaku blog|試薬-富士フイルム和光純薬 (fujifilm.com)
第13話 カブトガニ LAL がカブトガニの血球から調製されることについては、すでにお話しました。今回は、少し趣向を変えてカブトガニ類について紹介したいと思います。カブトガニ類は「生きている化石」とも呼ばれ、約 2 億年前から、その姿をほとんど変えず生きてきたことが知られています。このカブトガニの先祖は、クモやサソリと同じく、約 6 億年前に始まる古生代に生息した三葉虫であると言われております。従って、カブトガニは、カニよりもクモやサソリに近い動物として知られています。恐竜時代として知られるジュラ紀の地層から発見されたメソリムルスというカブトガニ類は現在のものとほとんど同じ形をしており、「約 2 億年の間姿を変えていないカブトガニ」のイメージはこの事実に由来しているように思われます(ジュラシックパークにもカブトガニがいるかもしれません。)もっとも、4 億年前あたりから現在のカブトガニを連想させるような種が出てきていますから、カブトガニの歴史を 4 億年、3 億年と言う人もいるわけです。現在生存しているカブトガニ類は 4 種(アメリカカブトガニ、カブトガニ、ミナミカブトガニ、マルオカブトガニ)です。化石はヨーロッパでも発見されているにも関わらず、現在の生息地は世界の大陸の東海岸域に限られています。アメリカカブトガニは北米大陸東側沿岸、その他の 3 種はアジア大陸の東南海域に生息しています。この中で、実際に商品としての LAL 製造に用いられているのは、アメリカカブトガニ(Limulus polyphemus)とカブトガニ(Tachypleus tridentatus)の 2 種です。リムルス試薬(LAL)の名前の由来は、アメリカカブトガニの学名なのです。弊社のリムルス試薬もアメリカカブトガニ由来です。カブトガニは不思議な生き物です。LAL を製造するために、カブトガニから採血を行います。採血は、心臓に直接注射針を刺して行います。血液が自然に出なくなった後、海に帰してやると、ほとんどのカブトガニは死なないようです。カブトガニの循環系は開放血管系になっており、心臓の血液(血リンパ)がほとんどなくなっても、体内にはかなりの量の血液が残っているためかもしれません。とにかく、LAL は、カブトガニの献血によって成り立っていると言っても過言ではないでしょう。カブトガニの血は、体内では白い色をしていますが、空気に触れると青色に変化します。これは、クモやカニと同様、銅を含んだヘモシアニンというタンパク質が、カブトガニ体内で酸素運搬を担っているためです。また、血球はその大部分がアメーボサイトとよばれる白い細胞で、人間のような赤血球は持っていません。日本や中国に生息するカブトガニは、雄が雌の後ろにくっついて、通常ペアで暮らしているそうです。それに対して、アメリカカブトガニは、産卵に際して、一匹の雌にたくさんの雄が群がる習性を持っています。このような習性の違いはありますが、どちらのカブトガニから調製した LAL も、エンドトキシンや(1→3)-β-D-グルカンに反応する性質は変わらないようです。
青い血って言われるのは空気で酸化された結果で、その前は白いんだね・・・。
イカ、タコ、貝類、エビ、カニはそうだね。
Cu2+のd-d遷移が黄色あたりを吸収するから補色の青色を呈するんだね。
白は微粒子による散乱の色かな・・・。
ところで、この前LinkedInで水の美しい青色の話が話題に上がっていたけど、水が青っぽく見えるのは長波長側(赤)の光が吸収されやすいからだね。水の中では短波長の青色が吸収されずにまっすぐ人の目に入ってくるから青っぽく見えるんだね。水の中で赤色光が吸収されやすいのはOH基(基本振動は3,400 cm-1)の高次振動によるものなんだね。俺が大学4年生の頃にこういう話をよく聞いていた。
[2] 「ああ、身ぐるみ剥がされる」マルセイユ超危険地帯で“九死に一生”「危険を冒すべきではなかった」天才MFジダンの故郷で見た貧困の闇 (msn.com)
2023年のラグビーW杯はニュージーランドvs南アフリカの決勝戦を残すのみとなった。2大会連続の決勝トーナメント進出はならなかったものの健闘した日本代表など、現地フランスで観戦したブラジル在住日本人ライターが感じた熱、そして“アブない街並み”など開催国の光と影を記した。《全3回の2回目/#1、#3につづく》
「おい、お前、ここへ何しに来た?」 黒いフード帽を被った浅黒い肌のアラブ系の若者が、早口のフランス語で近づいてきた。外国の犯罪映画やドラマに出てくるチンピラそのもの。世界中、どこでも犯罪者は同じ匂いを放つもので、僕が住むブラジルでも同様の輩に絡まれたことがある。背筋が凍りかけたが、努めて平静を装った。
間違いなく、身ぐるみ剥がされる 「ここで知人と会う約束をしていたんだけど、会えなかった。だから、もう帰ろうと思っている」 咄嗟に口を突いた出まかせだ。 「どのアパートの誰と会うつもりだったんだ?」 「……」 男が周囲に向かって叫んだ。「おい、こいつ、携帯電話をポケットに入れているぞ」 見ると、彼以外にも数人のアラブ系の男たちが僕を取り囲みつつあった。〈うわあ、やられた。間違いなく、身ぐるみ剥がされる〉 それでも、必死に打開策を考えた。近くを歩いていた中年の男に取りすがるように近づき「出口はどこ?」と聞いた。男は黙って右を指差す。しかし、その先には別のチンピラが立っていた。僕を待ち構えているのだ。そちらへ行くわけにはいかない。〈これはダメだ。所持品を奪われるのは仕方がないとして、アパートに連れ込まれたら何をされるかわからない〉 携帯電話の写真ファイルを開けさせられて、ここのアパートの写真を撮影したのが発覚し、「どうしてこんな写真を撮ったんだ」と問い詰められるに違いない。「ジダンのファンなので、彼が生まれ育った場所へ来たかったんだ」と言って、それで許してくれるようなお人よしとは思えない。 最悪の事態だ。少し先に、中年のふくよかな女性がいた。「助けてください」と擦り寄ったが、事態を察したらしく、顔をこわばらせて逃げて行った。〈ああ、完全に終わった〉怪しげな男たちに囲まれて、困っています そのとき、10mほど先に事務所のドアがあるのが目に入った。ドアに「社会文化センター」と書いてある。市が経営する事務所らしい。それなら、市の職員がいるはずだ。咄嗟にそこへ逃げ込んだ。 向かって右側に窓口があり、数人の女性職員が住人らをアテンドしている。ほぼ全員が女性だった。「怪しげな男たちに囲まれて、困っています。助けてください。バス停まで同行してもらえませんか」 窓口の女性の1人に懇願したら、女性は僕が置かれた事情をすぐに理解したようだった。自分の仕事を中断し、僕を伴って事務所を出た。そして、200mほど離れたバス停まで送ってくれた。 そこでは、犯罪者ではない普通の人がバスを待っていた。ああ、助かった。多分――。
筆者は、9月16日から10月3日までの18日間、ラグビーW杯のプールステージの試合を見るためフランスに滞在した。本当は準々決勝以降の試合を見たかったが、どうしてもチケットが買えず、今年1月のリセール(公式サイトで購入されたチケットがキャンセルされ、それが再販売された)で買えたチケットをつなぎ合わせたらこのスケジュールになった。 当初は5枚しか持っていなかったが、大会が始まってからキャンセルが出て、運良く9月28日の日本対サモア、29日のニュージーランド対イタリアのチケットを追加で買うことができた。
民泊した家の主人は退役軍人だった 9月16日朝、フランスに到着し、その夜はパリの友人宅に宿泊。17日、中部サンテティエンヌでオーストラリア対フィジー(フィジーが22-15の劇的勝利)を観戦した。そして、18日、フランスを北から南へTGV(フランスの新幹線)で縦断してマルセイユに入った。 この町には何度か来たことがあり、伸びやかな雰囲気が気に入っていた。21日にここでフランス対ナミビアを観戦する予定で、それまで少し滞在して街歩きを楽しもうと考えたのだ。 滞在先は、民泊で見つけたソッソという男の家。二間の小さなアパートで、彼は寝室を客に提供し、自分は居間のソファーで寝る、ということのようだった。 49歳の退役軍人で、パラシュート部隊にいたという。父親がアルジェリア人、母親がモロッコ人だが、本人は生まれも育ちもフランスだそうだ。 大変なおしゃべりで「フランスでアラブ系がいかにひどい人種差別を受けているか」を延々と話し続ける。4泊5日滞在したが、自分で話を終えたことが一度もなかった。話が決して終わらないので、何か言いたいこと、聞きたいことがあれば彼の話を遮って口を挟むしかない。
ジダンの故郷は「最も危険な地区の一つ」 フットボール・ジャーナリストである僕にとって「マルセイユ」と言えば元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンの故郷だ。 ジダンは、市の北部にあるラ・カステランという地区で生まれ育っている。フランスへ渡る前、この地区について調べたところ「失業、貧困、麻薬取引の町で、非常に危険」とわかった。だから、NumberWebの編集者にも「マルセイユに行きますが、まだ死にたくないのでジダンの故郷には行きません」と明言していた。ブラジルの友人にも、そう告げていた。 そういうわけで、その気は全くなかったのだが、ソッソに「ラ・カステランに行ったことはあるか」と聞いてみた。「スクーターで、界隈を一周したことがある。マルセイユで最も危険な地区の一つだ。夜行くのは、絶対によしたほうがいい」 ところが、「昼間ならそれほど危なくはないかもしれない」とも言う。こう言われても、「行ってみようか」という気には全くならなかった。 ブラジルでもそうだが、こういう危険な場所は、信頼できる案内人がいない限り、絶対に立ち入ってはいけない。以前、日本のフットボール専門誌から「元ブラジル代表FWアドリアーノ(2000年から2016年までインテル、ブラジル代表などで活躍したストライカー)が生まれ育ったリオの貧民街を取材してくれないか」という依頼を受けたが、「信頼できる案内人がいないのであれば、行きません」と断ったことがある。
危険察知能力はかなり発達しているはず… ジダンの父親はカビール系アルジェリア人だ。1953年、アルジェリア独立戦争が始まる前年にフランスへ移住し、当初はパリ郊外の工事現場などで働いていた。アルジェリア人女性と結婚し、1968年にマルセイユのラ・カステラン地区へ移り住んで倉庫の番人やデパートの夜間警備員などの仕事をした。5人の子供(4男1女)がおり、ジダンは末っ子だ。彼の伝記を読むと、「幼い頃から、日がなラ・カステランのタルタンヌ広場でボールを蹴ってテクニックを磨いた」とある。 9月18日の午後と19日、旧港、教会、美術館、要塞などを回った。美術館や歴史的な建造物の宝庫であるパリと比べると、それほど見所は多くない。 アレクサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」(巌窟王)で主人公が閉じ込められた牢獄がある(という想定の)イフ島を巡る遊覧船があるが、ここは数年前に行った。つまり、マルセイユ観光は1日半で終わってしまった。21日は試合があるが、「20日は何をしようか」と考えた。 ここで、自分の中の悪魔の囁きが始まった。「少しだけラ・カステランへ行く、というのはどうだ」「お前は長年ブラジルに住んでいるから、危険察知能力はかなり発達しているはずだろ? 少しでも危ないと思ったら、すぐに引き返せばいい――」
駅までは簡単に行けたのだが 元々、好奇心が人一倍強いことに加えて、ジャーナリストという仕事柄、ますます好奇心が強くなっている。行き方を調べると、地下鉄2号線のジェーゼという終点駅まで行き、そこで98番のバスに乗ってわずか5駅。小一時間の距離とわかった。 こうなると、もう気持ちを抑えられなくなっていた。持っていくのは、パスポート、携帯電話、最少限の金、ソッソのアパートの鍵、水、軽食。クレジットカードはアパートへ置いていく。 ジェーゼまでは、簡単に行けた。一見すると普通の地下鉄駅だが、外を見るとゴミが散らばっていたり、風体の怪しい若者がたむろしている。 地下鉄の構内からバスが出ており、すでに98番が停まっていた。やや貧しげだがブラジルにもよくあるような街並みを通り過ぎると、10分余りでラ・カステランのバス停に着いた。 グーグルマップによれば、歩いて100mほどのところにタルタンヌ広場がある。「そこまで行って、広場の標識の写真を撮って帰ろう」携帯電話を持っていることとヨソ者の両方が一度にバレた 殺風景なアパートが立ち並ぶ。建物の前の階段に、アラブ系の若者が数人、座って話をしている。彼らと目が合うと因縁を付けられる恐れがあると考え、前だけを向いて通り過ぎた。 ところが、広場らしい場所に出ない。おかしい。近くにいた男性に聞いたが、「知らない」。女性にも聞いたが、同じ答えだった。 そこで、携帯電話を取り出し、グーグルマップで「タルタンヌ広場」を探した。後になって気付いたのだが、これが致命的な失敗だった。その様子を誰かに見られ、携帯電話を持っていることとヨソ者であることの両方が一度にバレたのだ。 もっとも、この地区に住人のほぼ全員がアラブ系で、アジア人はいない。しかも、僕のフランス語は外国人のそれで、マルセイユ訛りはない(注:ソッソによれば、パリジャンのフランス語とはスピード、リズムが違うそうだ)。よそ者であるのはどうにも隠しようがなく、外国人旅行者か、よくてフランスに住んでいる外国人と思われたはずだ。 無事に帰れるのが逆に不思議で、帰り道、なぜこうなったのかを考えた。咄嗟の機転で事務所に助けを求めたのが大きかったし、英語ではなくフランス語を話したのが多少は幸いしたのではないか――。それが自分なりの回答だった。
外国人旅行者に危害を加えたら… 民宿に戻ると、居間でソッソがテレビを見ていた。「いやあ、ヤバかった。ラ・カステランで危うく殺されるところだった」 起きたことを説明したところ、彼は意外な反応を示した。「それなら、大丈夫。もし君が事務所に逃げ込まなくても、奴らは君の所持品を奪ったり身体に危害は加えたりはしなかったと思うよ」「外国人旅行者に危害を加えたら、警察が捜査に入ってきて、彼らにとって非常に厄介なことになる。はした金欲しさに、そんな割の合わないことはやらない。ああいう地区では、よそ者が入り込んでも襲わないのが不文律になっていると聞いている」「じゃあ、仮に僕が事務所に助けを求めなくても何も起こらなかった、と言うのかい?」「そう。ただの脅しさ」「なあんだ、そうだったのか」「大抵の場合はね――。ただ、時々、下っ端がはした金がほしくて強盗をしたり、悪さをすることがある。そんなときは、上の連中から制裁を受けるそうだ」「だったら、そういう可能性もあったのか」「なくはない」「なら、やっぱり危なかったんじゃないか」「まあ、100%安全ではなかったね」「これまで、あそこに外国人が紛れ込んで被害にあった、というニュースを見聞きしたことは?」「ないよ。だって、誰もそんなことをしないから――」「おおい、ソッソ、それを先に言ってくれ」「これからは、うちへ泊まった奴が行きたいと言っても止めるようにするよ」「……」命の危険を冒してまで行くべきでは絶対になかった
翌日、壮麗なヴェロドローム・スタジアムでフランスの大勝(96-0)を見届けた。そして、翌22日、かつて学生時代に1年間を過ごしたモンペリエ(マルセイユから西へ約50km)へバスで向かった。 自分が感じた通り本当に危なかったのか、あるいはソッソが言うように奴らは僕を襲う気などなく単に脅かしただけなのか、それはわからない。だだ、無用な危険を冒したことは間違いない。 どうしてあんなことをしてしまったのか。その理由は、考えの甘さに加えて、好奇心に負けてしまったことだろう。 危険なことを十分に理解し、「絶対に行かない」と心に決め、周囲の人にもそう伝えていた。それを、あっさり反故にしてしまった。そんな自分に呆れている。 ジダンが生まれ育ち、少年時代にボールを蹴った場所へ行ったのは事実だが、それで何かがわかったわけでもない。これまで、フラジルでもジーコ、ロナウド、ロマーリオ、ネイマールら新旧ブラジル代表の名手が生まれ育ち、ボールを蹴り始めた場所を訪れている。どこも、何の変哲もない場所だった。「そこへ行った」という事実と記憶が残るが、それだけのこと。命の危険を冒してまで行くべきでは絶対になかった。そのことは、自分が一番よくわかっている。 ともあれ、今は無事、サンパウロの自宅へ帰還してほっとしている。
さて、このような移民問題が有ってなぜフランス人のエマニュエル・トッドが日本に移民を増やすように提言しているかだが・・・①割り算もできない(人口密度=人口/国土面積)クソ馬鹿ド文系であることに加え、②安全な日本がうらやましい上に気に食わないという性格破綻者なのだと推測される。
日本人はミシェル・フーコーを読んだほうがいい。
ミシェル・フーコーもいろんなこと書いてらっしゃるらしいが、日本人が読むべきところはここだ -- 「権力」がどのように「生」「性」をめぐる科学的言説を利用したか?
生権力(英; bio-power, 仏; bio‐pouvoir)とは、古典的な権力である「殺す権力」とは異なり、従属者たちを「生かす権力」を意味します。フーコーは人間の生に積極的に介入して、しかるべきやり方で管理・運営しようとする現代的な権力のあり方を「生権力」と呼びました。
哲学者の中山元が指摘したように、フーコーの規制権力は「身体と精神の関係についての二つの向き合ったベクトル」で学ぶと理解しやすいです:①身体から精神に向かうベクトル…身体を調教することで人間の精神を支配する(従順な身体);②精神から身体へのベクトル…精神を規制し、道徳的な主体とすることで、身体をコントロールする(パノプティコン)。ここでは監獄に関する議論がされていますが、大事なのは「従順な身体」と「パノプティコン」で説明される規制権力は近代社会のいたるところで作用していることです。
まずは「従順な身体」を解説します。端的にいえば、「従順な身体」は3つの規制テクニックによって形成されます。3つの規制テクニック:①空間…学校の校舎、兵舎、工場などの閉鎖的な空間を設置して、この空間をそれぞれの活動や集団ごとに区切る;②時間…起床から就寝までの時間を細かく振り分ける;③身体…道具や機械と一体化した身体をつくりあげる。たとえば、あなたは学校で身体動作の細かい規則を学び、運動会のために行進練習をしたことがあると思います。このように身体を調教することで精神を支配する「従順な身体」とは監獄だけでなく、学校でも作用しているのです。そのため、重要なので繰り返しますが、従順な身体は監獄における囚人だけでなく、学校、兵舎、工場、病院などにおける身体を対象とし、近代社会に適合する人間を作り上げるための権力だったといえるのです。
そもそも、「パノプティコン(panopticon)」とは、以下のようなものです。日本語で「一望監視施設」または「全展望監視システム」と呼ばれる監獄施設。特徴は中央に監視塔があり、その周辺を円形に配置された独房があること。フーコーはパノプティコンが精神から身体へのベクトルと向かう規制権力を説明すると考えました。なぜならば、それはパノプティコンには、次のような特徴があるからです:①監視者(権力者)は不可視であり、抽象化されている;②中央の監視塔に、監視者は常駐する必要がなく、監視される可能性があるだけで、囚人の内部には第二の監視者が生まれる;③「監視される囚人の内部にいる監視者」という構造が生まれる。端的にいえば、人間は常に権力からのまなざしを意識し、権力を内面化するのです。そしてそのような権力の対象となることで、規律化・従順化された近代的主体が生まれるのです。ここまでくると、「従順な身体」と「パノプティコン」によって説明される規制権力が、人々の生に働きかける権力だということがわかりやすいと思います。
・・・
よく言われるように、ヴィクトリア朝に代表される近代ブルジョワ社会おいて、性に関する表現は抑圧されていたという通念があります。端的にいえば、性に対する権力関係は否定的なものだったという考えがあります。しかし、フーコーによると、権力は告白という形で性の言説化をあおり、むしろセクシュアリティという領域を積極的に生産しているのです。それに加えて、ブルジョワ社会の権力は、セクシュアリティに関する一定の規準を設定する(→性的異常や性的倒錯がそのまわりに設定される)セクシュアリティを抑圧するというよりは、それを管理・調整するべき一つの秩序として積極的に組織している、のです。それを実行するために、「人口」という人間集団レベルに「調整」(生殖行動の社会化)をし、個人には身体と精神の規律がされるのです。
旧・統一教会への解散要求もやっと出て、今が千載一遇のチャンスだが、自民党のカルト体質は本質的に変わっていないので油断するわけにはいかないのである。
[21] 加藤こども相、実母に家賃支払い 「母は別人格」と資料要求に応じず (msn.com)
増税の理由づくりのポストに過ぎんが・・・。
加藤鮎子・こども政策担当相は30日の衆院予算委員会で、自身が代表を務める資金管理団体「加藤鮎子地域政策研究会」が、山形県鶴岡市の事務所の家賃として、実母らに計1440万円を支払ったことを明らかにした。「税務処理は適切」として問題ないとの認識を示したが、「別人格の実母の個人情報」だとして税務書類の国会提出に応じなかった。 立憲民主党の藤岡隆雄氏の質問に答えた。藤岡氏は、同研究会は2014~21年、加藤氏の父・紘一元官房長官(故人)と母に、家賃として計1440万円を支払ったと指摘した。 加藤氏は「記載の通り」と支払いを認めた上で、「実母による、家賃収入にかかる確定申告など税務処理は適切に行われている」と説明。税務書類の提出を求められたが、「別人格である実母の個人情報であり、提供は慎重に考える必要がある」として応じなかった。 藤岡氏は朝日新聞の取材に「近い親族に金が支払われているので、その金が加藤氏のところへ還流している可能性もゼロではない」と述べた。
国民への増税の説得は難しくなったかもしれんな(笑)。
日本は欧米のどの国と比べても異常に人口密度が高い。せっせと減らしましょう。
[25] 世界で暗躍する「中国・秘密警察署」に実はこっそり協力していたカナダ...見返りは何だったのか? (msn.com)
<中国の海外「秘密警察」を非難していたトルドー首相。しかし、カナダ政府高官の指示で実は逃亡者の身柄確保に協力していたという告発が...>互いの外交官を国外退去処分にするなど緊迫した関係が続く中国とカナダ。だがカナダ国営放送(CBC)の調査報道番組『フィフス・エステート』は10月20日の放送で、カナダ政府が対中貿易などで便宜を受ける見返りとして、中国当局による国外逃亡者の身柄確保を長年、ひそかにサポートしてきたと告発。人権団体などから批判が噴出している。カナダ国境サービス庁によれば、2008~22年に他国での「犯罪または重大な犯罪行為」を理由にカナダから強制退去させられた中国人は33人。カナダ連邦警察の元捜査官は番組で、「著名な逃亡者」を追う中国の担当者に協力するよう政府の最上層部から指示されたと証言している。中国に身柄を引き渡せば処刑を含む非人道的な扱いが待ち受けることは容易に予想できる。にもかかわらず、カナダが協力を続けてきたのは中国市場へのアクセスというエサのためだと、専門家は指摘している。
だから中国人が欲しがるのは米国の市民権なのだ。
安いポスドクの仕事が有ったらとりあえず米国に行く。そこで子供をつくってしまい、米国の市民権を取る。
「俺たちは無理だがこの子は米国が守ってくれる」と誇らしげだったのが印象的だった・・・。
ま、米国でも安心はしてられないようだが。
おまけ
[1] エゴサーチをしていたら(笑)こんなん出てきたわ:Lithium Sulfur Battery: Current Status and Future Prospects. | PPT (slideshare.net)
Lithium Sulfur Battery: Current Status and Future Prospects. | PPT (slideshare.net)
2015年にシカゴで発表した資料だと思う。
ま、俺は当時から「リチウム硫黄電池、レート特性が悪くて、使い物にならねぇな。」と思ってたんだけど(笑)。
ま、そこは「おつきあい」だ(笑)。
ところで、数字は古いんだが、安い黒鉛も今じゃリサイクルするようになってきている。
こんなんも出てきたわ:Three-dimensional Zn/LiFePO4 aqueous hybrid-ion battery for renewable energy integration into electrical grids. | PPT (slideshare.net)
日本に帰って体のメンテナンスをしたかったのでスケジュールに入れた学会での発表資料だな。
「日本じゃredox centerのないLDH(Layered Double Hydroxide)を固体電解質セパレータにするからZn負極でもまるっきり使えないってことも無いだろうけど、Li+イオンと併用は無しだわ・・・。」と当時から思っていたんだけど(笑)。
水系でLi+イオンって無駄なんだよね。
ま、そこは「お付き合い」だ(笑)。
水系だったらNa+イオン電池って当時から思ってた:Economical Comparison among Rechargeable Batteries for Integrating Renewable Energy into Electrical Grids. | PDF (slideshare.net)
これも日本に帰って体のメンテナンスをしたかったのでスケジュールに入れた別の学会での発表資料だな。
当時はまだ(-)活性炭/NaxMnO2(+)しか無かったんだが、九州大学の超高濃度電解液や東京大学のwater-in-saltで負極にもう少し低電位のインターカレーションマテリアルを使えるようになってきたんだね。塩のコストがかかるので却って高くなって実用化はまだできてないけど。
まあ、定置型はレドックス・フローでも、フロー型の空気電池でもいいかな?
ところで、「日本エレクトロニクス最後の10年」以後は俺も電池屋の端くれの端くれになっているが、元々はこっちだ:
Fermi Level (2018).
Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton (2018).
by T. H.
LinkedIn Post
[1] Materials/Electronic:
Fermi Level (2018).
Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton (2018).
Current Status on ReRAM & FTJ (2023).
[2] Electrochemistry/Transportation/Stationary Energy Storage
Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018).
El、ctrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020).
Progresses on Sulfide-Based All Solid-Stま、e Li-ion Batteries (2023).
国内電池関連学会動向 (2023)
[3] Power Generation/Consumption
Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control (2020).
H2 & NH3 Combustion Technologies (2020).
[4] Life
Home Appliances I (2021).
Home Appliances II (2021).
[5] Life Ver. 2
Human Augmentation (2021).
Vehicle Electrification & Renewable Energy Shift I-LXXXI (2022).
[6] 経済/民主主義
経済/民主主義 I-LIX (2023).
記事抜粋1-88 (2023).
Published Articles (2004-2005, 2008-2011, 2015)
Toru HARA | Confidential | Doctor of Engineering | Research profile (researchgate.net)
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