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ジェニアルを訪ねて~カザフスタン~①

前回の投稿から、しばし時間が空いてしまいましたが、年内にまとめておきたいレポートに、ジェニアルとの再会があります。2回に渡り、カザフスタンで対面したジェニアルの様子と、この地に行きついた経緯などを記したいと思います。初回は、カザフスタンに流れ着くまでのジェニアルをご紹介。次回は、有料配信となりますが、カザフスタンで過ごすジェニアルの近況を詳細にレポートしたいと思います。


世界に誇る良血の現役時代

カザフスタンダービー前日、私はカザフスタンのアルマトイ近郊の町エシクを訪問しました。ここに、日本とフランスで競走馬として活躍したジェニアルがいるということで、所有者とコンタクトをとり、訪問する運びとなったのですが、今回はその前に、まずはジェニアル自身のご紹介をしていきましょう。
ジェニアルは、父ディープインパクト、母に仏オークス馬サラフィナを持つ世界的良血馬。キーファーズの初期の活躍馬として日本・フランスで走り通算14戦3勝の成績を残しました。

2018.04.07 丹波特別(5着)

国内では2勝クラス止まりと、期待通りの活躍とまではいきませんでしたが、フランスに遠征した2018年夏、メゾンラフィット競馬場で行われたマイルのGIIIメシドール賞に優勝。

日本の条件クラスの馬が、フランスで重賞を勝ったことで、日本競馬のレベルの高さを証明する勝利をあげました。4頭立ての少頭数でしたが、前年のムーラン・ド・ロンシャン賞2着馬Taareef、この路線で重賞3勝の安定株Jimmy Two Timesを破っての勝利は、相当に彼の評価を上げるものでした。

種牡馬としての道を歩んだジェニアル

フランスで競走生活を終えたジェニアル。欧州では先にマーティンボロ(FR)、アルバートドック(ITY)、Saxon Warrior(IRE)、Barocci(SWE)らがスタッドインするなど、各国で需要が高まりつつあった時代。
当初はドイツに渡る予定でしたが、厳格な種牡馬入りの要件を満たせぬ中で、当時Barocciが活躍馬を輩出しつつあったスウェーデンから白羽の矢が立ち、一路北欧へ。
スウェーデンでは2020~2022年まで種付けを行い、昨年初年度産駒がデビュー。6頭の初年度産駒の中から、Allegrettoがスヴェンスク2000ギニーで5着に入る健闘を見せました。

スウェーデン国内のジェニアル産駒一覧(2024/12/29時点)

2年目の産駒からは、Miss Astrakanが12/1に新馬勝ちをおさめており、来年の活躍が期待されてます。その後、ジェニアルは2023年シーズンよりイタリアにその活躍の場を移すことに。移った先はペルージャのAllevamento Massimo Farinaで、種付料は€3,000でした。

Allevamento Cavalli Massimo Farina | Castiglione del Lago | Facebook

Allevamento Cavalli Massimo Farina(Facebook)

ここには、同じディープインパクトの産駒で、日本で七夕賞や小倉大賞典を制したアルバートドックが繋養されています。ジェニアルが移る前年には、彼の産駒TempestiがGIIフェデリコテシオ賞を制し、デルビーイタリアーノで2着に入るなど、イタリアの3歳馬でトップの成績を残しており、同じディープの仔であるジェニアルも、種牡馬として非常に期待されいたでしょう。それが、実働1年で何故イタリアを離れることになったのか。それも踏まえて、次回はカザフスタンで対面した彼の姿などをご紹介していきます。


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