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【読んだ本】 IA/UXプラクティス/坂本貴史
この本を一言で言うと...
モバイルのユーザー体験を情報アーキテクチャの観点で最適化していく方法が学べる本
読んで学んだことは...
モバイルにおける6つのIAパターン
階層型
・概要:インデックスページとサブページといった親子関係を持つピラミッド構造。
・用途:ニュース記事・製品分類など大量のコンテンツの構造化。同階層での横移動はFAQにも利用可。
・良い点:PCサイトの構造をそのまま流用しやすい。大量の情報群をひとまとめの構造にできる。
・悪い点:ナビゲーション構造が増える。上下の行き来が増える。
・関連するUI:リストメニュー、メガメニュー、展開メニュー
ハブ&スポーク型
・概要:中央があり、そこから離れタスクを実行し、また中央に戻る構造。
・用途:独立したコンテンツの集合体としてのポータルサイなど。
・良い点:様々な機能をまとめて提供できる。階層を意識しなくて良い。
・悪い点:スポーク間の行き来がしづらい。戻るナビゲーションが機能しないと、中央から離れてしまう。
・関連するUI:スプリングボード、ギャラリー
マトリョーシカ型
・概要:直接的にユーザーの目的を誘導する方法、入れ子関係の構造。
・用途:メールや商品情報など、階層の数が決まっているコンテンツ群。
・良い点:階層型やハブ&スポーク型を連携することができる。
・悪い点:スポーク間の行き来ができない。選択項目を変更したい場合、深堀りした分戻らなくてはいけない。
・関連するUI:リストメニュー、スプリットビュー
タブビュー型
・概要:同一レベル(階層)のコンテンツを並列に表示する構造
・良い点:マルチタスクを実行しやすい。
・悪い点:タブの数が制限される。
・関連するUI:タブ、タイトルストリップ
弁当箱型
・概要:関連するコンテンツを一箇所にまとめて表示する構造
・用途:ダッシュボードなど。メニュー体系の集約というより、表示の一元管理の側面の方が有効。
・良い点:一覧で重要な情報を把握できる。様々なコンテンツに直接誘導できる。
・悪い点:画面サイズの制約が大きい。
・関連するUI:ダッシュボード、メタファ
フィルタビュー型
・概要:同一データを複数の表示方法により切り替えて表示する構造
・用途:大量コンテンツの検索画面など。
・良い点:音楽、記事、画像など太陽コンテンツを多面的に扱うことができる。
・悪い点:フィルタオプションが多いと小さな画面で操作しづらい。
・関連するUIパターン:ソート、フィルタ
読んで思ったことは...
モバイルの「情報アーキテクチャ」という観点から「UXデザイン」を最適化していくための本。著者は「IAシンキング」を書いた坂本貴史さん。
この本が特徴的なのは、IAとUXを並列にして語っているところだと思う。問題解決のアプローチ手段としての「UXデザイン」と、それを具現化する「IA」を、実務上でどのように連携するのかという視点で書かれているところがおもしろいです。
世間ではUXとUIがセットで語られることが多いけど、実務上では「UXの設計」と「UIの設計」の間に、適切な「IAの設計」がなされることがとても大事だったりする。その点でUXデザイナーもUIデザイナーも読んでおくと良い1冊なんじゃないかと思ったりします。