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【読んだ本】 デザイン思考の先を行くもの
この本を一言で言うと...
0→1を生み出すための思考法が学べる本
読んで学んだことは...
① デザイン思考は0→1に不向き
● デザイン思考は、最初の課題発見のステップにおいて「他者」にそのヒントを見出そうとする。課題が他者起点であるとすれば、鋭い観察眼さえあれば他の誰かもその課題を見つけられるということになる。
● 世の中を変えるような革新的なアイデアは、アイデアを最初に思いついた人の極めて個人的な主観や見立てに基づくべき。いわば「他人中心デザイン」に対して「自己中心デザイン」。
② 異分野の専門知識を掛け合わせる事で発想をジャンプさせる
● 革新したい事に対して、異分野の専門知識を掛け合わせる事で、思いもよらなかった発想のジャンプが生まれる。
● 異分野の専門知識要員の人は、自らの知識を簡略的にまとめ提示したら、革新したい事がある人がその知識を見て、自らの専門分野で見立てる。結局は個人作業を行う。アイデアというのは何人かの脳に同時に思い浮かぶことはない。結局最後は誰か一人が思いついている。
● これらを誘発するための組織作りとして「専門性」ではなく「ビジョン」によって組織を分ける方法がある。
読んで思ったことは...
●「デザインの次に来るもの」に近い内容。「デザインの次に来るもの」ではイノベーションは「漸進的イノベーション」と「急進的イノベーション」に分けられ、ユーザー中心主義のようにユーザーに接近しすぎると、その考え方や習慣にとらわれ、改善すべきことなど漸進的イノベーションの種は多く得られても、全く新しい急進的イノベーションの種は得られづらい、と語られている。
また、専門家を集めた「デザイン・ディスコース」によって「モノの意味」を転換して新しい利用方法を提示する、とも語られていて、この本の内容と近い。
● デザイン思考やUXデザインのフレームワークは銀の弾丸ではない。深い知見や洞察力を持つ者がこのフレームを通して、やっとこさ筋の良い「漸進的イノベーション」を実行できるというもの。ましてや「急進的イノベーション」をこのフレームワークに期待してはいけない。