![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105730731/rectangle_large_type_2_a892976d5275b6366cbb23fb4857334b.jpeg?width=1200)
Vol.2-#25 ジャミパパ
若き日のジャミパパはやんちゃな男だった。
広島を舞台に描かれた暴走族マンガ『BADBOYS』に憧れ、ちょうど地元も広島だった事から暴走族に入った。
ブイブイ言わせた16歳、漢を上げるためジャミパパは地元を飛び出した。
「この支配からの卒業。俺はカリスマ美容師になるぜ!」
![](https://assets.st-note.com/img/1684545974685-n2VaUol0kg.jpg?width=1200)
美容師の兄を頼り大阪に出てきたジャミパパは、さっそく難波の引っ掛け橋へ繰り出した。
「まずは女だぜ!」
そこで引っ掛かった女がジャミママである。
なんて単純なストーリー。
◆◇◆◇◆
一回もハサミを握らぬまま美容師の夢は潔く諦め、ジャミパパはジャミママの家に転がり込んだ。
あの曾祖母の家だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1684486285127-gcktrvFi4m.jpg?width=1200)
そしてヒモ状態のままジャミママ妊娠。
![](https://assets.st-note.com/img/1684486400655-WU3GuJmydP.jpg?width=1200)
ジャミママの周囲はザワついた。
ニートの男との間に子供が生まれるなんて。
ここでジャミママの父(ジャミ子からみると祖父・ジャミジジ)が動いた。
ジャミジジは水道関係の現場仕事をしており、職場に顔の利く男だった。
ジジはパパを同じ職場で働かせた。そしてそこには、ジャミ叔父も居た。
![](https://assets.st-note.com/img/1684504711858-ejUs10tk1r.jpg?width=1200)
19歳で父親になり、21歳で2人目が生まれた。31歳でジャミママと離婚してからも水道の仕事は続けた。ジャミママの父と弟は同僚だ。
「昔はブイブイ言わせた俺も30代か。早くに父親になっちまったから青春できなかったぜ。」
飲み屋のカウンターで独りごちてみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1684545101348-PUiqd3rgsZ.jpg?width=1200)
「やだーかわいーー!キティちゃんみたーーい♡」
背中で語っていると、隣で飲んでいたハンギョドンのような女に絡まれた。女はジャミパパの顔がキティちゃんに似ていると言い張る。
へべれけのジャミパパには、そのハンギョドンがジュリアロバーツに見えた。
2人は一夜を共にした。
キラキラ煌めくワンナイトラブ☆
のつもりだった。
◆◇◆◇◆
まさかの着床。
からの妊娠、出産、また妊娠。
ジャミパパはハンギョドンと新たな家庭を築き、2人の子供を儲け、サンリオファミリーの出来上がりである。