Vol.2-#26 よみがえった逃げ師
ジャミママは逃げる準備をしていた。
むかし逃げていた時は衝動的だったが、42歳のジャミママは衝動に駆られた行動が出来なくなっていた。
ベジータと再婚して9年、、、上手くいっていたのは半年くらいだっただろうか。
子供が生まれ、狭い部屋に親子3人暮らし。別室に住むジャミ子が大人になっていくにつれ、ベジータが舐めるようにその尻を見ていたのも知っている。
どんどん綺麗になっていく娘と、どんどん老いていく自分。ジャミママは娘に嫉妬した。
仕事や子育てのストレス発散に、毎晩、記憶がなくなるまでお酒を飲んだ。
もはや記憶をなくしたかったし、現状が辛いし、ずっとレスだし、、、
こんな時はアレだ。
逃げるのだ!
ジャミママはジャミ子にメッセージを送った。
「部屋を見つけたから、家を出ようと思ってるねん。」
物理的に距離が出来た事で、娘(ジャミ子)と何気ない会話も出来るようになっていた。
ジャミ子から返信がきた。
「私も今の彼と別れて、家を出ようと思ってるねん。」
同じではないか!
まったくもって同じ状況ではないか!!
女は共感力が高いと言うが、本当なのだろうか。そのエビデンスは知らんけど、ジャミママはシンパシーを感じた。
シンパシースパイシー。レスだしタイムリー。
ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。
ジャミママは聞いてみた。
「一緒に住む?」
ジャミ子は答えた。
「…うん、よろしく。」
これまで交わる事のなかった2本の糸。縦の糸はわたしで横の糸はあなた。
母と娘(とベジータとの息子)の新生活ではどんなケミストリーが起こるのでしょう。
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