Vol.2-#34 ハネムーン紀行①
チェコは物価が安い?
さぁ、旅に出よう。ヨーロッパに行きたい!
だが時代は円安地獄。ジャミ子は頭を抱えていた。
そんな時、とある噂を耳にした。
「チェコは物価が安い」
円安という向かい風をはね返すパワーワード「物価が安い」。
チェコに行くしかない。
アムステルダムを経由し約19時間。ジャミ子はプラハの空港に降り立った。
「ドブリーデン、プラハ!」(こんにちは、プラハ!)
まずはランチだ。チェコの料理を食べよう。
お腹を満たすべく向かった先は旧市街。若い二人の旅の予算は限られているため、市民会館の中にあるカフェを目指した。
市民が集う会館、それが市民会館。いいじゃないか。
が、現場に着いたジャミ子は膝から崩れ落ちた。
「これが市民会館、、、、?」言葉を失った。
皆さんは「市民会館」と聞くとどのようなイメージを持つだろうか。
なんだか茶の間の延長線上にあるようなほっこりとした空間、地域に根付いた大広間、小学生が合唱コンクールを開催する庶民派ホール、、、
プラハの市民会館はこうだ。
エプロンをつけたままのサザエさんが、おたまを片手にフラッと入れるような場所ではない。入っていいのは、フネだけだ。
カフェに入ると、そこは3階分くらいはあると思わせるほどの高い天井に、豪華絢爛な装飾やシャンデリアがあった。メニューは文字ばっかり。泣きそう。
だがジャミ子は負けなかった。新妻に涙は似合わない。
ガイドブックの写真を見せると、それっぽい料理がサーブされた。
食後はショーケースの中からケーキを選んだ。
大満足の市民会館、おなかイッパイ☆
お会計は1,372チェココルナ。店員は更に電卓を弾いた。
サービス料がプラス10%。計1,509チェココルナ。
ジャミ子がチェコに行った時、1チェココルナ=約7円だった。
日本円にして、10,563円。
むむ…?
誰かが言った。「チェコは物価が安い」
これ誰が言ったの?!
コンビニで1.5リットルの水とプリングルスのショート缶を買ったら、170チェココルナであった。(1,190円)
「チェコは物価が安い」
これは嘘だ。
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