Vol.2-#31 ワンクールの女
ジャミ子は母親との同居生活に終止符を打った。
母との関係性を再構築できると思い、希望を胸に始めた同居生活は絶望に終わった。
振り返ってみるとたったの3ヵ月なのだが、ジャミママと一緒に過ごすのはこれくらいが丁度いい。
そう、それがワンクール(3ヵ月)の女。
逃げるが勝ち。だが、遺恨は残したくない。
酒乱のジャミママは事あるごとに「これまで育ててやったお金お金お金…」と、お金の愚痴を吐いてきた。
そのためジャミ子は手元にあるお金を全て置いてきた。後々になってグチグチ言われるのは面倒だった。
そしてスッカラカンになったジャミ子は新生活をスタート。財布は空っぽだが、心には平穏が訪れた。
思えば一人暮らしをするのは初めてかもしれない。
新しい朝、新しい私におはよう!
ほら、鳥たちはさえずり、すずめはチュンチュン、カラスはカーカー、電話はリンリン♪
ん?電話?
迷ったがスルーした。
するとメッセージがきた。
怖すぎなんですけど。
え、おじいちゃん?!
ジャミママの父、そしてジャミ子の祖父が亡くなった。