Vol.2-#13 岡村ちゃん
再婚、妊娠、引越し、、、目まぐるしい早さで状況は変わっていく。
ジャミ子も気付けば中学生になっていた。
まだまだ自分の環境は自分で選べない年齢である。母親と一緒に曾祖母の家を出た。
だがジャミママはもう、ジャミ子との関係性に、ぼんやりとだが線引きをしていた。
2LDKのマンションの間取りは以下のようなものだった。
新しい家族の邪魔をしてほしくない。
直接的な言葉を投げつけられた事はないが、態度でそのように感じる。ジャミ子も必要な事以外は話さないし、関わらないようになっていった。
そんなある日の出来事。
ジャミ子は地下アイドルの仕事を終え帰宅したものの、なんとなく寝付きが悪かった。
(明日も仕事なのに、、早く寝なきゃ。)
ファンビジネスは全方位に愛嬌をふりまき神経を使う。思った以上に気力体力を消耗するのだ。
だが眠れないジャミ子はテレビを付けた。
テレビでは「久保みねヒャダこじらせナイト」という番組が放送されていた。
観るともなく観ていたジャミ子だが、エンディングが流れた瞬間、衝撃を受けた。
それは岡村靖幸というアーティストのライブ映像だった。
家庭環境でも、アイドル活動をしている環境の中でも、自分の世界が確立しておらずふわふわと生きていたジャミ子。
「世の中にはこんな世界観があるのだ!」
--直感的に虜になった。
音楽が好きな大人が、好きな音楽を好きなように表現し、それをみたファンが熱狂している。そしてキャッチーな楽曲。
自身も舞台でパフォーマンスをするジャミ子だったが、まったく知らない世界だった。
ジャミ子は一睡もできず、気付けば朝になっていた。
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「愛はおしゃれじゃない」岡村靖幸
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https://youtu.be/OhnD_9Am4eY