日本の教育を素晴らしいものに
緊張の面持ちで、教壇に初めて立った14年前。
若い男の先生を見つめる子どもたちのまなざしは、実に輝いていた。だが、当時の私は、それに応えられるだけの授業スキル、子どもと向き合う心構え、人としての器、全てが足りなかった。
少しのボタンの掛け違いから、学級が少しずつ荒れていく。
「先生を信頼できない」「授業が分からない」という声。終わらない仕事。日をまたいで仕事をすることもよくあった。若さだけが武器だった私はなすすべもなくこの教育現場の厳しさの中で打ちのめされたのだった。心と体は限界。精神科を受診して薬をもらったり、秋には救急車で運ばれたりした。それでも人生の大きな挫折を味わったこの1年目を何とか乗り越えた。
それから10年以上の年月が経った。
中堅と呼ばれる世代に入り、若い先生から頼りにされるようになった。我ながらよくここまでやって来たと思う。
ただ、私が初任の頃から、時代は大きく変わった。厳しく指導しようものならハラスメントが叫ばれ、気づいていても言わない・言えない閉塞感。自分に対して注意していただけるありがたさを感じてきた私にとっては、実に歯がゆい現場である。
そんな私が、教育現場を変えるために伝えられることがないだろうかと思って始めたのがこのブログである。忙しい教育現場の中で、うまくいかないきっかけは、意外と些細なところにある。
このブログは、いわゆる「こうするとうまくいく」というHow toだけではない。今までの失敗の詳細を記し、それを今ならどうするか、という視点で書いていく。
人の失敗を見て、気づくことは多いだろう。
これを見て、笑うもよし。
自分の方が上だな、と思うのもよし。
これには気を付けよう、と思うのもよし。
この記事を読んだ方の心に私の思いが少しでも伝わり、日本の教育が素晴らしいものになることを願っている。