術士トーマスにこめた思い
話はロマサガ3というゲームのスーパーファミコン版をやったときまで遡る
実を言うと俺は世代ではなくて、このソフトは年の離れた兄から渡ってきた
当時俺は小学生で、弟とともにロマサガ3を遊んだ
といってもこのゲームは小学生にクリアできるようにはできていない
当時は攻略サイトなんてものはなかった。いやあったのかもしれないが、知らなかった。どうしてもクリアできないゲームは攻略本を買うしかなかった
四魔貴族一体も倒せてないんじゃないだろうか
そもそもロマサガ3のストーリーの目的がわかってなかった
世界をぷらぷらするゲームだと思ってた
魔王殿の奥に行ったこともなかった。「指輪を……」のメッセージの意味がわからなかった。というか普通わからないだろ
とはならん。ならんて
ストーリーの進行がないために、ロマサガ3は純粋に世界を巡るゲームになった
ピドナ、旧市街、ロアーヌ、バンガード、モウゼス、ツヴァイク、ポドールイ、ランス、ユーステルム、ナジュ砂漠、グレートアーチ、アケ、ジャングル、ようせいの村
スーパーファミコンのドット絵であっても、ロマサガ3の世界はなんか美麗だった
当時もうプレステ2なりニンテンドー64なり出てたけど、3Dポリゴン黎明期の変な感じより、美しいドット絵の方がきれいに見えた
そして音楽
ストーリー進行が完全に止まっているのに、それでも無意味に世界を探索できるくらいに、映像と音楽がすばらしかった
小学生の俺が選んだ主人公はもちろんトーマス!
俺にとってロマサガ3=トーマスである
8人主人公がいるとかほざいてるけど、トーマスだけで良くない?
ロマサガ3のタイトル画面もこれトーマスの色でしょ?
河津さんも本当はトーマスだけにしたかったけど、宣伝のために仕方なく7人無理やり追加したんだと思うナア
そんな俺とトーマスの出会いは、なんとなく選んだというだけだった
兄貴がハリード主人公で、たまにミカエル。弟はユリアン一択だった。ロマサガ3は男主人公4、女主人公4の組み合わせで、男子小学生に女主人公使う発想はないので、消去法でトーマスになった
槍使いなのが良かった
今見ても槍はカッコいい
まあ結局武器性能考えると、剣が一番強いのは分かってるんだけど……
小学生時代は無双三段くらいまでしか閃いてなかったなあ
あと術戦士なのもカッコよかった
これもまあ今になって見ると、器用貧乏だから純粋な戦力としては……なんだけど、それはゲーム的な話じゃん
槍使いで術戦士。これがやっぱ好き。同じ理由でシャールも好きだった
やっぱトーマスを象徴するのは、このセリフだと思う
これ、小学生の頃から「かっこいいなあ」とぼんやり思ってたけど、それは今になっても変わらないな
器用貧乏とかいうけどさ、人間として立派なのはトーマスみたいな人間じゃない?
あんまりゲームの中でこういうキャラクターっていない。いたとしても俺の印象に残ってるキャラはいない。というかトーマスも他の主人公選んだ人にとっては、「印象に残らないマジメキャラ」の一角なのかも
でも小学生のときに遊んでたロマサガ3のゲーム性と、トーマスのキャラがマッチして、俺の中で妙に印象に残っていた
ロマサガ3は俺にとって長らくいい思い出でありつつ、全然クリアできなかったゲームというなんか矛盾した存在であり続けた
中学、高校と上がるにつれて、ゲームとは疎遠になった
そんな俺がロマサガ3と再会することになるのは、社会人になってからだった
コロナである
コロナの長い自粛生活の中で、俺は完全に娯楽を失ってしまった
元々活動的な人間ではなかったんだけども、強制的に引きこもり生活させられるのはこたえた
本来の引きこもり生活というのは、外にストレス源があって、家という安全な場所で引きこもることを選択している。しかし引きこもりにさせられるのは、もはや監禁に近いものだ
インドア派だから、家の中の楽しみなんてたくさんあるだろう、と思っていたが、甘かった
全然つらかった
なんやねんマジで
昔は全然一日家にいるとか平気やったやん
なんでコロナのリモートワークで朝から晩まで家いて、夜はウーバーイーツで……みたいな一日がこんなつらいねん
キツいな〜と思っていたところで、Nintendo Switchを買った。2020年。たぶん桃鉄がやりたかったからだと思う
Switch買う前はスマホアプリ版の桃鉄やってたんだけど、これがマジでしょーもなくて、渋谷を買い占めるとIT企業が倍々ゲームで収益伸びるから、さっさと渋谷買い占めたら勝ちみたいなシステムだった。たしか課金しても30年がMAXだった気がする
これはこれでカジュアルにやるんだったらいいけど、俺はこのアプリ版桃鉄を何周も何周もやっていた。それで、せっかく時間使うんだったら、しっかりつくられたゲームをやった方が絶対にいいなと思うようになった
この記事とは全く関係ないが、後にプレイ時間24時間以上かけてこの動画を撮ることになる
そういう事情もあって、Switch買ってやったのは、カジュアルゲームだけだった
桃鉄、ボンバーマン、あとグノーシア
どれも面白かった
そしてその後、2022年になって、ついにロマサガ3に手が伸びる
正直RPGはもうやるべきではない年齢だと思っていた
特に昔のRPGゲームでよくあった、雑魚と何回も戦ってレベル上げするみたいなんって本当に何も残らないじゃないですか
でもロマサガ3はやっぱやりたかった。うん。時間のムダになってもいいから
Switchを買う前から、俺はYouTubeでずっとゲーム実況見ていて、その中でロマサガ3の動画もあった。RTA動画だったり、おやつさんのやつだったり。子供の頃手も足も出なかったゲームだけど、攻略法を知ってしまえばなんてことはない……いやそうでもなかった
なんというか、種明かしをされたら尚更奥深さを感じた。本当につくりこまれている。「よくできたゲーム」という評価がふさわしい。そして完璧主義という感じでもなくて、どこか抜けていて、バランス崩壊する裏技やひどいバグがあったりする
そして術士トーマスという戦略があることを知る
というかそもそも攻略サイトを見ると、俺が子供の頃メインで使ってたトーマスは主人公8人の中で完全なるハズレ扱いだった
つまりは「器用貧乏」。おまけにストーリー的な何かもない。しかし……
そう書かれていた
小学生の頃はもちろん術なんてほとんど使っていない。技ポイントが尽きたときに仕方なく使うぐらいだった
術士トーマスにするためには、主人公の最初の選択を
宿星: 螢惑
得意武器:なし
にするだけ
これで魔力27の作中最強術師が誕生する
長き時を経て、俺は術士トーマスで破壊するものを倒した。このときはまだゲーム実況を投稿しはじめる前だった
俺もだいぶ年をとって、なんかすこしだけトーマスに近づけた気がする
大学出て、職を得て、料理もできるようになったし、投資とかも全然するし
その後なんやかんやあってゲーム実況を投稿することに目覚め、その最初のタイトルにロマサガ3を選ぶことになった
小学生の頃になんとなく選んだだけの主人公だけど、ずいぶん長い付き合いになった
けど出会いのきっかけなんてだいたい運命的であることの方が少なくて、後からふりかえったときにその出会いの意味に気づくってことなのかな
いやめちゃくちゃいいこと書いてるんだけど、記事のオチがないな……
俺はいつも記事を読んだ人に最後にめちゃくちゃ面白いオチをつけることで「ありがとう」に代えてるんですよ
これはもう常にそうで、疑う人は全記事読んでください
そうじゃない記事が一つでもあったら俺にURL送ってください
全然俺はURL受け取るんで
強いオチがあるから、「ありがとうございました」は要らないんですよ。そんなもんなくても、読者が満足するからね。ありがとうございました終わりの記事って全部実力不足なんですよ。俺に言わせればね。強いオチをつけられなかった怠慢を、「読んでくれてありがとう」というお礼をつけることでごまかしてるんです。まあごまかしきれてないけどね。わかる人にはわかるよ。そういう怠慢って。逆にわかる人は俺みたいな本当に読者を満足させてる人の方が評価高いんじゃないかな?
それはそうと……
あっ
この記事の見出し画像の絵描いてて気づいたんですけど、トーマスってずっとドット絵の印象でマント着てると思ってたら、小林智美絵はむしろスーツ?になんか羽織ってる感じだったわ!
てかトーマスが着てるこれスーツなのか……
ありがとうございました
(了)