サガエメストーリー徹底考察
サガエメのストーリーについて、徹底考察します
まず前提
前提ですが、サガエメはプレイヤーの選択によって展開が変わります
なので「ストーリーの真実」的なのがなくて、「その周回におけるストーリーの真実」止まりになります
展開によってラスボスの目的が真逆になるぐらい、展開が変わります
サガエメ、量子力学SFなので、SF界隈でも話題になってほしい。クィススタティアムの目的が二派に分岐していて、
— kemofure (@kemohure) May 15, 2024
「分岐しない一つの世界を作る」(量子力学的重ね合わせ状態のない世界)
「無限に分岐し続ける世界を作る」(量子力学的重ね合わせ状態のある世界)
があるとか、グレッグ・イーガンSFだよね
ちょっとSFに疎いのでこのツイートが何言ってるのかわからないのですが、つまりそういうことみたいです
周回前提につくられたゲームシステムと親和性高いようにシナリオも周回の中で独立したつくりになっています
これ、結果的には良くなかったような気がします
サガエメのストーリー、ぶっちゃけイマイチだなと感じたんですが、その理由が周回を重ねても核心に近づいていってる感じがないところが大きかったと思います
たとえば、安っぽいかもしれませんが、全主人公でクリアすると、最後天界の男が本当の目的を話すみたいなのがあれば、ちょっとカタルシスあったかもしれません
「トゥルーエンドがない」というのは、製作陣は敢えてやってるように思いますし、狙いは理解できるんですが、実際にプレイしてみると、やっぱ肩透かし感が強く、あまり良くないと感じました
天界(連接領域)とワールドについて
17あるワールドが連接領域によってつながれている、というのがサガエメの世界観です
主人公は翠の波動(エメラルド・ビジョン/エメラルド・ビヨンドの力)に導かれて、連接領域からそれぞれのワールドを行き来する訳なんですが、まずこの世界について考えましょう
17ある世界が独立して存在しているように見えますが、ミヤコ市のストーリーから、ミヤコ市と連合国は同じ世界線に存在していることが確認できます
またプロヴィデンスという世界を監視してる世界も存在し、そこから見えるヴィジョンは17のワールドいずれでもない世界もあります
このことから、おそらくワールドは無限に存在して、それぞれの世界は時間も場所もバラバラであるかもしれないし、一致している場合もある
そんな関係であることが予想されます
まあパラレルワールドですね
もしかしたら過去のサガシリーズの世界も無数に存在する世界の一つだったのかもしれません
なので過去作のキャラがチラッといたりするのかなと
御堂綱紀編
御堂綱紀(とミヤコ市)はシナリオ上、最も大事な存在かもしれません
御堂家は表向きは多数の政治家を輩出したミヤコ市の名門一家で、その裏の顔はクグツ使いとして代々ミヤコ市の結界を守ってきた一族です
叔父の御堂忠道が偉い人(内務次官)らしく、どっかで出てくるのかと思いきや、オープニングが終わったら特に登場シーンはありませんでした
綱紀はカテドラル計画に選抜され、連接領域に旅立ちます
カテドラル計画は作中で詳しい説明がなく、なんか政府が調査してることぐらいしかわかりません。オープニングに出てくる女性は連合国から派遣されているっぽい、というのは2周目でわかります(この設定も周回によって違うのかもですが)
「カテドラル」は司教が座る椅子のある大聖堂のことで、こんな感じの建物だそうです
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どことなく雰囲気がプロヴィデンスっぽい気がします
※ここから綱紀編の激しいネタバレになりますので、気をつけてください※
綱紀は天界で生まれた子供で、御堂家の家族はゆーたら偽装家族という関係性です
ただ天界サイドがなぜ綱紀をミヤコ市に送りこんだのかは選択によって分岐します
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これは綱紀2周目のときですが、このときは天界は世界を一つにしようとしています
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一方、これは3周目以降のシーンです
天界の男は「世界を一つにしようとしている勢力」に対抗するために、綱紀を利用しようとしています
ラスボスも全き世界と多様なる楽園のどちらかと戦うことになるんですが、この名前からしても天界は世界を一つにしようとしたり、世界をバラバラに分離したがったりしています
ミヤコ市は特別な世界のようで、結界の力を復活させて、天之岩戸を閉じてしまえば、外界の邪霊の侵入を阻めるっぽいです
ミヤコ市と連合国
ミヤコ市の国と連合国は同じ世界線にあって、日本とアメリカがモデルだと思うんですけど、ちょっとぼかされてます
ミヤコ市の国は過去に戦争をして負けている(綱紀編)
連合国は海峡戦争という戦争を経験している(ボニフォル編)
これがミヤコ市のある国との戦争かどうかは不明
ボーニーが海兵隊時代にグレニル諸島の戦争に従事している(ボニフォル編)
「緑の地獄」と呼ばれるジャングルの過酷な戦争だった
ベトナム戦争的な?
ゲーム中で明らかになった事実をまとめるとこんなところです
アメイヤ・アシュリン編
アメイヤはオープニングで天界の男に魔力を奪われて、その後ヴァッハ神に翠の波動の力を与えられます
アメイヤ編のシナリオを全部やると、天界の男・ヴァッハ神・灰色の魔女のそれぞれの目的がわかります
天界の男: プールクーラに集まる強力な魔力を利用したかった
ヴァッハ神: アメイヤに天界の男の野望を砕いて欲しかった
灰色の魔女: みまもりびとになったアメイヤの力を利用して、プールクーラを支配したかった
こう見るとみんなアメイヤを利用しようとしてる……
灰色の魔女を考える
灰色の魔女の正体は詳しくは描かれませんが、たぶん大魔女・賢者魔女と昔因縁があって、闇堕ちしてしまった魔女だと思われます
アメイヤ編以外でもたびたび主人公の前に現れて、意味ありげなセリフを言ってきます
ちょっと飛躍になるかもしれませんが、灰色の魔女は別次元・別世界でアメイヤが闇堕ちした姿なのではないか?と考えることができるかと思います
アメイヤ、ストーリー選択によっては最強魔力を得て、「私は神を超えた」と高笑いするルートがあります。このルートの末路が灰色の魔女なのかなという気がします
アシュリンという名前も英語で灰(Ash)です
金術のシンボルカラーは白なんですけど、白と灰、つまり正義と悪は紙一重というメッセージなのかもしれません
ディーヴァ編
ディーヴァは禁止楽曲を歌ったことでアヴァロンを去ることになります
ディーヴァ編の天界の男はコンスタンティンで、仲間キャラなんですけど、彼の目的は禁止楽曲を使って全き世界を覚醒させることでした
サガエメの各周回にもし時系列があるとすれば、ここで全き世界を覚醒させたことが他の主人公につながってる……という風にも考えられますね
シウグナス編
シウグナスはヨミを支配する闇の王ですが、オープニングで何者かに襲われて、玉座を追われます
シウグナス編だと天界の男は鎧バージョンで、他の主人公のときとは声も違うし、別人っぽい?
鎧天界の男は「お前のような闇の存在が連接世界にいること自体が間違いなのだ」と語っているので、闇の王の存在を排除したかったというのが狙いみたいです
シウグナスのストーリーは純粋に独立してる感じがします
ボーニーとフォルミナ編
連合国の首都キャピトルシティの女性警官、ボーニーとフォルミナ
オープニングではコンスタンティンっぽい天界の男を追いかけるところからはじまります。追いかけてたらグレートツリーに行くことになり、そこで天界の男はリザードフォートレスに食われて終わります。これがコンスタンティンと同一人物なのかは不明
その後アヴァロンに行って、クィススタティアムと出会います
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ボニフォル編の天界の男ポディションはこのクィススタティアム
ピンク髪の女性版天界の男……というか普通に天界の女ですか
エンディングまでやると、クィススタティアムが実は歴代大統領とつながっていて、お互いの知識・情報を伝え合っていたことが判明します
クィススタティアムが結局どういう組織だったのかはゲーム中だとよくわかりません
「クィススタティアム」というワードも造語っぽくて、はっきりした意味は見出せませんでした。ヨーロッパ系の言語でQuis statiamみたいなのありそうですけど、調べた限りだと見つかりませんでした。「謎の集団」ぐらいのニュアンスでいいのかな
クィススタティアムとデルタベース
クィススタティアム(天界の女)がデルタベースのプラグスーツみたいなやつをずっと着ているの、何も気にしてませんでしたけど、Twitter漁ってたら、デルタベースからクィススタティアムが生まれたという考察がありました
サガエメ、SFとして面白いところの一つは、高次元回廊を通して無数の多元世界に干渉している敵組織クィススタティアムが、科学者集団みたいな感じなんだよね。たぶんデルタベースで研究している量子力学の研究から、連接世界の回廊へと扉を開いた学者達の末裔なんだと思う。ここで面白いのは(続)
— kemofure (@kemohure) May 25, 2024
これ、自分では考え及びませんでしたが、言われてみるとそうだなって気がします
ムリヤリ要素を全部つなげた場合のストーリー
周回ごとのストーリーがそれぞれ独立しているという前提は置いたんですが、ムリヤリつなげちゃうこともできます
デルタベースでの研究によって連接領域への扉が開かれ、クィススタティアムが誕生
ディーヴァがコンスタンティンの策略で禁止楽曲を持ち出し、全き世界/多様なる楽園が解き放たれる
クィススタティアムが連合国とつながりを持つ
ミヤコ市が戦争に負ける
天界から綱紀がミヤコ市に送られ、御堂家が育てる
シウグナスが天界の男(鎧)によって玉座を追われ、奪還
これはストーリーの本筋とは別
ボーニーとフォルミナが連合国とクィススタティアムとの関係を断ち切る
御堂綱紀がミヤコ市の結界を修復し、天界の男(スーツ)を追いかけ、全き世界/多様なる楽園を撃破する
アメイヤが灰色の魔女を撃破し、自分の強大な魔力に飲まれて、ヴァッハ神を倒し、新たな灰色の魔女が誕生
天界の男(スーツ)、天界の男(鎧)、コンスタンティン、天界の女はそれぞれ別目的を持った、全くの別人と解釈しています
多少強引かもしれませんが、こんな風につなげると、壮大なストーリーのような感じがしますね
(了)