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Atomic Heart - Trapped in Limboのストーリー徹底解説&攻略&感想

2024/02/06に、Atomic HeartのDLC #2、「Atomic Heart - Trapped in Limbo」が発売されました。ようやく全クリしたので、ストーリー徹底解説をあげます

本編とDLC #1は下記でストーリー徹底解説を書きました

後述しますが、プレイ時間は20時間ぐらいになりました。

細かいことを見たいのであれば、スキップを活用しつつぜひ配信アーカイブを見てください

でも、DLC第2弾はストーリーというか、マジで全然違うゲームで、なんというか……まあ本当に全然違ったんですよ。

ストーリーの解説はたぶん今まで一番短くなると思うので、攻略と感想も書きます。


ストーリーのつながり

「Trapped in Limbo」(リンボ世界に捕らわれる)という名前通り、本DLCの舞台はリンボ世界です。

販売会社のBeep Japanに、リンボ世界の説明がありまして、集合的無意識らしいです。集合的無意識ってこういうことなんですかね?

リンボとは集合的無意識(人間の無意識の深層に存在する、個人の経験を越えた先天的な構造領域)の世界のことで、そこでは現実のすべてが歪曲している。

https://beep-company.com/trapped-in-limbo/

なんかもうめちゃくちゃになってますが、一応ストーリー的には重要な場面を迎えているみたいです。

というのも、このDLC #2は本編の戦闘エンドとつながっています。つまりサチノフのオフィスで双子と戦闘を終えて、チャールズ(ザハロフ)が究極生命体になった後です。DLC #1の続きではありません。

整理するとこういうことですね。

  • 本編逃亡エンド→DLC #1

  • 本編戦闘エンド→DLC #2

ティアドロップ

このリンボ世界で、P-3は亡き妻のブレスナと再会します。再会、といってもブレスナは「ティアドロップ」という存在になっています。空中に浮かぶポリマーに見えますが、ブレスナの意識が移植されていて、本人曰く「世界ではじめてのリンボ世界の諜報員」だそうです。

ブレスナは妻エカテリーナ(愛称カーチャ)のアルゼンティム部隊でのコードネームです。DLC中ではブレスナと呼ばれることが多いですね。

本編の現実世界でも、たびたびティアドロップはP-3に語りかけて、幻覚扱いされていましたが、アレはちゃんとブレスナが忠告してくれていたものだったそうです。

このリンボ世界で、P-3は自分の深層心理に潜り、その後で精神世界をのぼって出口にたどり着いて、自分の恐怖と向き合って、克服することで、現実世界に戻ることができる、と言われます。

そして、チェロメイのサチノフオフィスに戻り、ブレスナの意識が移植された双子を救出して、リングを見つけ出して欲しい、とお願いされます。

リング、と言ってるのが、本編でP-3が海に捨てたベータコネクターですね。死に設定かと思ってましたが、ちゃんと役目が残っていたようです。でも海に捨てちゃったんで、どうやって回収するんでしょうね?

ゲームとストーリーの対応

Trapped in Limboは戦闘要素はほぼなくなっていて、サーフィン・クライミング・ガチョウレースをやることになります。

一応、

  • サーフィン: 深層心理に潜る

  • クライミング: 精神世界をのぼって出口を目指す

  • ガチョウレース: 自分の恐怖と向き合う

という意味づけになっています。ただプレイヤー的には終始「何やらされてんだこれ……」ではありますが。

サチノフ

ティアドロップとの会話、PEAR端末、チャーパーで、ストーリーの重要情報が結構説明されます。

特にサチノフについての情報が重要だと思いました。

ブレスナの話によると、サチノフは以前にリンボ世界に来たことがあり、そこから様々な発明品のアイディアを持ち帰ったらしいです。リンボ世界は単なる精神世界だと思ってましたが、もっとすごいものらしいです。

サチノフがリンボ世界からおみやげで持ち帰ったのが、鶏の足が生えた小屋で、なぜかジナばあさんの小屋にあります。

P-3が抱っこしてるこれ

リンボ世界から帰還した人間は今のところサチノフとP-3しかいないそうです。

で、本編の戦闘エンドの後にサチノフの遺体が発見されなかった件ですが、ザハロフが究極生命体になった後で、ジェリーマンに吸収させた?みたいです。というかザハロフ自身がジェリーマンになってるのかなあ。ここはちょっと曖昧です……

本編ではデータストレージと呼んでいましたが、このDLCだとジェリーマンと呼ばれる方が多いし、その方がしっくりくるので、ジェリーマンと言っていきます。

ジェリーマン

重要なのは、ジェリーマンが吸収すると、その人格がリンボ世界に飛ばされるという点ですね。モロトフやシュトクハウゼンもリンボ世界にいるかもしれないようです。

リンボ世界はマルチバースな世界らしいので、「もしかしたらP-3がサチノフと戦わずに逃亡して、メンデレーエフコンプレックスのリョグカヤホテルに泊まってる世界もあるかもね」らしいです。

絶望的状況からの反撃?

そんな不可能を可能にするリンボ世界で、P-3は自分の精神と戦い(プレイヤーは操作性の悪いアクアパークと戦い)、現実世界に戻ります。

本編ではヴォスホートに支配されていたP-3ですが、もはやその影響はなくなりました(ブレスナ曰く)。

戻った現実世界は、手術室みたいなところで、手術台に横たわった双子ロボットの片割れがいました。

そして「Now the rings」(さあ、リングを探そう)というセリフとともに、ゲームは終わります。

本編だともう絶望的状況だった気がしますが、リンボ世界の超常現象によって、ザハロフに反撃できるだけでなく、もしかしたら妻のブレスナも救出できるかもしれない……そんな望みを持たせるストーリーでした。

起承転結の「転」の部分なのかもしれません。

残ってる謎

まだDLC #3、#4が出ていないので、ストーリー的な謎は色々と残っています。

個人的に一番謎なのが、サチノフが何考えているかですね。

本編の中でも、悪役なのかそうじゃないのかがよくわからない立ち位置でした。P-3の妻の人格を移植した双子ロボットを自分のボディガードにしてる動機が本気でわからない。

  • 元々ブレスナを女として狙っていた

  • それだけブレスナの戦闘能力が高かった

  • P-3に恨みがあって妻を寝取ることで苦しめたかった?

どれも納得いかないので、やっぱなんか別に目的がある気がしますよね。あと真実を知ってるはずのブレスナがサチノフに命の恩人として感謝してたんで、悪い目的だとあまり思えない気がしてます。

本編の印象だと、正しい意味の「確信犯」(自分の危険思想を純粋に正しいと思ってるタイプの犯罪者)なのかなと思っていて、人類の進歩のためには犠牲が出ても仕方ないと思っている科学者なのかと思ってたんですが、それも違いそうです。

サチノフの不可解な行動は他にもあって、チャールズをP-3に託したのも謎です。コレクティブ2.0の実施をやりたがってるのも謎。

あとはリンボ世界から、サチノフとP-3だけ戻って来れたのも謎です。アカデミー・オブ・コンセクエンス(コンセクエンスアカデミー)でリンボ世界に入った人はみんな戻れてなかったけど、あれは意思が弱かったってこと?

あとこれはすごい細かいことですが、DLC #2のオープニングでP-3に手を差し伸べてきた双子はジャケットありの方で、エンディングで横たわってた双子はノージャケットの方で、この役割分担がよくわかんないんですよね。

本編のラストバトルで、サチノフは「手術は複雑で、ブレスナの人格は双子のどっちかにあるわけじゃない」みたいな説明をしていた気がするので、双子を両方救出しないとダメなんじゃない?と思ったり。

いやでもそれも「双子の両方に人格が偏在してる」みたいな意味じゃないのかな。ブレスナ自身はティアドロップになって、思念体みたいになってるから、それが本体なのかな?

あとベータコネクターがストーリー上意味あることが判明したので、ガンマコネクター(サチノフが信頼する科学者に渡したらしい)もなんか今後意味あったりするんですかね。

DLC #3を待ちましょう。

攻略

ストーリー徹底解説部分、短くなる想定でしたが、まあまあ長いですね。でも攻略と感想も書かせてください。

普段は攻略書かないんですが、このDLCはちょっと書いてあげた方がいいなという気がしまして……

Trapped in Limboですが、5つステージがあります。

  • サーフィン 1st

  • サーフィン 2nd

  • クライミング 1st

  • クライミング 2nd

  • ガチョウレース

ちなみに僕の動画だとサーフィンは「スベりステージ」、クライミングは「のぼりステージ」と呼んでます。

ゲームがはじまると、サーフィン 1stから開始で、クリアするとステージ選択に行けます。その時点ではガチョウレースとクライミング 2ndはロックされてると思います。クライミング 1stのクリアで、ロックが開放されます。

サーフィン 1st→クライミング 1st→ガチョウレースだけやれば、リンボ世界から脱出することができます。

俺はこれ知らなくて、2ndステージも全部やらないとエンディングいけないと思ってたので非常に苦しみました。

特にサーフィン 2ndが難しいです。25%地点のすべり台が飛び飛びで配置されてるところで本気で2時間溶かしました。

トラウマ

サーフィンステージで大事なのは「角度をつけて高く飛ぶこと」です。

最初に出てくるこの操作説明画面がマジで大事です。

高く飛んで、地形を見極めて、ゆっくり調整しておりていきましょう。対空状態の落下角度はだいぶ柔軟に調整ができます。ちょうどいい高さでジャンプを狙うとかえって難しいです。

デザイン的に、すべり台のヘリのところ(ピンク色にコーディングされてるところ)で飛びたくなりますが、経験上ヘリで飛ぶと失速することが多いです。

クライミングステージは本編のパルクールアクションとそんなに変わらないので、なんとかなると思います。

ガチョウレースは……まあがんばってください。

あと取得したリンゴで、DLC中の武器やアビリティが開放されていきます。コインで交換できる武器はDLC内で使えるものではないので気をつけてください。コインは本編の武器で使えるスキンです。

あ、あと、ゲーム内の難易度を変えても、サーフィンやクライミングの難易度は変わってなさそうです。難易度選択は戦闘のダメージとかだけっぽいです。トゲが減るとかあったら良かったんですけど。

感想

Atomic Heartの本編は、総合的には70点のゲームかなと思うんですが、その内訳って

  • アートワーク 80点

  • ストーリー・キャラクター 70点

  • ゲーム性 60点

くらいだと思うんですよ。これを合算して、トータル70点。アートワークの良さでゲタを履いてる。

Trapped in Limboは、これが更に極端になったな、というのが感想です。アートワーク90点で、ゲーム性50点ぐらいの感覚です。

アートワークは本当に最高です。リンボ世界のサイケデリックな色彩。センスのいい音楽。芸術を楽しむためにあんまり面白くないゲームをやる、という感じかもしれません。

ただゲーム部分も手抜きとかではなくて、こういうゲーム好きな人ならアリなのかあ……?と思ったりもします。他の配信者見てたら、楽しんでやってる人もいたし。でもAtomic Heartに望んでるゲーム性ではないのは事実じゃないですかね。

ストーリーの展開的に、今後のDLCでは双子と共闘する未来もあるのかなと思うので、そうなったらアツいかもしれませんね。妻の人格を取り戻した双子とともに究極生命体になったチャールズ(ザハロフ)と戦う展開。

相変わらず「こういう路線ならもっと面白いゲームあるよ」と言われたら反論できないんですけど、それでも唯一無二のアートワークは健在なので、つまんないとか面白いとかじゃなくて、特別な時間を過ごせた気はします。

(了)

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