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30周年超えてなお尖り続けるサガエメのクリアレビュー
サガの完全新作、「サガ エメラルド ビヨンド」
綱紀で5周して、やっと真のラスボスっぽい奴を倒しました。ちょっと調べた感じ、真のラスボスの裏ボスがいるらしく、まだまだこれからってトコみたい
1周が10時間ぐらい(プレイ遅め)なんで、概算でトータル50時間ぐらい?
このゲーム、何をもってクリアと呼んでいいのかが難しいんですが、それでもクリアレビューと言わせてください!
サガエメのクリアレビューを書きます
※前提として、俺はロマサガ3→ミンサガ→ロマサガ2はやっているけれど、他のサガシリーズはやってません。特にサガスカを履修してるかどうかで印象は大きく変わるかと
評価
サガエメ、これバトルを楽しくするために最適化されたRPGゲームです
他の要素はバッサリ削ぎ落とされています
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たとえばストーリーパートは紙芝居形式で進んでいきます。これ最初だいぶ戸惑いました
ディレクターの河津さんのインタビューとネット記事いくつか見たんですが、本人も「RPGゲームで一番大事な要素はバトル」と発言しているので、そういう思想でつくられているのは間違いないと思います
たぶんね、サガエメのバトルって、Fortniteとかバイオとかのアクションゲームのバトルと同じくらい興奮度高いものにしようとしてるんだと思うんですよね
バトルシステムについては後述しますが、結局このバトルシステムにハマれるかハマれないかが全てだと思います
観測しているプレイヤーも、「俺は楽しいけど、他人がやって楽しいかは保証できん」という意見が多くて、俺も完全に同じ意見です
まず悪いところ
基本的には誉める記事になるので、先に当然批判されるだろうな、という点を列挙します
バトルシステムが難し過ぎる
ストーリーが紙芝居方式
ストーリーの内容も独特のテンションでついて行きづらい
キャラクターが感情移入しづらい
絵柄があんまり好きじゃない
敵キャラのグラフィックの使い回しが多い
仲間が自由に選べなくて、過去作より選択の自由が下がってる感じがする(綱紀編だけかも)
トレード要素がダルすぎる
せんせいの試練・修行要素もダルい
トレードもせんせいもダルいんだけど、武器強化のためには結局やらなきゃいけないからダルい
謎すぎるリトグラム要素(パズル)。これはマジで何?
前作にはあったらしい戦闘の倍速機能がなくなった
ワールドによってはだいぶ単調作業になる
機種によってはスペックが足らず動作が安定しない
いや多いな!
他のレビューを参考にして批判的意見をまとめました
俺は「楽しめた側の人間」なのですが、それでもこれらの批判点は間違ってないと感じます
Steamのレビューも賛否両論となっていて、面白いのは「否」の方に長年のサガファンの人がそこそこいるんですよね
合う人、合わない人がはっきりしてるゲームで、歴代サガシリーズへの愛着はあんまり関係なさそうです
バトルシステム
それじゃ、バトルシステムの話しましょか
サガスカの最大の面白さであり、ハマれなかった人にとっては最大の問題点かもしれません
タイムラインバトルという方式になっています
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12マスのタイムライン上に敵味方キャラクターが並んで、左から順に行動します
これがこのゲームの基本にして、めちゃくちゃ大事なルールです
キャラの素早さ・使う技によって位置は変わります
味方同士が並ぶと連携が発生して、連携率によってはオーバードライブという2回行動が発生します!
この連携がめちゃくちゃ強力なので、このゲームは連携ゲーです
ただ相手も同じように連携してくるので、自分たちの連携はつなげつつ、相手の連携は切らなければなりません
更には悪臭という状態異常まであって、これがついたキャラは連携できません。ガード中や術詠唱中のキャラも同様
更に更に独壇場というシステムがあって、前後2マスにキャラがいないときに発動して、セルフ連携みたいなことをします
これが逆転要素としてめちゃくちゃアツく機能します!!
更に更に更にリザーブ技という特殊な技があって、これを使うと相手の連携を切って、しかも大ダメージを与えることができます!!!
更に更に更に更にリザーブ解除という効果を持った技を使うと相手のリザーブ技が解除できて……あれついてきてますか?
これでもまだサガエメのシステムの全体像の一割も語ってませんが、ちょっとこの記事でシステムの説明全部すると長すぎるのでこの辺にしておきます
タイムラインバトルって面白いの?
ロマサガからミンサガをはじめてやったときもバトルシステムの変化には相当面食らったんですが、ミンサガからサガエメも同じ感覚でした
レビュー見ると、「ロマサガorミンサガのシステムが良かった」という声もチラチラ見ます
俺もサガエメはじめたときは正直「なんでこんなシステムにしたのかなあ」という感じでした
しかしこのタイムラインバトル、理解(わか)ってくるとめちゃくちゃ奥深くて、面白いです
RPGゲームのバトルというものの本質を突き詰めていくと、こうなるのかなと思いました
感覚としてはカードゲームのそれに近いかもしれません
特にリザーブ技は遊戯王のトラップカードの感覚
フィールドにカードを裏返しでセットして、条件が整ったら「罠(トラップ)カード発動!」みたいなアレ
あの、ここで自分、本質の話してもいいすか?
ゲームの面白さの本質というのは、「ランダム性と戦略性」にあると思うんですよ
たとえば超ロングセラーゲームの「じゃんけん」
あれは相手が出す手が3つのうちからランダムで選ばれ、それに対して何を出すかのゲーム
じゃんけんもまあ面白いですけど、アレで一時間潰せるかっていうと厳しいですよね
それはゲームの勝敗が完全なる運に依存するからです
相手との心理戦はあるけれど、でも運じゃないですか
RPGゲームも、本質は乱数によるランダム性で、ゲーム性が生まれています
ただ本気でランダムだったら、めちゃくちゃつまらんゲームになりますし、かといって毎回全く同じ値が出るようなゲームも面白くない
一番面白いのは、一見ランダムに見えるけれども裏に法則性があって、それを上手く読んで戦略を立てるゲームです
だからこそ、麻雀やトランプは一時間以上時間が潰せるわけです
サガエメのタイムラインバトルは、戦略の重要性を極限まで高めています
なにせ行動前に相手の攻撃が全部表示されるので
ただ相手のリザーブ技は???で隠されるので、その読み合いもまた戦略性を高めます
その意味でもやはり戦略性の高いカードゲームと、サガエメのバトルの楽しさは似ています
RPGという旬が過ぎたジャンルの進化系
RPGゲームの全盛期がいつだったのかわかりません。ドラクエ3?FF7?
ただRPGは家庭用ゲームが普及してからずっとあるジャンルで、色んなゲームタイトルが色んな新規要素を模索した結果、「やり尽くされた」ジャンルなのかと思います
特にアクションゲームの進化というのはこの10年、20年でめざましく、RPGゲームのつくり手であっても、それは無視できなくなっているでしょう
面白いことに、同じスクエニの老舗シリーズでも、FF7のリメイクとサガエメではRPGゲームのバトルへのアプローチが真逆だということです
FF7Rは、アクション中にコマンドを選択して技・術を出すという、アクションゲームとRPGの融合みたいなシステムを取りました
サガエメは真逆のアプローチ
完全ターン制バトルで、タイムラインバトル
タイムラインで誰から行動するかわかるから、かつてのRPGのように「誰が先手取るんだ?」みたいなドキドキ感もありません
ただ止まったときの中で、最適な行動を選択して、戦略を組み立てるだけ
ただサガエメというゲームシステムは、プレイヤーが考えれば考えただけ、答えてくれるシステムにもなっています
明らかに格上で惨敗した相手でも、ちゃんと相手の行動を分析して、仲間や装備を組み替えて、ちゃんと戦略立てて選べば勝てることがあります
あ、そして書き忘れてましたが、サガエメ、HPの回復手段がありません
ミンサガの戦闘ってサルーイン戦とかだと普通に一戦で一時間行くときあった気がしますけど、サガエメではそんな長期戦になりません
なので単に時代に逆行した、アクション要素ガン無視のバトルシステムという訳ではなくて、戦闘の短時間化など、時代のトレンドは見た上で、こういうシステムにしてるんですよね
で、きっちり賛否両論になってる
サガシリーズは30周年を超えたロングシリーズなんですが、ゲームシステムは安定とは程遠く、今なお尖っています
終わりに
ゲームレビューというよりかは、俺がサガエメをプレイして感じたバトルシステムの奥深さを延々書くnoteになっちゃいましたが、終わりです
最後にサガエメの実況動画も投稿しているので、良かったら見てください
パート1のときはひたすら「なんだこれ」って言ってますが、段々理解(わか)っていく過程が見られるかと思います
あとなんか最近気づいたんですけど、俺は非の打ち所がない神ゲーとして大絶賛されてるゲームタイトルより、賛否両論にわかれてるけど俺は支持するで!みたいなゲームの方が好きかもです
(了)