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強迫性障害になってしまった話
皆さんこんばんは。
今回は私の強迫性障害についてのお話です。
先日の統合失調症のお話の中でも、強迫性障害については別の機会に書く旨をお伝えしていましたからね。
発症してから現在までの状況について、順を追ってお話ししていきたいと思います。
強迫性障害とは?
が、その前に強迫性障害についてよく知らないという方もいらっしゃるかもしれませんので、例によってこの病気の概要に触れておきます。
強迫症(強迫性障害)は、自分にとって無意味ないし不合理と判断される考えや行動を制御できなくなるという症状を特徴とする疾患で、患者さんは症状により強い苦痛を感じ、日常生活にも支障を来たすようになります。
強迫性障害は、今は「強迫症」とも呼ばれているようで、引用にある通り「自分にとって無意味ないし不合理と判断される考えや行動を制御できなくなるという症状」が現れる疾患であることが分かります。
具体的な症状としては、「強迫観念」と「強迫行為」の2つがあります。
強迫症には強迫観念と強迫行為の2つの症状があります。強迫観念は繰り返し頭の中に浮かんでくる考えで、それが無意味、不合理であると分かっていても無視することができずに強い不安、不快感を引き起こします。強迫行為は、強迫観念による不安や恐怖、不快感を軽くしようとする目的で繰り返し行われる行為です。強迫行為によって不安は一時的に軽減しますが、結果的に不安の対象をより脅威に感じることとなり、やり過ぎていると自覚しつつも、さらに強迫行為を繰り返し、止められなくなるという悪循環に陥ります。
強迫観念の例としては、自分の手が汚れていたり細菌に汚染されたりしていないか恐怖を感じる(不潔恐怖)、誰かに危害を加えたかもしれないと不安になる(加害恐怖)、戸締りをちゃんとしたか・ガスの元栓を閉めたかどうかなどが気になる、といった症状が挙げられます。
そして強迫行為とは、前述の強迫観念からくる不安にかきたてられて行ってしまう行為のことを指します。
たとえば、手を何度も洗ったり長時間洗わないと気が済まない、誰かに危害を加えていないか周囲に確かめたりする、戸締りやガスの元栓を何度も確認する、といった例が挙げられるでしょう。
他にも、決まった手順で物事を行わないと気が済まなかったり、特定の数字に異常にこだわったりといった症状があります。
これらによって日常生活に支障を来たしてしまうのが、強迫性障害の特徴です。
症状の出始めから最も酷くなった時まで
私の強迫性障害の症状が出始めたのは、2019~2020年頃だったと記憶しています。
ただ、それよりもずっと前から妙に些細な事を気にすることがあり、親からも指摘されたりしていたので、発症の兆しはもっと早い段階で出ていたのかもしれません。
話を戻して、出始めの頃の症状としては、寝る前に家中の戸締りをしたかどうかが心配になる、水を使った後蛇口をきちんと閉めたかどうかが気になる、ごみを捨てる際何か大事な物を捨ててしまっていないか不安になるといった強迫観念があり、何度もそれらを確認するといった強迫行為をするようになっていきました。
まさに、強迫性障害の典型的な症状ですね。
それに加えて、私が所持・使用しているPCやスマホ等の電子機器のことを異様に気にするという症状がありました。
例えば、私のPCが知らない間にウイルス等に感染して遠隔操作などをされていて悪いことに使われているんじゃないか、スマホの連絡先に登録されている人にスマホが勝手に何らかのアクションを起こしていて迷惑をかけているんじゃないか、といったようなことを心配していました。
そして、電子機器におけるそれらの心配と関係がありそうな画面を何度も表示しては消してまた表示する・・・といった行為を延々と繰り返していました。
この部分をこうして改めて書いてみると、どうも通常はそうそうあり得ないようなことを心配しているので、若干強迫観念の中に統合失調症の妄想が混ざっているような気もしますね。
だとすると、「統合失調症の妄想に基づいた強迫観念から来る強迫行為をしている」という地獄のような状態になっているわけですが、どうなんでしょうね・・・?
いずれにせよ症状は酷くなる一方で、当時はまさに「地獄」と表現してもおかしくはないほど精神的に追い詰められていたのは確かです。
PCやスマホという普段家で頻繁に使っているものが症状に関わっていたので、自宅にいる時は常にそれらが心配の元になっていましたし、そんな中で誰かから連絡があったりしようものなら、さらに別の強迫観念を引き起こしたりしてただただ恐怖でした。
外出したらしたで、移動中は常に何かを落としたのではないかと心配になったり、訪れた場所から帰る際には忘れ物をしていないかを異常に気にするといった症状が出ていたので、気の休まる時がほとんどありませんでした。
とにかく、認識できるあらゆるものが症状のトリガーになりかねなかったので、通院する日以外は自室に引きこもってずっと横になっていることが多かったです。
ここまで症状が酷くなったのは2020年の春頃だったのですが、先の統合失調症の話では、2020年の夏頃にA型事業所に通所するようになってその1年と少し経った後に強迫性障害の症状が出るようになった旨を書きました。
あの文面ではその時に初めて強迫性障害になったかのような書き方になってしまいましたが、実際は上述のように事業所に行き始める前(=2020年の春頃まで)に症状が出たのが初めてです。
つまり、
2019~2020年頃に症状が出始めて2020年の春頃に一番酷くなる
↓
症状が回復して2020年の夏頃にはA型事業所に通い始める
↓
その1年と少し後に再び強迫性障害の症状が出るようになって事業所を退所する
といった順番です。
あちらであんな書き方をしてしまったせいでややこしくなり、申し訳ありません・・・
症状が軽快してA型事業所に通所するまで
上記のような酷い状態になってからは、通院の回数を増やしつつ薬を変更したりして何とか症状を抑えようと試みました。
結果、一応はその時の私に合った薬が見つかり、少しずつ調子は良くなっていきました。
もちろん症状が完全に消え去ることはなく、各種の強迫行為は相変わらず続いていましたが、以前ほど過剰ではなくなり、少なくとも常に恐怖を感じているような状態からは脱しました。
体調に余裕が出てくると、当時はやはり少しでも働かなければという気持ちもあったので、その年の初夏頃から仕事を探し始めました。
と言っても、いきなりフルタイムというのは厳しかったので、障害者雇用のパートかA型事業所に絞って求人を探していました。
すると、まだ開所して間もないものの私の希望に合った条件で働けそうなA型事業所の求人を見つけたので、すぐにハローワークに向かいました。
ただいきなり応募することはせず、まずはハローワークの職員さんを通じて見学を申し込み、見学の後こちらがその事業所に行きたいと思ったなら面接を受けるという形になりました。
見学の際は、事業所を運営する会社の社長さんと事業所のサービス管理責任者の方が対応してくれたのですが、どうも私はその社長さんから気に入られたようで、向こうが既に採用する気満々というのが伝わってきました(笑)
私も見学の後改めてそこに行きたいと思ったので、後日面接を受け、案の定すぐに採用となりました。
A型事業所への通所を始めてから辞めるまで
その事業所では、私の希望で週に4日の勤務にしてもらい、当時はコロナ禍ということもあって在宅勤務の日が多かったです。
なお、詳しい仕事内容は伏せますが、PCを使った業務がメインでした。
在宅勤務は私は初めての経験だったのでちゃんとやれるか心配でしたが、思いの外自宅でも集中して業務を行うことができ、悪くないなと思いました(当時服用していた薬の影響で眠たい時もありましたが)。
症状についても、上で述べた症状は続いていましたが、生活や仕事に大きな影響は出ない範囲に留まっていたので、何とか仕事を続けることができました。
ところが残念なことに、通所を開始してから1年と数ヶ月経った頃、また症状がぶり返すようになったのです。
業務中でも強迫観念が出て強迫行為をするようになり、とうとう仕事に支障を来たすようになってしまいました。
しばらく様子を見ても症状が落ち着かなかったため、事業所の方に申し出て止む無く休職することになりました。
休職してからは、普段の投薬治療に加えて専門の方のカウンセリングを受けるようにもしたのですが、残念ながら症状は落ち着きませんでした。
結果、約2ヶ月の休職の後退職することになりました。
せっかく自分に合う良い事業所に入れて、(症状が再度出る時までは)欠席等もなく通えていたので本当に残念ではありましたが、この状態で通所を続けても却って迷惑をかけることになると思い、断腸の思いで事業所を辞めました。
そして現在
退職してからはまた薬を変えながら治療を続けていたのですが、強迫性障害に対して一般的に使われる薬がその時の私にはほとんど効かなかったので、作用の強い古いタイプの薬に変更しました。
すると、その薬は今までにないくらい私の症状に効いてくれ、再度酷い状態になるのは回避されました。
とは言っても、相変わらず戸締りや蛇口は気になるし、外出した時は忘れ物や落とし物の心配が絶えず、ごみも入念にチェックし、しかも確認の際はある特定の決まった動作をしなくてはならないなど、今も症状は少なからずあります(ちなみに電子機器の症状はほとんどなくなりました)。
ただ以前のように精神的に追い詰められたような状態になることはなく(症状に慣れたというのもあるかもしれませんが)、辛うじて症状と付き合いながら日常生活を送っているという感じです。
なお、途中で薬の話をしましたが、私は本当にこれまで薬を何度も変更してきているので、今後は私の経験した副作用なども含めて、機会があれば薬に焦点を当てた内容を書くかもしれません。
といった感じで、以上が私の強迫性障害の経験談でした。
統合失調症の話でも書いたように、私の強迫性障害の症状については、「統合失調症の症状がより軽い形になって出てくるようになった」と主治医やカウンセリングを受けていた臨床心理士の方から言われました。
これが本当なら、私の強迫性障害の症状は統合失調症の一部と考えられるのではないでしょうか?
正確なところは分かりませんが、現在は統合失調症に対する薬(抗精神病薬)と強迫性障害に対する薬を両方服用して、何とか今の日常生活を維持しているので、当分の間は今の服薬を続けることになるでしょう。
今後調子がどうなっていくかは分かりませんが、もう少し状態が良くなったらこれからのことも改めて考えようと思っています。
今回もまた長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただいてありがとうございました。