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フリークス(怪物團)〜ネタバレせざるを得ないレビュー

アマプラに登録した当初から観たいと思っていた1932年公開のホラー作品(64分)
随分後回しになって、キャンセルカルチャー全盛の時に触れたのは偶然なのか必然なのか…

異形の面々を擁する見世物小屋(サーカス)を舞台に繰り広げられる人間模様
設定・ストーリーは単純明快で共感し易い
例えれば、グリム童話の原本に頻出するグロテスクな復讐譚というところか

作風がファンタジックということもあって、特別なメッセージ性は感じられず不快感も無い
復讐決行時のカメラワークはおどろおどろしさ満点で、今作がホラーであることを瞬時に思い出させてくれる
まるでディズニーアニメと必殺シリーズを同時に鑑賞しているような感覚…って何を言ってるのか自分でも分からない

物語の軸を成す2組のカップルが実にチャーミング
対する心悪しき2人もステレオタイプ乍ら上手く描かれている
個人的には“ピエロ”がニュートラルな心を持つ情熱家に描かれているのがとても嬉しかった(お気持ち満足度100%
異形の面々が実に魅力的に役割をこなしていることも「観てよかった」と思える大事な要素
復讐に向かう皆さんの眼光にドキドキが止まらない(エンタメへの昇華率100%

この作品が世界に衝撃を与え、国によっては長期間公開禁止の措置を取られ、監督の以後の活動に支障をきたしたことがとても信じられない程の鑑賞後の清々しさよ
ふと「ブリキの太鼓」(1979年)に対する寛容な対応を思い出し、表現の自由は常に時代に左右されるものなのだとつくづく考えさせられる
キャンセルカルチャーに沸く現状でも今作がサブスクで鑑賞出来ることは幸甚だ