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BEST LIVE OF 2024

2024年も終わりという事で、色々な部門(映画・アルバム・ライブ)における今年のベストを決めていきたいと思います。
今回は、「ライブ部門」での個人的ベストを決めていきたい思います。
それではいきましょう!。


はじめに

まずはじめに、2024年に参加したライブをまとめてみようと思います。

邦楽洋楽・年代・ジャンルの全てがごちゃごちゃの統一性皆無、節操なく行きたいライブは全て行くことを目標に毎年過ごしてますが今年もなかなかやれたと思います笑。
数万人規模のものから数百人規模のものまで、往年の大御所から期待の若手まで、ロック・ポップ・ダンスと、ここまでジャンルレスに参加する人も珍しいんじゃないでしょうか?笑。

それでは今年参加した合計24公演(フェスなどもあるのでアーティストの数はもっといます)のうち、個人的 TOP10 を選んでみたいと思います。

第10位:ED SHEERAN

1/27・京セラドーム

‟進化した職人芸”

Shape of You もとい「÷」が中学生のころに出て以降、彼の曲は常に青春のとなりにありました。そんな彼を初めて見たのは2019年の DIVIDE TOUR 。ドームに用意された巨大なセットの上にはただ一人、アコギ1本でドームスケールの音が繰り出すそのパフォーマンスを今でも覚えています。
そこから約4年半ぶりとなった今回の来日公演、去年と同じく京セラドームで来日でチケットは早々に完売で追加公演が決まるほど。洋楽不振の時代にその圧倒的人気っぷりを見せつけました。

今回のツアータイトル「+−=÷× TOUR」からもわかるように、これまでのキャリアの総括のようなセットリストでまさにベストヒット・ライブ
さらに前回から変わらない彼のパフォーマンスは、ギター1本とループペダルを駆使した独特のライブ・スタイル。今回はバンドパートといった新たなスタイルも見せましたが、基本的には彼が1からサウンドを構築していくまさに職人芸。どの曲も原曲とは違った色を見せここでしか味わえない特別なものへ、そして観客すらもサウンドの1つに加えてしまう彼のライブ力は、前回の来日よりもさらに磨きがかかっていました。

1/27・京セラドーム

そもそも曲を持ちすぎなんですよね笑。
Shape of You は言うまでもなく、さらに The A TeamThinking out LoudPerfectBad Habits などなど、どのアルバムにも特大ヒットがあり ‟待ってました” が多すぎて何をやっても盛り上がる笑。
さらに Love Yourself のセルフカバーまで披露するなど今世紀最大のヒットメイカーっぷりを如何なく見せつけてきます。

間違いなく世界トップクラス、もはや上澄みのアーティストなんだと改めて再確認した、そんなライブでしたね。

最高の瞬間:Thinking out Loud の大合唱


9位:SUM 41

3/23・インテックス大阪

‟ありがとう、そして さようなら”

2023年の5月、彼らの27年のキャリアに幕を下ろすことが発表されました。
最後となる来日公演は PUNKSPRING でのヘッドライナーを皮切りに、北海道・神奈川・愛知・広島・福岡・大阪と6都市を回るまさかの全国行御
そんな全国ツアーのラストを飾ったのがインテックス大阪での大阪公演。
正真正銘、日本でのラスト・ライブをこの目に焼き付けてきました。

花冷えNECK DEEP と熱い前座を経て、満を持して現れたと思いきやいなや MotivationThe Hell Songエンジン全開フルスロットル、勿論それは観客も同じで観客の熱狂度だけ見るなら今年のライブで1、2を争うレベルでしたね。手で覆われる視界、止まらないダイバーたち、毎曲でシンガロングと狂気的な盛り上がりでこのバンドがいかに愛されているかが分かります。

前半のハイライトは Underclass Hero での大合唱。‟歌って” が失敗しがちな日本でここまで完璧に返せたのは初めてかもしれないです。
そこから後半にかけて、発表直前の新作「Heven :x: Hell」から最新のバンドサウンドを披露しつつ、これまでのキャリアにおけるヒット曲の全てを惜しみなく披露。なかでも終盤、ロックアンセムのカバーから始まった怒涛のラストスパートはまさに圧巻。PiecesFat LipStill WaitingIn Too Deep と生かして帰さないと言わんばかりの鬼のセトリ、盛り上がりすぎて観客10万くらいいるんじゃないかと思うほどでした笑。

3/23・インテックス大阪

何の衰えも感じさせない、圧倒的な熱量で走り抜けたパンク・ロックバンドとして100点満点のライブ。こんなにも熱いバンドが解散なんてにわかには信じられません。終演後ずっと鳴りやまない Sum 41 コール、そこにいた誰もがこれで最後なんて考えたくなかったでしょう。
ただそれでも、日本最後のステージがここ大阪でさらには、奇跡のような最高の大団円を迎えれたことは一生忘れません。ありがとう Sum 41

最高の瞬間:Underclass Hero での大合唱 / In Too Deep での大団円


第8位:BRING ME THE HORIZON

8/17・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

‟新時代の幕開け”

サマソニ2024のヘッドライナーの一角として彼らが発表されたとき、本当に務まるのかと懐疑的な意見も見られました。正直言うと自分もそうでした。
そんな不安も彼らの圧倒的火力の前では一瞬で吹き飛ばされましたね。

2009年・2019年とサマソニにはこれまで2回出演、また去年行われたBMTH キュレーションによる NEX_FEST が大好評を得たうえで、遂にサマソニのメインステージを任された彼ら。そしてその期待を軽々と越えてきました。
フロントマン Oliver Sykes のボーカルは安定のクオリティ、癖のある声に加えシャウトでもぶれない安定感でライブの舵をきります。バンドの演奏もハイレベルで、原曲のサウンドは損なわずにスケールアップさせることで、巨大なステージを完全にものにしてました。
演出面もかなりの仕上がりで、NEX_FEST でも見せた POST HUMAN の世界観をサマソニのメインステージで再構築することで、前回とは比べものにならないスケール感でライブの没入感を底上げします。
ライブ中盤で披露した Antivist では観客の1人をボーカルとしてステージに上げスクリーンにはカラオケ風の演出を映すなど、エンタメ性にとんだ演出もかかしません。

そして何より、これだけのパフォーマンス・演出を見せられて観客が黙っているわけがありません笑。
常に巻き起こるシンガロングにどこかしで発生するモッシュピットダイバーの数も尋常じゃありません。サマソニ大阪にはもう10年近く通っていますが、これほどまでに狂気的な盛り上がりを体験したのは今回が初めてです。アーティストとオーディエンスの両方が同じ空間で1つのライブを作り上げていく、こうゆう体験が出来るライブも珍しいです。

8/17・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

今回のBMTHのライブは、サマソニの歴史に新たな1ページを刻んだうえで新しいヘッドライナー像を提示した、まさに ‟新時代の幕開け” を予感させるものでした。
まだまだ全盛期のなかにいるであろう彼らの今後が非常に気になります。

最高の瞬間:Lost での発狂 / Throne のクライマックス


第7位:OLIVIA DEAN

8/17・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

‟幸せの風を呼ぶディーバ”

サマソニ大阪の1日目、大トリを務めた BMTH のライブも素晴らしかったですが、この日1番の感動と興奮をくれたのは、イギリスのネオ・ソウルシンガー Olivia Dean でした。

ソウルR&Bを基盤にした歌って踊れる最高のグルーブに自然と口角があがります。動員が良かったとは言えませんが観客の雰囲気はとても良く、アットホームで穏やか、それでいてしっかり興奮も感じられました。
そもそもサマソニ大阪の SONIC STAGE太陽の塔の真裏とかいう面白すぎる立地で、そこに沈みゆく太陽も合わさって彼女の歌声を聞くには完璧すぎる環境でしたね。新曲 Time では壮大な曲調も相まって太陽の塔まで風が吹き抜けたかのようで、屋外会場だからこその気持ちよさを感じましたね。

ギター・ベース・ドラム・キーボードに加え3人のホーン隊と豪勢なバンド部隊を連れてきてのライブでしたがそのバンドサウンドは素晴らしく、彼女の力強くも透き通る歌声を引き立てるだけでなく、バンド単体でも上質なグルーブを発揮します。Ladies Room でのバンドセッションで観客の心を掴むと、そこからの Reason To Stay でグルーヴを加速させると観客も呼応するように大歓声で応えます。ラスト Dive でのソロを交えながらの大団円まであっという間の45分間。サマソニ後の単独公演に比べ短い時間だったぶん、アップテンポでポップソウルな楽曲を中心に、彼女とバンドがもつグルーブを濃縮したライブで、終わったあとのすがすがしさは相当のものがありましたね笑。
万博公園の緑に幸せの風を吹かす、そんな至極の時間でした。

最高の瞬間:Time のラスサビ / Dive でのソロからのラスト


第6位:BLACK EYED PEAS

1/30・Zepp Osaka Bayside

‟こんな規模で見ていい訳がない”

1月27・28日に開催された GMO SONIC 2024 への出演に合わせて行われた大阪と名古屋での単独公演。会場がまさかの Zepp と、2000人規模の会場で彼らを拝める機会をくれたクリマンには頭が上がりません笑。
また個人的な事情ですが、前回の来日だったサマソニ2017の時は足を骨折していまして、やむなく車いすでの参加となりやり切れぬ思いが残っていました。なので今回の単独公演はサマソニ17のリベンジでもあり、彼らのライブを100%で楽しめる念願の機会というわけです。

1/30・Zepp Osaka Bayside

念願のライブの結果としては、ただただ ‟ヤバい” でしたね笑。
いや近すぎる、あの will.i.am が目の前にいてこっちを見ているという状況に開始直後は信じられなさ過ぎて夢かと思いましたね。そしてなにより、自由に踊れる環境で味わう彼らのライブの楽しさったらとてつもないですよ。
予定時刻を少し過ぎて照明が落ち悠然と現れる3人、口火を切るのは定番のオープナー Let's Get It Started 。1曲目から会場のボルテージも最高潮でいたるところから絶叫が聞こえてきます。勢いそのままに Boom Boom PowRITMO (Bad Boys for Life) と彼らを代表するダンスナンバーを連投、また FERGIE が育児のため活動を休止し、その後任としてグループの女性ボーカル枠を務めている J.Ray Soul もステージに登場、4人による圧巻のパフォーマンスにはさすがのキャリアを感じさせます。

親日家を公言している彼らですがそれを証明するかのように Pump It では ‟大阪POWER” の掛け声でスタートし曲中も連呼、ほかにも KAWAII、SUGOI、KANPAI、MATTE、とことあるごとに日本語MCを披露し会場を盛り上げます。遊び心満載で観客とのコミュニケーションを欠かさず、世界的アーティストながらその親しみやすさも魅力の一つです。
ただそれらも圧倒的な実力のうえに成り立っているというのが事実です。
ライブ中盤では3人それぞれのソロパートをはさみ、その高いラップ技術をいかんなく発揮します。そもそも個別のソロが聞けるなんて、will.i.am に関しては彼のソロ名義の楽曲まで聞ける、まさに単独ライブでしか味わえない貴重な体験でしたね。

ライブの終盤はまさに怒涛のヒット曲パレードDon't Stop the PartyThe Time (Dirty Bit)Where Is the Love?  と往年のヒットソングが並びその全てで大きなシンガロングを引き起こします。そして満を持して繰り出される I Gotta Feeling 。イントロからこの日1番の盛り上がりで、この曲の持つ異次元のパワーに圧倒されます。また、途中に Meet Me HalfwayJust Can't Get Enough のフレーズを挟むなど特別仕様、さらには誕生日を祝って大学生並みの一気コールと何でもありのハチャメチャっぷり、10分以上もこの曲に費やしたのはさすがに笑いましたが、それでも間違いなくこの日のハイライトでしたね。

1/30・Zepp Osaka Bayside

BYP をこんな距離で見れる日がくるなんて、本当に感無量です。
今回以外にも Arctic MonkeysLiam Gallagher など、世界的人気からみるとありえない規模でのライブがいくつか開催されましたが、日本での洋楽人気の低さの恩恵と言いますか、良いのか悪いのか微妙なところです笑。それでも今回のライブが最高だったことは、まぎれもない事実です。
実は ED SHEERAN、GMO SONIC、BYP と3日連続でしかも大阪→東京→大阪ときもすぎるスケジュールを完遂したわけですが、最終日で迎えた BYP が全てを持っていきましたね。ほんとに最高でした!。

最高の瞬間:大阪POWER からの Pump It / I Gotta Feeling の全て


第5位:KASABIAN

10/10・Zepp Osaka Bayside

‟ライブ・バンドの新境地”

単独での来日公演は12年ぶり、現代UKロックが誇る最強のライブ・バンド KASABIAN 。2020年にボーカル Tom Meighan が脱退したことで、それまでギターを務めた Sergio Pizzorno がフロントマンを、空いたギターは The MusicRob Harvey が務める新体制となりバンドとして新境地を迎えました。そんな中での来日公演は20年来の期待を裏切らず、それでいてさらに進化すら感じさせるライブでした。

最新アルバム「Happenings」収録の Call によってスタートをきると会場はいきなり大合唱、リリースから間もない新曲ですが観客はしっかり予習済みとその精鋭っぷりが伺えます。そんな精鋭に応えるかのように2曲目にしていきなり代表曲 Club Foot を投入。鳴り響くあのイントロ、目が眩む照明、両手を掲げるサージ、ライブにおける1つの模範解答をたたき出し、会場はまさに爆発。ライブ・バンドの真価を開始早々見せつけてきます。
その後もアクセルはベタ踏み、Ill Ray(The King)Underdog とキラーチューンの数々を惜しみなく投入し、フロアに熱狂の渦を巻き起こします。新たなフロントマンとしてバンドを引っ張るサージのパフォーマンスも抜群に良く、常にステージのギリギリに立って観客との対話を欠かさない身近さ、バンドのグルーヴに合わせたアグレッシブな動きなどフロントマンとしての資質の高さを見せます。

10/10・Zepp Osaka Bayside

You're in Love with a Psycho から Coming Back To Me Good と旧作から新作への鮮やかな繋ぎ、Italian Horror では大阪コールと特別感ましましの演出、さらには90年代のダンスチューンをちりばめたり、指からレーザーを出すなど遊び心満載‟楽しいライブ” をとことん追求されていて、そりゃ盛り上がるしかないですよと笑。
L.S.F. では2階のバルコニーに現れるという予測不能の動きで会場を盛り上げ、アンコールで満を持して繰り出される、代表曲かつ最強の盛り上げソング Fire 。Kasabian と言えばの必殺ソング、溜めて溜めて解放によって生まれるラストの爆発は、ライブでしか味わえないまさにご褒美。至福のひとときでしたね。

苦難の時期を乗り越えてライブ・バンドとして新たな境地にたどり着いた彼らのステージは、どの瞬間を切り取っても ‟楽しい” しか写りません。
また、これまでの楽曲も新体制で繰り出すことでまた違った色を見せ、どの曲もライブでしか味わえない特別感があります。
ここにきて新たな全盛期を迎えた Kasabian 。Zepp はそんな彼らの真骨頂とも言えるライブを体験するのに、最も適した環境だったかもしれません。この規模の箱鳴りが彼らのサウンドにおける正解だったと思います。
次はサマソニのマウンテンステージで見たい笑。

最高の瞬間:Italian Horror の大阪コール / Fire ラストの大爆発


第4位:RED HOT CHILI PEPPERS

5/18・東京ドーム

‟これぞ4ピースの完成形”

現代ギタリスト3本指にも数えられ、これまで在籍してきたギタリストの中でも屈指の人気を誇る John Frusciante 。 そんな彼が奇跡の復帰を経て去年行われた単独公演。そしてそこから1年、The Unlimited Love Tour まさかのおかわりで、再びここ日本に世界最強のライブ・サウンドを誇る彼らが帰ってきました。東京ドームで2日間、つまりは10万人以上の動員を40年のキャリアで今なお持ち合わせているあたり、彼らのライブの評価と需要の高さが伺えます。初日のチケットはソールドアウト、まさに万全の状態を迎えた東京ドーム。動員数が多いぶん盛り上がりが分散されてしまいがちなドーム公演ですがこの日は一味違う、始まる前からとてつもない熱気で観客1人1人からふつふつと昂る思いがあふれ出ているのを感じました。

5/18・東京ドーム

暗転の瞬間から大歓声で、チャドフリージョンの3人をまさに拍手喝采で出迎えるとそこから恒例のジャムセッションが始まります。それぞれの部門で世界的プレイヤーとして知られる彼ら、ドラム、ベース、ギターそのどれもが最高峰の音を鳴らし、誰も真似できない圧倒的なグルーヴで会場を沸かせるととどめを刺すかのようにアンソニーが登場。1曲目はライブで定番のオープナー Can't Stop 。誰もが一度は弾いてみたいあの最強のリフと共に熱狂の夜が始まります。
2019年末に突如として発表されたジョンの再加入、そこから「Unlimited Love」「Return of the Dream Canteen」の2作を立て続けに発表しバンドとして新たな全盛期を迎えた彼ら。今回のライブでもまさにその全盛期っぷりを如何なく見せつけてきます。Dani CaliforniaEddie と至極のギターソロを連発するジョン、そしてそのギターサウンドを支える安心のリズム隊、アンソニーのボーカルも渋みが増しましたがしっかりファンク精神を感じる絶妙な声、まさに4ピースバンドの完成形ともいえるスタイルで、演出は最小限にただ4人の生の音だけを叩きつけてきます。Soul to Squeeze から Right on Time の流れも秀逸で、でメロウに聞かせベテランの風格を見せたかと思えば 、一変して若手のようなエネルギーに満ちた迫力を見せます。‟泣きのギター” で会場の空気を引き締めたのち繰り出される Californication 、新章の幕開けを飾った Black Summer 、ラスト必殺の By The Way と鉄板でありながら最強の布陣で本編を締めくくります。

5/18・東京ドーム

最後はやっぱりあの曲、レッチリのグルーヴの全てが詰まった今なお全く色褪せない名曲 Give it Away 。これまでのキャリアで培った技術と経験が加わったファンクの濁流で、会場の5万5千人を熱狂の渦に沈めます。子気味良くファンキーで踊れる楽曲ですが、ライブでは彼らの圧倒的演奏によってスタジアムスケールへと強化され、その衝撃はまさに音に殴られるようです。60を超える(ジョン以外)おじさん集団と思えない程の火力で、改めてその現役っぷりを見せつけられました。

40年のキャリアを濃縮させた究極のバンド・サウンド、4人の織り成すグルーヴだけで神がかったライブを繰り広げる彼らは、まさに現代最強のライブ・バンドであり生きる伝説といっても過言はないと言えます。そんな伝説がその歴史をまだ更新していることは、今を生きるロックファンにとっては希望なんじゃないでしょうか。レッチリによう東京ドーム公演は、まさにそんな希望と喝采にあふれたバンドの未来を感じるライブでした。

最高の瞬間:Can't Stop のリフ / Dani California のソロ / Give it Away


3位:IMAGINE DRAGONS

12/3・有明アリーナ

‟現代ロックの最高到達点”

アメリカ・ラスベガスが誇る最強のロックバンド IMAGINE DRAGONS
最新アルバム LOOM をひっさげ6年ぶりに日本に帰ってきた龍の凱旋は、彼らがワールドクラスのモンスターバンドであること証明するライブでした。

パフォーマンス、照明、演出、特攻、ライブにおいて一切の妥協を排除して徹底的にストイックなその姿勢が、彼らが世界中で求められ現行もっとも高い評価を受けるバンドの1つである証拠です。1曲目から紙吹雪をあげ今回もまた一切の妥協はないぞと宣言すると、ThunderBones とヒット曲を出し惜しみなく連投、早くも2発目の紙吹雪とその本気っぷりに観客も必死で食らいつきます笑。
総じて素晴らしいライブでしたが中でも群を抜いて良かった点がバンドのフロントマン、Daniel Reynolds のパフォーマンスです。花道を堂々たる姿で闊歩し、鍛え上げられた肉体を広げその一挙手一投足で観客の熱狂を引き起こします。ポップで力強い曲を多くもつバンドですが、彼が先頭に立ち歌うことでそのパワーは何倍にも膨れ上がります。ドラゴンというよりもサバンナに吠えるライオンのようで、見るものすべてを鼓舞する圧倒的なオーラが備わっていました。

12/3・有明アリーナ

最新アルバムを引っ提げてのツアーでセットリストも最新作を中心に組まれていましたが、中盤で繰り出された旧作からの名曲もまた会場を彩ります。初期作から RadioactiveDemons を連投すると会場では大きなシンガロングが巻き起こります。続いて NaturalWalking the Wire と確かな名曲たちが続きます。Walking the Wire の前にはこれまでの葛藤や不安を乗り越えてきた過去から希望を語る感動的なMCを挟むことで、会場は1つの大団円を迎えます。しかしそこから打って変わって前作 Mercury-Acts1&2 から SharksEnemy とダークで癖のあるポップ・ナンバーで会場の空気を一変させるなど、バンドとしての確かな力量が垣間見えます。
ラスト、満を持して繰り出される代表曲 Believer は間違いなくこの日1番の盛り上がりで、それに呼応するかのようにダンのパフォーマンスもキレを増していきます。花道の上で力強く躍動する肉体には鬼気迫るもので、この曲の精神を体現するパフォーマンスでした。まさにクライマックスに相応しい圧倒的なエンディングに、終わった直後はただ立ち尽くすしかありませんでした。

12/3・有明アリーナ

デビューから15年余りでアメリカを代表する…いや、世界を代表するロック・バンドへと上り詰めた彼ら。その理由が分かるライブでした。
アリーナクラスの会場ながら、スタジアムクラスのサウンドを放てるパワーを持ちつつも、1つ1つ丁寧に隙なく極められたライブクオリティは圧巻の出来栄えで、有明アリーナでこれまで多くのライブを見てきましたが、このクオリティを感じたのはイマドラだけですね。
個人的に彼らは Maroon 5、Coldplay の現代ロック・バンド2台巨頭に今後並んでいく存在だと思っています。しかしここ日本での人気が不明瞭だったのがこれまでの状況でしたが、今回の来日公演でかなり希望を感じる追い風が吹きましたね。観客の盛り上がりもまずまずでこれからの日本での活躍に期待です。

数多くのヒットを生み出して、ライブではそんなポップ・ソングを圧倒的フィジカルでパワフルに歌い上げる、その様はまさに現行ロックの最高到達点を感じさせます。6年ぶりの来日公演を大盛況で終えた彼らの今後の活躍に期待です。

最高の瞬間:Fire in These Hills のラスサビ / Believer のクライマックス


第2位:BLEACHERS

8/18・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

‟ポップの最重要人物が愛したのはロックンロール”

fun. のギタリストであり、Taylor SwiftLana Del ReyThe 1975などのプロデューサーと現代のポップ・ミュージックシーンにおいて欠かせない業界の最重要人物 Jack Antonoff 。そんな彼のソロ・プロジェクト Bleachers は音楽をこよなく愛する男たちによる最高のロック・アンサンブルを届けてくれます。

‟FROM THE STUDIO TO THE STAGE” の文字の通り、現代の大物プロデューサーがスタジオを飛び出してやってきたのは、サマソニ大阪の SONIC STAGE 。時刻は午後5時半ごろ、太陽の塔から夕陽が照り付けるステージに悠然と現れるやいなや、その夕陽のように温かなムードが漂う I Am Right on Time でライブはスタート。その優しくも力強いバンド・サウンドで一気に会場の雰囲気を掌握すると、ここからまさに衝撃の45分が始まります。
2曲目で披露されたのは最新作「Bleachers」から Modern Girl 。ど頭からのサックスが最高に栄えるキャッチ―なサウンドの、圧倒的 ‟陽” な1曲に会場はそうそうに大爆発。しかし凄いのがこの大爆発をここから毎曲繰り返す…いや、どんどんと更新していきます。Jesus is Dead ではステージで暴れるサックスにつられてまた爆発、How Dare You Want More は観客のシンガロングは完璧、さらにはラスサビ前で座らせる粋な演出でもう爆発どころの騒ぎじゃありません笑。長年サマソニに参加してきましたが、EDMでもないロック・バンドのステージでここまで観客の熱が爆発したのは初めてでしたね。バンドの技術は勿論ですがなによりもそのパッション熱量が観客にも伝わったことで生まれた盛り上がりだと思います。

8/18・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

ハイライトはまだまだあります、ていうか全部そうなんですけど笑。
彼らが敬愛する Bruce Springsteen を客演に迎えた Chinatown はスロウながら力強く歌い上げるジャックに全員で酔いしれます。そして Rollercoaster ではショルダーアップ(肩車)の要求、自分も一緒にいった友達に上げてもらいましたが、あの3分間の圧倒的多幸感は今でも鮮明に覚えています。疾走感にあふれる曲調も相まってタイトル通りローラーコースターのように一瞬で終わったかと思えば、I Wanna Get Better と攻めの姿勢を崩しません。サビでは何度目かも分からない大シンガロング、観客の一体感も増すばかりです。そのままラストは Don't Take the MoneyStop Making This Hurt と最後まで究極のバンド・アンサンブルが続きます。始まりから終わりまでノンストップであっという間の45分間。それでも十分すぎる充足感で終わった後に気持ちい余韻が残っていました。

8/18・Summer Sonic 2024(万博記念公園)

今回のライブが空前絶後の大盛況となったのは、彼らの卓越した演奏技術もっていたことだけではありません。勿論、土台にしっかりした技術があってこそですが1番の要因はバンドの精神じゃないでしょうか。彼らはド派手も演出もしなければ、斜に構えてかっこつけることもない、等身大でいて無邪気に演奏を楽しむ。その過程を観客と一緒に共有して1つのライブを全員で作り上げていく。その優しさが音や仕草から伝わってくるからこそあの一体感が生まれたんだと思っています。名だたるアーティストの制作活動に携わってきて多くのポップ・ソングを世に放ってきたプロデューサーがたどり着いたのは、優しくて温かく純粋なロックンロールでした。
サマソニ2024のベストアクトは間違いなく Bleachers ですね。

最高の瞬間:How Dare You Want More / Rollercoasterでのリフト


第1位:THE KILLERS

7/26・FUJI ROCK FESTIVAL 2024(苗場スキー場)

‟Fabulous Las Vegas the Band”

ここ日本においては不遇の時代が続いたバンドかもしれません。それでも今回、フジロックのピンチに駆け付けた彼らは20年ぶりに苗場の地を踏みしめ、不遇の時代に終わりを告げにきました。

ラスベガスに生まれ、そのショーマンシップ精神をもとに世界最高峰のロック・パフォーマンスをあらゆる国と地域で魅せつけてきた彼ら。そんな彼らの20年ぶりの帰還は、フジロックに新たな歴史を刻んだ伝説的な夜となりました。
へたなSEは省いてただ歩いて現れたバンドメンバーたち、照明が集まるのはバンドのフロントマン Brandon Flowers‟こんばんは”と軽快にあいさつを済ませお馴染みの口上ののち、始まるのは奇跡であり念願の一夜。
1曲目は Somebody Told Me、助走無しでいきなりその日の観客のマックスを引き出すとあとはひたすら更新していく、この点は2位の Bleachers と同じですが彼らのステージは90分のフルライブ。それでも更新し続けたと確信を持って言えるのは、それだけ驚異的なパフォーマンスを披露してくれたバンドとそれに応えた観客の雄姿をこの目で見てきたからです。3曲目にして When You Were Young が繰り出されると観客のシンガロングがブランドンの声をかき消します。苗場に集まった観客1人1人の思いが1つの塊となってステージに向けられます。

‟ここに帰ってくるのに20年かかった”
‟唯一変わってないことは、ロックンロールを見るにはここが正解だ”

Jenny Was A Friend Of MineSmile Like You Mean It と彼らが誇るロック・ナンバーを連投、まるで荒れ狂う大海原のごとき盛り上がりで混沌とした熱狂を生みます。しかし続く Shot At The Night では先ほどまでが嘘のような一体感ある大合唱をみせます。ブランドンという男のカリスマ性を持ってすれば観客のコントロールなどたやすいのかもしれません笑。
その後も SpacemanBoyと有り余るヒット曲が披露されそのつど景色をかえる GREEN STAGE、そこに集まった多くの観客がこの光景を夢見てここまでやってきたと思います。しかし次の瞬間、誰も想像していなかった光景が訪れます。そう ‟WATARU FROM TOKYO”
飛び入りでステージに上がると For Reasons Unknown を熱演、その神がかったドラム捌きに誰しも度肝抜かされたと思います。奇跡の夜をより奇跡にしてくれた WATARUさんには感謝と尊敬しかありません。

7/26・FUJI ROCK FESTIVAL 2024(苗場スキー場)

ライブも終盤、RunawaysRead My Mind と美しも壮大でメロディアスなナンバーが並び、観客のシンガロングを加速させます。そしてそのまま Caution へとシームレスに繋がりキラーズとしてのキャリアを横断する流れ。最後は All These Things That I've Done最高の大団円を迎えます。‟I got soul but I'm not a soldier” 待ってましたと言わんばかりに歌い上げる観客、そこからすべてを解放するラスサビと、奇跡の夜の締めに相応しい一幕でした。

ただ、誰もこれじゃ終われません笑。
観客の期待を超える The Man での華麗すぎるアンコールの幕開け、長丁場のフェスの環境においてそろそろ疲れが見える頃ですが、ひとたびブランドンがお立ち台に立つだけで簡単に息を吹き返す。気迫のこもったその立ち振る舞いはまさにロックスターの貫録です。 
Human でのシンガロングでは涙を流す人もちらほら、壮大なメロディが観客の思いと共にフジロックの夜空に消えていくと遂にあの瞬間が訪れます。彼らの代表曲にして異次元のヒット曲となった Mr. Brightside 。秀逸なのは前後半にわけて溜めをつくるライブアレンジ、あのイントロが鳴った瞬間の盛り上がりは本当に凄まじくて地響きを感じるほどの大歓声、まさに圧倒的な1曲だなとつくづく思いますね笑。

7/26・FUJI ROCK FESTIVAL 2024(苗場スキー場)

苗場で起こした奇跡、その瞬間に立ち会うことが出来て本当によかったと今でも思います。個人的にもキラーズのライブは念願でしたが、まさかその念願がフジロックで叶うとは思っていませんでした。
この日のために生きてきたんだと思える、それほどのライブ体験を彼らはやってのけました。ラスベガス仕込みの豪華絢爛のステージは、フジロックの夜を明るく照らし、夢と希望に満ち溢れていました。彼らが日本における不遇の時代を捨て去り新たな歴史のを刻む第1歩が、苗場の地で踏み出されたと思います。
2024年で最も感動し今後一生忘れないであろうライブ、The Killers でした。

最高の瞬間:All These Things That I've Done での紙吹雪 / Mr. Brightside


まとめ

以上が2024年のベストライブ、トップ10と番外編でした。
今年も多くのライブに参加することが出来ましたが、その中で参加して後悔したライブはありません。トップ10に入ってないからと言って、それが出来の悪いライブという訳ではありません。参加した24公演すべてに思い出があり、もう一度行きたいと思える素晴らしいライブばかりでした。

ただ、今年の1位、2位の二組がフジロックとサマソニとフェスへの出演によるものだったこと、さらにはトップ10に、サマソニでのライブが他に2つも入っているなど、フェスという場でのライブの特別感というものはやはりありますね。
2025年、すでにフジロックとサマソニの開催は例年通り予定されており、今からどんなアーティストが出演するのか非常に楽しみです。また、フェス以外にも OASIS 復活ライブなど絶対に欠かせないライブも予定されており、今からでもすでに楽しみで期待できる年になりそうです。
ここまで BEST LIVE THE 2024 でした。


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