妊婦の飲み会 [27/30]
産休前から企画されていた会社の飲み会に行った。
もちろん私は飲んでいないが、他の3人は酒を飲んでいたし、金曜日の晩だったのでこれはもう飲み会以外に形容しようがない。
年は一つ上だが社歴の長い直属の上司A、この会社に私を招き入れた友人兼同僚B、お世話になっている別部署の10程歳の離れたお母さんC、そして、産休中の私というメンバーで開催された。
Aは私が産休に入る直前に「実は私も1ヶ月以内に退職します」という重大な事を告げてきた人物である。
Aが退職することにより、1番仕事量が増えそうな立ち位置にいる人がBで、Cは特に関係ないが二児の母なのでこの日も息子を塾に送り届けてからの参加だった。
会社の同僚ということもあり、やっぱり話題は会社の話になってしまう。
これが面白ければ良いのだが、上司から圧力かけられて辞めたとか、育児休暇取ったら復帰後給料減るとか、息子の成績が悪いとか、重い話ばっかりで明るい気持ちには全然なれない会だった。
話は逸れるが以前勤めていた会社は大阪の下町にある会社で何かと面白い出来事が社内で起こっていた。
もはや骸と化した会長が席を立つ時、よいせっ!と言って立ち上がった拍子にオナラを出したとか、つまらないけど笑わずにはいられないそんな話が絶えなかった。
近頃は朝のニュースも暗いし、個人の精神をむしばむ情報が多すぎる。
そろそろ子育てが始まる身としてはもう少し、しょうもないニュースも聞きたいものである。
それでも私は妊婦の中ではあっけらかんとした方なのではないかと思う。
子供が生まれてからのことなど考えてみたりするがそこまで頭が回らないので、結局は今のこの変わり果てた身体を見て、お〜、うわ〜、いてててっと思ったりすることで脳の大半を使っている。
妊娠も9ヶ月になると慣れてきたという感じで、もともとどんな身体だったかあまり思い出せない。
つわりの後も治ることのない吐き気なんかも、辛いけどもう持病みたいな感じになっていて、気持ち悪いと思いながら辛めの麻婆豆腐を食べたりしている。
今日の飲み会も開始前から吐きそうで気持ち悪かったが、始まってしまえばなんのことはない。気持ち悪いと思いながら食べる手は止まらない。
もともとおしゃべりじゃないので飲み会なんかに参加したら、結局食べてばかりになる。
気持ち悪い、あ〜もうお腹破裂しそう。
そう思いながらなんだかんだ4時間という長い時間を飲み会に費やした。
そんなに楽しくないのに4時間も居座れるのがすごい。
人間のコミニュケーションとは不思議なものだ。
編集者のコメント
私は会社の飲み会に参加したことがありません(さみしくはない)