『札・幌・快・勝』ルヴァン杯グループC第3節 北海道コンサドーレ札幌対京都サンガF.C.【ミニレビュー】
スタメン
ベンチメンバー
北海道コンサドーレ札幌
GK 中野 DF 西野 MF 井川 青木 檀崎 宏武 FW 藤村
京都サンガF.C.
GK 若原 DF 飯田 井上 植田 MF 福岡 山田 FW 大前
Match Review
ゲームメイカー西大伍
縦に速い攻撃が持ち味の両チームは、お互いに立ち上がりからテンポの速いの試合を臨んでいるようだった。
ハイプレスにカウンター、ビルドアップで引きつけてのミドルパスとロングパス、サイドチェンジで攻撃を展開し、互いに素早く敵陣に攻め込んでゴールを狙う。早くもチャンスを作ったのは京都。4分に長井 一真のクロスに合わせたイスマイラがヘディングシュートを放つ。決定的とも言えるシュートだったが、ボールはギリギリで枠を外れた。
序盤は京都寄りのペースで試合が進み、札幌はゴールまで辿り着けない展開が続く。ピッチを広く使った攻撃は効果を発揮しているものの、札幌はゴール前で"何か"を欠いていた。
そんな試合の中で、ゲームにリズムを作り出そうとする男が1人いた。それが、西 大伍だ。ビルドアップでは選手間か京都のFWの背中にポジションを取り、常に京都の一列目を突破することを意識した動きを見せる。パスを受ければプレスをいなして展開、展開することが出来なければパウサ(時間を作るプレー)でリポジショニングを促して次のプレーに繋げる。パス回しにリズムを作り、ゲームの流れを引き寄せるその姿はまさにゲームメイカー。そんな西 大伍のプレーが実ったのか、札幌は試合が進むにつれて試合の主導権を掴んでいった。
こんな試合を待っていた
待ち望んだ瞬間は、後半が始まってすぐ訪れた。51分、京都を押し込んで連続した攻撃を仕掛けると、ガブリエル シャビエルが中島 大嘉とのワンツーでPA内に侵入して左足を一閃。強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らし、ガブリエル シャビエルが移籍後初ゴールで札幌に先制点をもたらした。
しかし、京都も負けていない。51分にマルティノスに代わって投入された大前 元紀が早速大仕事を果たす。53分、右サイドからふわりと上げられたクロスに走り込んで左足を振り抜いて同点弾を決めた。
互いに得点を奪ったことが影響したのか、試合は徐々にシンプルにゴールを狙うオープンな展開へ。オープンな展開になれば、裏にスペースが出来て一気にゴール前に攻め上がることが出来る。ゴール前のスペース。これは札幌に欠けていた"何か"だった。
ゴール前のスペースという最後のピースを手にした札幌の攻撃力は絶大だった。67分、駒井 善成のサイドチェンジを受けた菅 大輝が上げたクロスに中島 大嘉が高い打点からヘディングシュートをゴールに叩きこんだ。再びリードを奪うと、75分にはガブリエル シャビエルが左足でミドルシュートを叩き込んでスコアを2点差に。そして88分、勢いが完全になくなった京都に中島 大嘉がダメ押しの4点目をまたしても利き足の"頭"で奪った。
いくら「3点差は危険なスコア」とはいえ、流石にこの時間から逆転は不可能に近い。ミシャも勝利を確信したのか、90分には田中 宏武、檀崎 竜孔、藤村 怜の出場機会に飢えた若手3人を投入。試合はこのまま4-1でゲームセット。札幌は快勝で今季ホーム初勝利を飾り、グループC首位に返り咲いた。
あとがき
キックオフで京都が3バックを採用していると気づいた時は、鳥栖戦や先週のアウェイ戦みたくハメられてしまうかもしれないと思いましたが、結果は4-1の快勝。京都のパフォーマンスに助けられた部分もありますが、これはチームを褒めていいゲームだと思います。
言うまでもありませんが、この試合のMVPは間違いなく中島 大嘉でしょう。まだまだ足りないものはたくさんありますが、圧倒的な打点の高さとスピードを生かしたプレーは見事としか言いようがありません。彼の活躍を見ていると、ゴール前のスペースを作る手段に乏しい札幌には強引に点の取れる選手の重要性はまだまだ大きいと感じます。ミシャの言う通り、まだそっとしておくべきだと思いますが、このまま活躍を続ければすぐ日本中が注目する選手になるでしょう。
彼の他にも、安定したパフォーマンスと高い攻撃力を見せた中村 桐耶や高いゲームメイク力を持つ西 大伍、2ゴールを奪ったガブリエル シャビエルなど、この試合でアピールに成功した選手はたくさんいます。特に中村 桐耶はHondaFCにレンタルしていた時期から追いかけているので、彼には活躍は涙なしでは見られませんでした。
柏戦ではどんな選手が出てくるのかとても楽しみで講義中も眠れません。選手もチームもいい流れに乗っているので、ここで柏を叩いて引き分け街道から完全に卒業したいですね。
終わり