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刹那

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受験の記憶
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刹那#1  終わりの始まり

「それまで。筆記用具を置いて下さい。」

終わった。全てが。ただそれだけだった。勉強の呪縛から解放されたら嬉しいと思っていたが、そのときの感情は少し違っていた。

「寂しい」

なぜこんな感情になっているのか。

試験の問題の答え合わせをしようと話し出す有象無象の中、私はそっとイヤホンを付けた。