2024年のインターネットTRPG界隈のトレンドについて

こんにちは。今日は、年の瀬ということで2024年のインターネットTRPG界隈のトレンドについて、自分から見える範囲で所感を少し語ってみたいと思います。

ユーザー規模の傾向

ccfolia.com における2023年11月時点の月間アクティブユーザーは43万人となっていますが、2024年11月になると41万人になっています。比較すると5%ほど落ちているということになりますが、これは長らく微増傾向であったここ数年では、あまりなかったことです。

このトレンドの一端には、いわゆるニコニコ動画のTRPGリプレイブームでTRPGを始めた層の多くが熱心に遊ぶ時期を過ぎたことが寄与しているのではないかというのが自分の見解です。実際に、現在のユーザーの推定年齢のデータを見てみると、18~24の若年層が圧倒的に多く、当時から文化を追ってきたであろう年齢層はその1/4以下という状況です。

後述しますが、実際に最近TRPGを楽しむようになった人たちの遊び方は、前段のブーム世代の私たちや、昔からTRPGに親しんできたトラディショナルなユーザーともまた少し毛色が違うように感じます。ある種の世代交代が起こっていると考えると、ポジティブな目線では少なくともインターネットのTRPGは一過性のブームで終わらずに、時間経過による新陳代謝に耐えたという見方をすることもできます。

一方で、波のピークが見えたのは確かなので、我々も含めてブームの後、TRPGがどう継続的に盛り上がっていくのか、つまり定期的にみんなで盛り上がることのできるような機会をどう作っていくかというのが、課題になってくるのではないかとも考えたりしているところです。

文化の傾向

先述の話も含めて、若年層ユーザーに焦点を当てて話をしてみたいと思います。彼らの中でも特に熱心そうな方々にTRPGを始めたきっかけを尋ねると、YouTubeにおけるTRPGの配信がきっかけだったという話をよく耳にします。更に聞いてみると、元々はゲーム実況であったり、VTuberなど他の配信コンテンツのファンであり、タレントさんを追いかけているうちにTRPGという文化と出会ったということも多いようです。

源流にいわゆる推し活やファン活動の文脈のエッセンスが多く含まれることが、これまでと少し毛色が変わる部分だと自分は考えています。リプレイ動画ブームの際にももちろんそういった概念はあったかと思いますが、当時は元々は無名だった方々が新しいムーブメントの中で名前が挙がるようになり、ファン層が形成されていった印象があります。それで言うと、昨今の文化はその延長線上にいるのかもしれません。

これらは供給側のコンテンツ展開にも多分に反映されており、ここ数年は多くのTRPG文脈のコンテンツがイベント化したりグッズ化されるなど、IPとしての価値を発揮するようになってきました。そして、自分の見聞きする範囲ではその多くが好調であると聞いているところです。

ファン向けコンテンツの良いところは、提供者がファンを喜ばせることができていれば、誰からも見向きされないというリスクが発生しづらいことです。閉じたコミュニティであるが故に外からは見えづらいものの、一定の肯定を集めて展開できるコンテンツとして商業筋からも着目され始めているように感じています。

まとめ

総じて、ここ数年でユーザー層に新陳代謝が起きて、母数で見るとやや凹みが生じている節目のタイミングと言えると思います。これは文化の存続にとって喜ばしいニュースでもあり、同時にシビアな目線では頑張りどころでもあるように思います。

もちろんこの話には、自分が見える数字の動きや見聞きしたりインタビューした時に得た主観的な感想が多分に含まれています。みなさまが今どのように感じていらっしゃるのか、もし違う意見や同様の意見があればコメントやDM等で教えていただけると嬉しいです。

私からは以上ですが、ココフォリアさんの方からは来年に色々なニュースがあると思います。ぜひ楽しみにしていてください。それではまた、お会いしましょう。良いお年を。

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