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第58講:あけてびっくり給与仮差^^;

2回シリーズで、債権者がうようよひしめく場面をご紹介してまいります。
ところで。会社にくる手紙というのは、何が書いてあるか判りません。それが原因で、取立人ががんばってしまうこともあります^^;きょうは、そんな給与仮差押のおはなし(^^)


不幸の手紙

債務者から手紙がきました。「もう払えません。ごめんなさい(^^ゞ」と、大書してあります。「破産でもすんのかいな(^^)」と思って読み進めると、なにやら物騒な事が書いてあります。

死出の旅に出ました。
この不始末は、死んでおわびします。
このお手紙が届く頃には、私はこの世にいないでしょう。
残金は償却してください。

平成12年3月凶日

凶日というのが、とても雰囲気を醸しております(^^ゞ
最初は「悲惨な奴じゃのう^^;」と思っておりましたが、熟読しているうちになんだかハラが立ってまいりました。


死んでおわび

というと、大いに詫びているように見えるかもしれませんが、ちっとも詫びちゃおりません。だって、くたばられたら回収できんもの(^^ゞ
それどころか相続人の確定、相続放棄の照会、はては請求もせにゃなりません。死んで詫びるつもりが結果は逆で、相続人に請求が行ったなどという場合は、不始末を詫びるどころか不始末が拡大するという、当人の予想外の結末と相成りますので、苦しんでいる方でも自殺などご検討なさいませんように(^^ゞまして、中央線で轢死したりせんように^^;

そもそも借金の不始末を詫びるというのは「ああ、また差押・・・(;_;)」と、決定正本を見ながらお財布を開くと「びゅ~(^^)」「ご~(^^)」と、風速20mの風が窓を叩く耐乏生活をしながら返済するということであります(^^ゞ
「ぼく、こんな貧乏なの(;_;)」と言われれば、債権者も「おお、そうか(^^)」とみて満足することができます(^^ゞ
一番利口なのは、弁護士の先生に頼んで、債権者も国税当局へ申し開きできるようにして借金をちゃらにすることです。そうしますと、債権者は取立不能分の利益が免税になり、お互い満足のうちに貸借を整理することができます(^^)


不幸は続く

まあ、取立人が担当者になったということ自体、これ債務者の不幸と申します(^^ゞ
が。カネ払わないわ、てめえだけあの世に逃亡するわ、あげくの果てに「あと償却してね(^^ゞ」などというのは、逆に「鬼さんこちら(^^ゞ」と挑発しておるようなものです。こうなると、取立人の職人魂に火がつきます^^;

「ほんじゃあ、取ってやろうじゃないの(^^)」連絡不能という点で、現世で夜逃げしている債務者も冥土の債務者も同じようなものです^^;「死人に口なし。雨にクチナシ(^^ゞ」と、調べてみますと、債務者はまだ生きております。おそらく三途の川の渡し賃が足りなかったのでしょう^^;その月の時刻表を買わないから、そういうことになるのです(^^ゞ返済も旅行も、計画的でなければいけない例であります。
幸い、発見が早くて最悪でも退職金はいけます(^^)すかさず給料の仮差押。 三途の川の運賃を押えてしまえば、今後変な気も出ないでしょう(^^ゞ


別の手紙

やっぱり所在不明&勤務先長期欠勤、その他財産なしで給料の仮差押から入った件あり。奥さんが「離婚したから、請求書送るな」という手紙をよこし、半年も理由未詳のまま会社を休んでおります。
ところが。のんびりしたカネ貸しもあったもんで、電話督促の連中が半年以上もつながらない電話をかけ続けておりました^^;
取立人のように道楽で会社にいるんならともかく、普通の会社員がゆえなく会社を休み続ければ尋常ならざる事態つまり異常事態。しまいにゃクビですんで「ヒットしますようにm(__)m」と祈りつつ給料の仮差押をすると、なんとヒット(^^)
仮だろうが本だろうが、給料の差押をすると、会社の総務から「第3債務者の陳述」という紙がきます。ここには他人の給料明細の概略が書いてあるので、見て「かわいそ~^^;」と思ったり「ふん!」と思ったりさまざま。


秘密の扉ひらく

まあ、それはともかくとしてこの人の分の陳述書が出てまいりました。で、すでに差押を受けている場合にはそれも書くのですが、差押については「別紙のとおり」となっております。「別紙ってなによう(^^)」と思ってみると、コクヨのレポート用紙にびっしり書いてございます。

「黄色い看板だ(^^)」
「カタカナ御三家だ(^^)」
「俺の持ってるカードだ^^;」
「誰、この個人?」
「あら、まあ!^^;」

とにかく、知っているのから知らないのまで、債権者のデパート。餌を撒いた池の鯉のごとく、カネ貸しがむらがっております。取立人もその中で「びたんびたん(^^)」とあばれる一匹になってしまいました(^^ゞ

さすがは世紀末。ロクなことがないので、おちおち手紙も開けられない時代になりました(^^ゞ

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