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第40講・話してもわかんないこともある

まあ、話し合いでカタがつけば、穏便でしかも安上がりな問題解決です。
が、なんでもかんでも話し合いが成立するわけではありません。話がまとまんないから、裁判になるのです(^^ゞ
今日は、裁判を終え、落日に向かう社長・・・


判決がでた(^^)

まあ、39講の終わりに書いた通り債務みとめたんだから認諾調書でもよかったんですけど、裁判終結から1週間後に判決が言い渡されました。当然、勝っております(^^)
「さて、どないしましょー(^^)」
と、取立人は会社の窓の外を特急が通過してゆく様子を見ながら企画を練っております。

「ここは、すきな不動産競売に持って行くべきではないだろうか?」
「まずは、カマシということで、軽く電話加入権なんぞやってみようか?」
「やっぱ、会社の預金おさえて銀行取引停止にして、つぶしちまえ!」

とまあ、約1年近くの間、毎月自宅から片道5時間かかる裁判所へ行かされていろいろ面倒をかけられたので、過激な方向に向かっております。
しかし。
不動産は、あることはあるが抵当いっぱいでかつかつ。
預金も、月2~3万円のリース料が振替できないぐらいだから、やるだけかったるい。
「じゃあ、電話かあ・・・」
しかたなく、電話をやることにいたしました。


電話とまる

さて。
自分で電話引いておられる方ならおわかりかと思いますが、電話引くときに「加入権」というものをNTTから買います。
電話を引いている間は加入権代金はNTTに預けられていて、電話とっぱらって「加入権はいらん!」となった時に加入権代金相当額を返してもらえます。ゴルフ会員権同様、この「加入権」の「預けてあるカネ」の部分が差押対象となりますので、電話差押などというモノがおこるのです。
通例、差押電話加入権は3万円ぐらいで競落されます。ということは、債権者には3万ぐらいのカネになるのです。
こう見ると裁判所で売ってる電話加入権はたいへんお買い得なようにみえますが、債務者というのは往々にして電話代も延滞していることが多いので、延滞電話料の推測ができない素人が手を出すのはやめましょう。なぜかといえば、延滞電話料は、買受人に請求がくるからです(^^)

さてさて・・・

「なんて事してくれるんだ!」

さっそく、電話がかかってきました(^^)

取;払ってくんないから、さしおさえたのだ(^^)」
債;だから、裁判の時半分払うって言っただろう!
取;そりゃー裁判の時よ。今は全額支払命令の判決出とるでしょーが!
債;控訴する!
取;控訴期限は、1週間前に切れました!(^^)

そうなんですよ。
判決が届いてから2週間という控訴期限が切れるの待って強制執行してんだから。プロの取立人なめてもらっちゃ、こまります(^^)


手をかえ品をかえ

社長がワーワーわめきながら電話を切って、2時間ぐらいして代理人という男から電話がきました。

男;電話おさえたそうですね?
取;はい(^^)
男;半分払うといったのを、蹴ったそうですね?
取;裁判のとき(力説)にね(^^)
男;今じゃ、だめなんですか?
取;もちろん!

つぎに、弁護士と名乗る男。普通、弁護士の先生が電話でしゃべるときは「弁護士の○○です」
というのがふつうですが、この場合「頼まれた弁護士です」としか言わないので最初っからアヤシイ。

男;差押されてるそうですね?
取;はい(あ~、またかよ)
男;裁判所に言って、控訴を受けてもらう手続きをしましたので差押はできません
取;なんで?
男;法律上、そうなっているからです
取;(執行)停止(の訴え)は?
男;え???(自爆)

最後は、おじさん。しかも、弁護士というやつと声が同じ。

男;人間、目と目を見て話し合えばなんとかなる?そうだろう?
取;そうかねえ?

だって、判決持ってる債権者と、チャラにしろっていう債務者が、目と目だろうがハラとハラを見ようが解決なんざしないと思うんですがねえ・・・永遠に。


なぜ裁判になるのか

 これ、前にも書いた気がしますがね、話がつかないから、裁判をしとるのです。

取;話がつかんから裁判して、なお払わないから執行してんの。わかる?(^^)
男;だから、そこを話し合いで・・・
取;今更何の話すんのよ?
男;だから、人間どうしちゃんと会って話をしようと・・・
取;(俺は猿でもいいから、余計なことせんでくれ)
取;いっときますが、半額はだめですよ
男;だから、そこを話し合えば・・・
取;なんでそんな必要があるのかね?
男;経営が苦しいもんで、それで・・・
取;経営が苦しいと、ゴネて迷惑かけてもいいのかね?
男;どうしても、話合しないんですね?
取;全額払うんなら、してもいいよ(^^)
男;おたくの会社は、誠意がないんですね
取;理由なく減額すんのが誠意ってんですかね(^^)
男;勝手に裁判起こしといて、差押までして・・
取;合意してやる裁判なんて聞いたことねえぞ(^^)
男;もう、いいです!

かくして、話は流れました(^^)


本物の弁護士登場

少しして「大阪の弁護士の○○です~(^^)」と、弁護士の先生が登場。

弁;例の、差押の件で(^^)
取;先生だ!先生だ!わ~い(^^)

当人と話すより、こういうのは弁護士と話す方が話が早くて助かるんですよー(^^)

取;で、どーすんの?どーすんの(^^)?
弁;損害金だけ、まけてくんない?
取;どーぞどーぞ(^^)

話は、これでおしまい。

取;かわりに説得してくれて、ありがとう(^^)
弁;ねー、もっと早く相談に来てくれたらよかったんだけど
取;半額半額って言われて、ヤだったんよー(T_T)
弁;たいへんですねえ・・・^^;

と、あちらのカネで雇われた弁護士の先生のおかげで代りに説得してもらい、その月末には債権額ぜんぶが振りこまれて本件は終了いたしました(^^)

が、しばらくしてその会社はほんとに倒産いたしました。合掌。ち~ん

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