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第61講:夢の破産生活

ずっと年上の、百戦錬磨の不動産屋さんと取立人の空中戦が始まります(^^)


魔の謄本

を開きますと「よくまあ、こんなに^^;」というぐらい、いろんな登記が入っております。「所有権移転請求権仮登記」「抵当権」「根抵当権」「賃借権」とまあ、あと足りないのは温泉権ぐらいなもんです^^;
一番やっかいなのは、所有権移転請求権仮登記。これは、この仮登記権利者が「いずれぼくのだ(^^)」と、宣言している登記です。
ので、この登記が入った後に設定した抵当権を実行したり、判決を取って強制競売をやったりしますと「将来のぼくんちなのに~(;_;)」という権利者をなだめるために「まあまあ、これで(^^ゞ」と、購入予定金額を払ってあげる事になりかねません。で、債権者は、このおカネがばかにならないので、この登記が入っちゃうとおいそれとは手が出ないのであります。それを知っていて、この持ち主の不動産屋の親父は、いやがらせをしております(^^ゞ


調べる取立人

明らかに借金の担保とわかる所有権移転請求権仮登記は無効ですので、あまり気にすることはありません。じゃあ、何でこれが借金の担保になるかといえば「ぼくんちなのに~(;_;)」と、競売に言いがかりをつけ、これをネタにして貸したカネと利息をドサクサにまぎれて請求することができるからです(^^)で、こういう魂胆がみえみえなのは、ただの競売の邪魔なので無効とされちまうわけです。

したがって、取立人は「みたぞ見たぞ(^^)」というのがやりたくて、抵当権者の商業謄本をかたっぱしからとりよせ、権利者がどっかの社長とか役員じゃないか、必死こいて調べております(^^)
しかし。相手もさるもの。結局、素性のわからないまま終わってしまいました(;_;)


へこまない取立人

こうなりますと、相手が白いものを「黒です(;_;)」と認めるまで徹底的にやりたくなっちゃう性格の取立人は、マニアの世界へと突入してまいります^^;
そこで、思いついた(^^)あたくしの方から、破産申立をぶっかけてやるのです(^^)
破産とくれば、関係する全債権者へ通知はでるし官報に住所氏名は出るし、銀行から借りた事業資金も一括清算。うちの債務者のおっさんは「ぼくのせいじゃないのに(;_;)」と、唇をかみしめながら銀行を回り、縷々事情説明をして歩かなければなりませんので、みっともないったらありゃしません(^^)
そして、長崎屋小金井店の屋上プレイランドで、夕日の沈みゆく秩父連山を見ながら「ああ、くやしい(;_;)」と、おっさんは眼下の中央線の電車を見ながらくやし涙し、取立人はその1階下のレストランで電車を見ながらラーメンセットを食うのです(^^)いやがらせには、壮大ないやがらせで対抗いたします^^;


破産とは?

まあ、最近でこそ合法的に借金をふみたおす手段に使えるようになった破産制度ですが、本来は、債権者が、破綻した債務者に向かって「おまえ、もうあきらめろ(^^)」と、全財産を公平に山分けするための手続きであります(^^)
なにしろ、うちの債務者の借金4000万に対して自宅だけでも6000万からしますので、一発競売が成功すればみんなで回収できます。なもんで、債務者のおっさんはいやがらせをしてまで守ろうとしておるのです(^^)


夢の破産生活

破産手続が始まりますと、当然に資産の整理が行われます。で、特にこういう事案の場合は不動産の処分代金が債権者への配当の重要な資金源になります。こうなりますと、仮登記権利者は「将来のぼくんちなのに~(;_;)」と言うどころか、管財人から「買うのか、買わんのか?どっちだ(-_-;)!」「はようせい!」と、究極の選択を迫られることに(^^)

「いりません(;_;)」といえば、ドサクサにまぎれて回収することはできません。それどころか、借金の担保じゃないのを偽装しているので、破産手続に「あのう(^^ゞ」と、参加することもできません(^^)

逆に「じゃあ、買うよう(;_;)」ということになれば、融資金は焦げるわ物件は買わにゃならんわで、大損害(^^)どっちにしても、仮登記権利者は大損ぶっこくのであります(^^)v


落日のおふたり

さて。こうなると、仮登記権利者は何とかして損失防止のため「何とかしろ(-_-メ)!」と、債務者をどつきまわすことでしょう(^^)あるいは、あたくしに文句を言ってくるかもしれませんが「物件は落ちちゃうよん(^^)/~」と、やくざ慣れしているあたくしに慇懃無礼にあしらわれておしまい(^^)

そうなると、債務者のおっさんが「ごめんよう(;_;)」と、この企画の主催者である取立人のご機嫌を伺い、破産宣告の前におカネを払って破産申立を取下してくださるご高配を賜れるように心を配るか、夜逃げするかのどっちかの道しかありません。

破産宣告が出ちまったら、それはそれ(^^)この場合、配当終了で破産手続が終わり、借金も全部清算されるので「ちゃらにしておくれ(;_;)」という免責申立の必要はありません。が、見事みぐるみひっぱがれます(^^)
そして、たぶんカネを貸していると思われる仮登記権利者も「ぼくをさしおいて・・・」「みんなひどいわ・・・(;_;)」と、とぼとぼ歩いてゆくのでしょう。

とまあ、こんなことが予想されまして、担当者にはとても魅力的な破産であります(^^)

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