第64講:男の誇り
ってのは、高くつくもんです。男は、誇りにかけて借金の不払いをして、そして家のホコリと共に消え去ってゆきました・・・(^^ゞ
むかしの手紙
が、案件の中に。「1万円多く振りこんだから、かえせ」と、書いてあります。カネ貸しに取立するとは、いい度胸しとります^^;口座振替が落ちなくて、前の月の分を、次の引落直前に払ってくれば、当然2ケ月分落ちてしまいます。車と同じで、口座振替だって急には止まらんのです(^^ゞそれも、カネ払ったその日とかならまあともかくとして、3ケ月も経ってから「カネかえせ」と言われても困ります。さらには、3ケ月分の3万円もしっかり延滞しておるのですが「かえしてくれたら払ってやる」とも書いてあります。担当者が普通の人だからよかったようなもので、あたくしにこんな手紙よこしたら「ばうろう(-_-メ)」と、すぐに教育的差押が始まってしまいます^^;
弁護士介入
ところが。ほどなく、代理人の弁護士の先生が介入(^^)
停年が近いので、とにかく停年までに返そうという返済案を先生は作ってくれました。が。なんと、分割金1回払ったきりで不払。それどころか、会社も辞めちまいました。
そういう苦情がたくさん行ったんでしょうか?2週間ほどして、弁護士の先生から「あたしは和解するまでが仕事でした」「おすきなように、おやりください(^^)/~」という手紙がきまして「じゃあ、おすきなようにおやりになろう(^^)」と、なってしまったわけですな(^^ゞ
いつもの・・・
はい。家に仮差押が入りました(^^) 裁判も起きました(^^)
仮差押に至っては
とまあ、ようするにプーになって払えず、弁護士にも見放されちまったという、すばらしい保全の必要性であります。これを保全しなくて、何を保全するというのでしょうか(^^ゞ
面接した裁判官も
と、ウケてくださいました(^^)これで、あたくしの目的は大半において達せられております^^;
口頭弁論
で、口頭弁論期日になりました。債務者はどうせ来ないだろうと思っていたら、来よったのであります。
その「1万円返してちょうだい」の件をまたぞろ持ち出して、払わないというのです^^;
10日前に払って落ちたんならともかく、前日の午後に払ったんじゃ、連絡が本店→支店→事務センターと行く間に営業時間が終わっちまっうので、どこをどうやっても引落なんざ止まるワケがありません。どだい、遅れを1ケ月近くもひきずったやつが悪いのであります。遅れたとしても、1ケ月は30日ぐらいあるわけですから、せいぜい20日以内に払っておれば問題はないのです。
でまあ、引落の仕組みを説明して、債務者は一応理解したようですが、今度は「それを誰も説明しなかった」と、のたまっております。
説明しなかったんじゃなくて、こいつは説明させなかったんですな。説明を試みて「つべこべ言うなカネかえせ」と、電話を叩き切られた担当者が数人おりますし、引落の仕組みを書いたどえらく長い手紙を送ったコピーもございます。でもって、そうやっていちいち反論してたら最後は「その、客を客と思ってない態度が気に食わん」のだそうです(^^ゞ
あたくしの場合、お客さんてのは、遅れたとしても電話督促で済んでいる人までを指すわけでして、あたくしのお世話になるような人は、債務者と言って客ではありません。どだい、どブラックで今後取引をすることもありませんから、会社の商売にはさしつかえません。じゃあ誰かにたれこむかといえば、この男は「延滞して差押くらった」ことも当然しゃべらんといけません。そこまで恥をさらして、それでも気晴らしをするでしょうか(^^ゞ?
結末
裁判官、司法委員、あたくしの「はらった方がいいよ~」という大合唱にもかかわらず、債務者は「仮差押が気にくわない」「誇りにかけて、払わない」と言って、判決となってしまいました(^^ゞ
こうなると誇りどころか、ダスキンで拭けばなくなる床のホコリよりたちが悪い(^^ゞ
ところが。裁判所から帰ってみると、住宅ローンをやっていた銀行が自宅を競売にかけた通知が来ておりました(^^)次いで税務当局から固定資産税に自動車税の交付要求。前々から判ってましたが、とってもカネがなかったんですね~(^^ゞ
まあ、それでも気をまわしてくれた(または、損失防止のため(^^ゞ)銀行さんから連絡を頂戴いたしました(^^)
そうやって、債権者どうしで話を決めて、家は売られてゆきました(^^)
ちなみに、剰余が出ない物件でも仮差ぶっこんでほっといて、こうして家を売るときに頂戴するナミダ金を「ハンコ代」ともうしまして、債務者が行方不明なんかの時には、数年後にカネになるので特に有効です(^^ゞ
でもって、行方不明だった債務者があげた家の謄本を「玉手箱」とももうします(^^ゞあけてびっくりだからです^^;
かくして。男の誇りは、明けわたした家のホコリと一緒に、あたらしい家族のおかあさんの掃除機にすいとられてゆきました(^^ゞ