第65講:時効
たとえば。殺人罪に問われる人でも、15年逃げおおせると公訴提起時効にひっかかって無罪放免。さて、借金は・・・^^;
そういや、太陽にほえろか特捜最前線にそんなタイトルの回があったような・・・
ヒトの裁判
とある、裁判所にて。あたくしは、60万を月3千円ずつ払うという債務者との裁判に「住宅ローンじゃねえんだからさあ!^^;」と言うためだけに出向いております^^;
法廷では、とある有名な会社がやっております(^^ゞ
あたくしと同じ体型の割には、小心なお方(^^ゞ
逆転
この場合、債権の消滅時効といいまして、債務者はこの援用を主張しております。債権の消滅時効とは、5年間(但し、一般人の貸し借りは10年間)請求もしなきゃ支払もない場合に、請求権が消滅しちまって相手方の支払義務もチャラになっちまう制度のことをいいます。法律は、権利を一生懸命行使する人にはそれなりに優しいのですが、権利にあぐらをかくやつは保護してくれませんのです。なお、消滅時効はあくまで債務者が主張して初めて有効になるものであって、言われなきゃ請求しようが払わせようがいっこうにさしつかえありません(^^ゞ
やりました。債務者(^^)ここからが、カネ貸し担当者の腕のみせどころ。うやむやにして、最後は忘れさせちまうのがよい担当者(^^ゞ後学のために、わくわくしながら傍聴する取立人^^;
裁判はおわってしまいました。後学もくそもありません。原告は、じきに「請求権がない」という判決を受け取ることになります^^;
懇談
はい。あたくしの裁判も終わりました。廊下でたばこを吸いながら、例の担当者と懇談。
消滅時効の中断事由ってのは、ほっとけば消滅しちまう逆を行く、ということ。何もしないから消滅するのであって、何かすれば消滅せんのです。従って、請求・催告・債務承認・支払のどれかがあれば、消滅時効は成立せんのです。
その人が、案件をとりだして見ております。
大逆転!か?
大騒ぎしていると、向こうの方を「そ~(^^ゞ」と、逃げるような前傾姿勢で歩く債務者が見えております。
彼が「すいませ~ん(;_;)」→ 必死
と、追いかけはじめると、債務者は体型に似つかわしくない猛スピードで「きゃあ~(;_;)」「こないでこないで(;_;)」と、みるみる遠ざかってゆきます^^;
白昼カー・チェイス
あたくしも好奇心に駆られて日本交通のタクシーで追いかけてゆきます^^;途中、一旦担当者を追い越して車を停めさせ「のれ(^^)!」再び黒塗りのタクシーが街を疾走。まるで特捜最前線のよう(^^)運転手さんは、本物の犯罪捜査だと思って口もきかず運転に集中しとります^^;
債務者を追い越すとき、担当者が見ようとするので「まてまて。ばれる(^^)」と、冷静な警部が臨時部下を静止。やがて債務者は後ろへ流れ、駅に先回りしました。が、インターバルというかリードが少ないので、債務者は反対側の階段を上がってまいります。
こうしてせっかく早く行かせてやったのに、担当者はクソ律儀に入場券なんぞ購入。それもみどりの窓口に並んで(-_-メ)
片や、債務者はJR東日本のイオカード(関西地区の「スルッとKANSAI」相当)で自動改札をクリアしてゆきます。しかし、担当者もすばらしい勢いで改札を突破し「どっちもまけるな~(^^)/」と、完璧に見物人モードのあたくし(^^ゞちなみに、帰りのきっぷを行きに買ってある取立人(^^)
終幕
ところが。担当者が中央線のホームに降りてきた時(なぜか見物人の方が早い(^^ゞ)、彼は階段の下でウロウロ。「こっちだ!こっちだ!」というあたくしの声に気づいて、債務者をみつけた途端、債務者が乗った電車のドアは、みごと閉まってしまいました^^;!
電車のドアで礼をしている債務者。カメラがパーンして担当者がフェイドアウト(^^ゞ夜明けの新宿の高層ビル群が映り・・・
こうして、同業他社の人が負けてしまいました(^^ゞ判決は出ちまってるし、あとから、会社にどんな申し開きをしたのでしょう?(^^)
やっぱり、うちら取立人は普段からの研鑚が重要ということで(^^ゞ