検査を受けないで中絶という選択肢
妊娠3ヶ月、産まれる確率の低い我が子について、夫婦で受診した時の話です。
エコーで見る胎児は、はち切れそうなくらい浮腫んでいたので、
流産だったときの受診の仕方や、様子の見方について、詳しく説明を受けていました。
*以下、妊娠中の方は胸の痛くなるような表現多発、注意。
(私)もし、お腹で死んでいて、それに気が付かなかったら、どうなるんですか?
(先生)腹痛があるとか出血があれば、分かるんですが、症状なければ気が付かないものですよ。そんなに、気にしなくても大丈夫ですよ。
(私)ずっと出てこないとか、そう言う事もあるんですか?
(先生)ずっと出てこないって事は、ないですよ。1週間から3週間、長くて・・・1ヶ月くらいで自然に出てくるものなので・・・それに、検診の時に気が付きますしね。そういう時は、病院で処置するので心配いらないですよ。
(私)もし、出血したりお腹痛くなったら、仕事休んですぐに受診したり、夜もすぐに受診した方が良いんですかね?
(先生)夜中に、急いで受診してたり、すぐに処置しなくても大丈夫ですよ。大きさも、小さいから出血してもスゴイ量じゃないからね。ただ、大量の出血が続くって場合は早めに受診して下さい。あと、トイレで、血の塊みたいなのが出てきたら、流さないで取れたら取っておいてね。心配だったら、病院に電話してくれたら、受診のタイミングを伝えるので、その時連絡下さい。
流産の確率が高い事、染色体異常の確率が半分、心疾患を持ってる可能性も50%とあると聞かされて、1週間ほど経過していたので、冷静に思っている事をドンドン聞けました。
(私)検査受けたって、受けなくたって、流産する可能性が高いのは変わらないんですよね?検査で分かる病気も限られてるし。こんな浮腫んで調子悪い赤ちゃんに、検査なんかしても大丈夫なんでしょうか?
(先生)検査自体は、難しい検査でもありませんし、すぐに終わります。ただ、流産するか、しないかは、検査をしても、しなくても変わらないです。検査はしないといけないと言う事はありませんよ。
検査当日でもキャンセル出来ますし、検査入院の朝、赤ちゃんの心拍確認してから決めても、大丈夫ですよ。
(私)もし検査で障害が出てなくても、何らかの障害や病気を持っている場合が多くて、どっちにしたって流産や死産になる可能性は変わらないんですよね?
(先生)羊水検査は、染色体異常を調べる検査なので、もちろん分かる物は限られていますよ。原因を知りたいから、受けようと思われてるんですよね。
(夫)こう言う場合(胎児異常を指摘されている)でも、検査は自費になるんですか?異常がなかったら、元気に産まれてくる確率は上がるんですよね?
(先生)そうですね。自費で、10万円から15万円になりますね。染色体異常はなくても、これだけ浮腫んでいる言う事は、何らかの心疾患を持っていて、染色体異常がなくても流産になったり死産になったり、産まれてもすぐに死んでしまう可能性もあると言う事は、変わらないですね。
(私)ほら、何回も、言ってるし、何回も調べたやん。変わらんのよ。
その後、検査についての説明を受け、とりあえず検査の承諾書と予約はして帰る事になりました。
家に帰って、、、、
2%くらいでしか元気な赤ちゃんが産まれてくる確率はない・・・
高いお金を払って、検査を受けて悩んで、中絶する事に苦しんで・・・ 受ける事に意味があるのだろうか?
検査が出来る数週になるまでの3週間。検査の結果を待つまでの3週間。6週間長い、辛い。
検査費が12万として、産まない決断をしたら、手術で更に12万くらいかかる。どうせ流産か死産、産まれても心臓に病気があってすぐに死んじゃうかも知れないなんて…長引けば、お金も時間も、気持ちもすり減るだけなんじゃないか。私の心は、そんなネガティブな感情が浮かんでいました。
私がドロドロとそんな事を考えていたのに、夫は変わらず、2%を全力で信じていました。
「あの先生、爽やかな顔して、赤ちゃんに死ぬ死ぬって、失礼だよね」「あんな酷い事言って、赤ちゃんも、聞いてるかも知れないのに」「俺、わかんないけどこの子は強い気がするんだよね」
と言うのです。
夫は赤ちゃんを信じていて、赤ちゃんに敬意を払う男でした。
真っ直ぐに、子供を思える夫を見て恥ずかしくなりました。私は、情けなくて、何も言えなくなりました。
母性を持ち合わせてなくて、お腹の子供の事を自分の都合でしか考えられていない。とても残念な母親だと感じるものの、やっぱり2%に入るとは到底思えない。子供の障害や病気の事を知るてだてがあるなら知りたいと言う気持ちは消えないでいました。
*本を読んだり、色んな情報によると、この時点で、中絶手術を行う人もいるそうです。
夫が、私と同じような考え方をしてしまう人だったら、もしかするとこの時点で中絶を選んでいたかも知れません。
妊婦や家族は、不安に陥りやすいし、医師に言われたらそうかなと思ってしまう事が多いんです。
医療従事者が重心児に対して否定的な考え方だと、積極的に出産を勧めない事もあったりします。
障害や重い病気がある場合、大変な思いをする事もあるし、死産、障害を受け入れられないって事だってあるから、リスクは伝えておかないといけない。それは、分かりますが・・・
障害が分かる検査が存在している事、法的に中絶手術ってものが存在していること自体で、命は選別されている。だからこそ、出生前検診についての理解や色んな意見や経験を知る事、考える事は大切なんだと思うのです。
時系列がわかりにくいので、続きはこちらです↓
初めから読んで下さる方は、こちらです↓