悲しみの向こう側に、たどり着く
「元気に産まれてくる可能性は、2%」
それは、心に烙印を押されたように、心に染みついていました。
妊娠中、産まれてくる赤ちゃんの事を思ってウキウキする事も、
大きくなってくるお腹をさすって、嬉しくなる事もありません
だって、産まれて来れないんだもの。
流産したり、染色体異常で、中絶するかも知れないし。
自分は妊娠しているのに、出産はできないだろう。自分が妊婦だって知られるのが、嫌で誰にも言いたくありませんでした。
でも、妊婦なので、重労働などの仕事は免除されるのです。透析室は、ワンフロワーで誰が何をしてるのか、非常に見えやすいのです。だから、重い患者さんの移乗や介助なんかを、私がしようとした時には、誰かが飛んできて仕事を変わってくれるんです。
有給を使って休みを取ったりしたので、スタッフの皆は私の状況をよく知ってくれているから、余計に心配して声をかけてくれたり、優しいんです。
流石、看護師さん。声かけもホントに暖かくて優しい、気持ちに寄り添う事に熟知しています。でも、私は自分が妊婦の扱いや優しさを受けるのが、辛かったのです。心に押された烙印がジワジワ痛んで、赤ちゃん産めないのに妊婦なんて。すみません。すみません。
そんな気持ちで、過ごしていました。
患者さんと長男は、事情を知りません。
だから、看護師の顔して患者さんと接している時、忙しい業務に追われている時、3才の長男と一緒に公園行ったり、遊んだりして母親として求められたり
こなさなくてはいけない役割があったから日常生活を送ることが出来ていました。
この頃は、喘息が出ていて、特に夜中に咳が止まらず眠れなかったり、身体的な疲れもピークを迎えていたり
トイレに行く度に、出血して流産しているんじゃないかと毎回震えるくらいにドキドキしたり
検診で、お腹にエコーを当てられ、心拍を確認されるのに、怖くなりすぎて、意識を失いそうになったり
心身共にボロボロの雑巾と言った所です。ボロ雑巾だからか、妊娠のホルモンの影響なのか、今まで当たり前だった事のありがたさが身にしみこんで来るのです。
•元気すぎて相手するのが大変な長男。→産まれる事が出来て、大きな病気をする事なく過ごせている事、奇跡だ。こんなに元気でいてくれてありがとう!あなたと過ごせる時間、それは本当にありがたい時間だ
・仕事ばっかりな夫。→子供の事を思って一生懸命に働いてくれて、家族の事を思ってくれる夫、感謝です。自分の信念を曲げない真っ直ぐさ、良いよ。
今まで見ていた世界が、違うものの様に感じるようになってきたのです。
妊娠する事でさえ奇跡なのに、妊娠できた事がありがとう。気が付かないで過ぎていた日常に、沢山の幸せが溢れていた。当たり前の幸せに気が付かせてくれてありがとう!
悲しみの向こう側ですね。悲しい、現実辛い、、ってのが受け入れつつあったのでしょうか。ポジィティブな感情が、あふれ出してきたのです。
もし、この子が無事に産まれて来る事ができたら、”幸”と言う字が入る名前を付けよう。そして、この子に名前の由来を聞かれたときに、沢山の幸せを気づかせてくれたからだよって、この話を笑い話みたいにしてみよう。もし、流産だったとしても沢山の事を気づかせてくれたよ、来てくれてありがとうって声をかけよう
悲しい事や、絶望の淵って言うのは、時に当たり前だった事を気づかせてくれるんですね⭐️
*時系列がわかりにくいので、続きはこちらです↓
前回の記事です
初めから読む方は↓